通信008 両輪

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【週刊ハンガンネット通信】《第8号》(2011年7月25 日発行)
「両輪」
ミレ韓国語学院 前田真彦

私が主宰する「ミレ韓国語学院」に、他の韓国語教室から見学に
来る受講生が少しずつ増えてきています。

その方たちはミレの授業に参加なさって「全然教え方がちがう」と
驚かれます。
たとえば、私は授業中に受講生によく次のような質問をします。「
ヘヨ体の作り方は?」「鼻音化って何ですか?」など。受講生に答
えてもらうのです。
そうするとその方がどのくらい理解しているかよくわかります。

最近よくする方法ですが、文法事項を説明した後、「隣の人にわか
りやすく説明してあげてください」と要求します。すると隣同士、「ヘ
ヨ体はね、ダを取った時の最後の母音が陽母音の時は~」などと
お互い説明し合っています。これ、効果的なんですよ。人に説明す
るのは、本当にきっちり理解していないと人には説明できませんか
らね。

他の教室からきた人は、ほとんどの場合こういう説明ができません。
ではどういう風に教わってきたのかと聞くと、「こういう場合はこう」と
理屈ではなく、体験として慣れで学んできたようです。

「入門初級の段階は、文法より、ネイティブの発音にたくさん触れて
慣れる」というのも、一つの教育方法だとは理解しますが、その方式
で中級上級に上がっていくのはやはり無理があるようで、こうしてミレ
に流れてくるわけです。

「文法をきちんと積み重ねていく」、「自分の舌の動きを観察し、鼻音
化の何たるか理解した上で体験する」このようなことなしには、長期
的な伸びは期待できないように思います。

「受講生は講師の卵」です。いずれそう遠くない将来、受講生は教える
立場に立ちます(立つことが多いはずです。ミレではそのような思いで
教えています)。きちんとした文法の説明や音変化を理解せずに教える
側に回ったときには、その方たちは苦労するだろうなと思います。

ミレを立ち上げて1年と4か月。ミレ周辺の事情が少しずつ目に入り始め
ました。
ネイティブの指導者が必ずしも上のような方ばかりだとは思いませんし
、日本語ネイティブの講師にも説明の苦手な人もいるだろうと思います。

いずれにしても、「文法の理解」と「会話の実践」、この両輪をどう両立さ
せ、「楽しく力の付く授業を継続的に実践しているか」、韓国語教室に対
する評価は受講生が厳しく下すのだということを肝に銘じたいと思います。