通信072 『韓国語発音クリニック』

【週刊ハンガンネット通信】《73号》(2013年3月12日発行)

『韓国語発音クリニック』-臨床的な個人指導が特徴

ミレ韓国語学院 学院長

前田真彦

2月末に『韓国語発音クリニック』(前田真彦著/白水社/3月24日発行予定)を校了しました。ミレの「発音クリニック基礎」の教材から作った粗原稿と企画書を白水社に送ってからほぼ1年。去年11月から急ピッチで作業が進み、2月末ですべての校正作業が終わり、今は発刊を待つばかりです。

今回の執筆は特に楽しかったです。楽しかった理由を、ちょっと説明しましょう。

本書は韓国語の発音に特化した内容ですが、単に発音に関して解説した本ではありません。各章の発音の解説の後、「加藤さん」「鈴木さん」を一人ずつ診察室に呼んで前田が発音の矯正をするのです。「クリニック」たるゆえんです。

「加藤さん」は初級を終えた方、「鈴木さん」は中級を終えた方。それぞれ受講生の代表的なタイプを想定し、会話体でクリニックが進んでいきます。<診察室>と題したこのコーナーが、この本の最大の特長です。

12月ごろキャラクターのイラストが上がってきました。イラストは『前田式韓国語中級文法トレーニング』(アルク)で素敵な「前ちゃん」を描いてくださった原田祐仁子(ゆみこ)さんにお願いしました。今回もキャラクターが決まるまでもいろいろ紆余曲折がありましたが、その話はまた今度。

イラストができてから、俄然面白くなってきました。「鈴木さん」「加藤さんが」生き生きとし始めたのです。私の頭の中ではっきり、「加藤さん」「鈴木さん」の表情から声まで聞こえてきます。本の中から出てきて先日は本当に夢にまで出てきました。

この本が私の13冊目の著作(翻訳含む)になりますが、自分が作った人物が、表情を持ち、声まで聞こえてくるとは、本当に驚きです。楽しい執筆作業になりました。

発音に特化した書籍は、とかく難しくなりがちですが、読み物として楽しく読んでいただけたらと思います。

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