【週刊ハンガンネット通信】《第3号》(2011年6月20 日発行)
「何を教えるか?」

ミレ韓国語学院 学院長 前田真彦(まえだただひこ)

第2号に続いて、「気の合う同士でグループを作りたい」という
受講生の要望にどう答えればいいか、について僕なりの思い
を書きます。特定の誰かを想定しているのではなく、一般論と
して書きます。

まず、自分は「何を教えるのか」という意識を常に持っていない
といけないと思います。

韓国語を教えることを通して「何を教えるのか」ということです。
韓国語の発音や文法だけを教えているのではない、という意
識を常に持っておかないと、授業が深まりません。

僕の場合は、突き詰めると「異文化(他者)理解のため」「豊か
な人生を歩むため」に韓国語を教えているということになります。

「気の合う同士でグループを組みたい」という声が出たら、その
場で教師がどう対応するかで、その教室の質が決まってきます。

恐ろしいことです。こういうとっさの対応にその教師の資質が出
ます。普段から考えて鍛えておかないと、「異文化(他者)理解
のために学ぶ韓国語教室」とは反対方向に進んでしまいます。

「気の合う同士でグループを」という声が出たら、僕なら即座に、
「ミレでは、異文化理解のために韓国語を教えています。自分と
は異質なものと触れ合うことが外国語を学ぶ楽しさです。ぜひ、
今までしゃべったことのない人とグループを組んでください」と言います。

普段から「教室は間違えるところ」ということを言い続けることや、
「逆転現象」(=よくできる人が常によくできる人ではないという
場面を授業の中に意図的に演出すること)をしかけ、クラスの人
間関係をほぐしていきます。

そのために普段から様々な仕掛けをしていきます。

教室は2人集まれば集団です。集団をどう形成しコントロールして
いくか、ここに教師の力量が問われます。

韓国語の文法や、発音を教えるだけが我々の役目ではありません。

固定されたグループのある、あるいは一部の人だけが活躍する
教室、こういう集団は「異文化(他者)理解のための外国語学習」
「多様な価値観を認め合う外国語学習」の現場にはふさわしくありません。

教師が、しっかりと教室経営のポリシーを持ち、自分の担当するク
ラスをどう指導していきたいのか、自分は何を教えているのかとい
うことを常に問いかけて、自分なりの考え方を持っていると、このよ
うな受講生にも、堂々と対応でき、ぶれが生じません。