【週刊ハンガンネット通信第24号】 2011年11月28日
「映画祭で」
林 鳩順(Lim Koosoon)
会員の皆様、いかがお過ごしですか?
11月19日から12月1日まで第3回京都ヒストリカ国際映画祭が行われています。耳慣れない言葉ですよね。ヒストリカとは時代劇を意味するようです。すなわち、時代劇に関する映画祭なのです。
京都には伝統ある東映京都撮影所と東映太秦映画村、すぐ近くに松竹撮影所があります。釜山国際映画祭に続き、今後はこのヒストリカ映画祭にも毎年参加することになりそうです。
今年はなんと「王の男」のイジュニク監督と二人のプロデューサーが招聘されました。一昨日行われた「韓流時代劇のカリスマに訊く、大ヒット時代劇の法則」というシンポジウムでは私が通訳を担当しました。舞台上ではじめて聞くおもしろおかしい話に、つい通訳という立場を忘れるほどでした。
そして、毎回ありますが、ひやっとしたのは簡単な単語が出てこなくて???となった瞬間でした。監督が気を利かして別の言葉に言い換えてくださり、その間に思い出したのですが、冷や汗ヲヲヲ
韓国語が分かる方もかなりいらしたので、訳す前に笑いが起こったり、反応がありました。舞台上での通訳は当然語学力が必要ですが、私は、ど根性と気力、そして大小の場数を踏む事が一番だとつくづく感じています。
関係者の打ち上げや交流会では、「言葉」に関する話で盛り上がりました。映画用語には多くの日本語があり、驚きました。ひきあげ、たちまわり、すれちがいなど。裁縫用語、土木用語など次々と飛び出しました。
イジュニク監督の映画の特徴は時代劇独特の昔言葉ではなく、現代語、特に慶尚道、全羅道、忠清道の方言「サトゥリ」を使うので明快で大変面白いです。
京都における朝鮮半島との関わりは地名などにもしっかりと息づいています。無意識に使っていた単語や地名に我が国との深い関わりと深い意味が込められていることを再度実感したうれしい体験でした。
皆さんの地域にも朝鮮半島とのいろんな関わりがあるんでしょうね。私は生徒さんたちと、そんなお話もしたいと思います。
ではまたメールでお目にかかりましょう!!