【週刊ハンガンネット通信】《第25号》(2011年12月5日発行)
「韓国語を学びながら、さらに学んで欲しいこと」

長崎韓国語教室 代表

池上和芳 (いけのうえ かずよし)

昨年、2010年の夏に私は、韓国語教育に関する6週間の研修を、
ソウルにあるソガン(西江)大学校で受ける機会に恵まれました。

現地で、韓国人の先生方から、韓国語で講義を受け、韓国語で
レポートを書き、韓国語で実習に臨み、大変勉強になりました。

その研修期間中に、当時の菅直人首相が、「日韓併合100年に
関する談話」を発表しました。そのニュースについて、韓国の各
メディアは軒並みトップで伝えました。

ある新聞は、かつて日本軍の慰安婦にさせられた被害者たち
が身を寄せ合って暮らす「ナヌムの家」で、被害者のハルモニ
(おばあさん)たちが、テレビの中の菅首相をじっと見つめて
いる写真を掲載しました。

談話が発表された翌日の、研修の授業では、その日の担当の
先生が、談話の内容をどう評価するべきか、しばらくの間、話を
なさいました。先生は話の中で、「(加害の事実について)加害
者が学ぶことが重要です」とおっしゃいました。

そのほかの日の、また別の先生方による授業の中でも、「日本
が、かつてしたこと」についての話は、何度か出てきました。

50人ほどいた研修の受講生の多くが韓国人で、日本人は私1人
でしたが、授業が終わった後、「針のむしろだったでしょう?」と、
いたわって私に声をかけてくれる(韓国人の)受講生もいました。

日本という国は、この国(韓国)で、いまだに、まるで信用を得ら
れずにいることを、私は十分承知していましたが、昨年の韓国
滞在の中で、そのことを改めて実感しました。

加害国としての日本が、隣国からの信用を回復させる努力を、
これまで何もしてこなくて、今も何もしていないことを、非常に
情けなく思いますが、

国というものの姿勢は、それを構成する国民の意識や考えを
反映したものでしょうから、1人1人が歴史の事実(加害の事
実)を知っていって、人として、あるいは国として、どうするの
が正しいのか、考えることが何よりも大切なのだと思います。

韓国語の学習に話を移せば、仮に、ある日本人の学習者が、
努力の末、韓国語をネイティブ並みに使いこなせるようになった
としても、その学習者が、もしも、「日本が、かつてしたこと」に
ついて無知だったり、無関心だったりしたら、

その学習者は、韓国の人々や文化にいくら親しんだとしても、
この国(韓国)の「心」を、いつまでも知ることはできないの
ではないかと思っています。

私自身は日々、授業で韓国語を教える中で、歴史も同時に
教えているわけではないのですが、韓国語を学ばれる方々
お1人お1人が、韓国語を学びながら、歴史についても、それ
ぞれの方法で、学んで欲しいと願っています。