【週刊ハンガンネット通信】《第17号》(2011年10月4日発行)
「実力差のあるクラスー たぶん、答えは(タブン)?」
阪堂千津子(はんどうちづこ)
今週あたりから、めっきり涼しくなってきました。北海道や東北の山沿いでは、すでに雪が降り始めたそうですね。東京でも夜は長袖が必要です。私はいま、ストーブをつけながら、PCの前に向かっております。さむいさむい・・・・・
さて 10月になりました。この時期は 後期の新しいクラスのスタートです。
今回、私の担当する社会人クラスでは、3つのクラスが新学期を迎えました。(新規はありません)
2つは大学のオープンカレッジ、1つは民間学校のクラスですが、それぞれ4年半、2年、10年目近くのクラス、と開講期間はまちまちです。
が、共通する悩みがあります。
それは「実力差」です。
とくに、開講期間が長くなればなるほど、初級から中級に上がるほど、受講生さんどうしの実力差がめだってきます。
表向きには人数の増減はないのですが、できない学生さんはやめていき、できる学生さんが入ってきます。
途中から入ってくる方は、よくおできになることが多いです。
少人数の場合、順番でさしていけば、全員にこたえる番が回っていきます。しかし、実力に不安を感じている学生さんたちは、返答に困ることもしばしばです。
そんな学生さんは 沈黙してしまいます。
そこでとりあえず、なるべく負担を感じさせないように、質問の仕方をいろいろと変えています。
ここで私のやっているインチキ小技の一例をご紹介しますと・・・
① よりやさしい単語にいれかえて、もう一度聞いてみる
例)갈아 입다 가 무슨 뜻이에요? à ジェスチャーつきで 옷을 벗고 다른 옷을 입다, 일본말로?
② 選択肢を提示する。 (わかるように)
例)「コンハン」の意味はなんでしょうか・
イチバン、ゴハン、 ニバン 空港 、サンバン、コンバンワ・・・・
注意*まじめな二択のときもあります。
③ 「オーディエンス?」(全員にきく)などというチョイスを与えたり、「ファイナルアンサー?」(もう一度、選びなおしてもらう)などの機会を与える。
あるいはほかの誰かを指名してもらって(←これはなんというのでしょうね)、その人に代わりにこたえてもらう。
④ 場合によっては ひたすら待つ。
「答えてほしい」と思った時は、正解が出てくるように、ひたすら念じたりもします。私に特殊な能力があるわけでもなく、効果も期待できるはずがないのですが、とにかくここは絶対答えてほしい、と切に願う瞬間があって、そんなときは天にもすがる思いです。
さらに、答えていただいたら、かならず「チャレッスムニダ」とかほめるようにしています。 マジョヨ、チョッスムニダ、すばらしい・・・
前田先生が唱えていらっしゃるように、「教室は間違える場所だ、はずかしがらずに間違えましょう」と常にこたえやすい雰囲気を作るのが大切ですね。
上のような質問のしかたが、果たしてその目的にかなっているのかは自信がありませんが、とにかくまわりの人たちと助け合いながら、楽しく学習をつづけてほしい、と願っています。
わからなくて苦痛な時間が多くなると、学生さんたちは、教室から足が遠のいていくみたいです。私の教室の場合は。
以前、キムヒョギョン先生のハンセミで、学生さんの実力差をうまく利用する教授法を学ばせていただきました。グループで役割を分担し、助け合いながら1つのタスクをクリアしていくという方法でした。なるほどなあ、と感動しました。でもなかなか、自分の授業に取り入れるところまでは至っていません。
どのクラスでも必ず存在するといわれる実力差。なんとか+の方向にもっていって、クラス運営をしていきたいものです。
・・・みなさんはどうやって乗り越えていらっしゃるのでしょうか? 同じ悩みを共有されている方のご意見やアイディアをぜひともお伺いしたいです。