【週刊ハンガンネット通信】《第76号》(2013年4月1日(万愚節)発行)
北国の春
阪堂千津子(ハンガンネット 世話人代表)
ハンガンネット会員のみなさま、おはようございます!
今日から新しいスーツをきた新社会人の登場ですね!ウイウイしい彼らを見ていると、こちらまで若い気分になりますからありがたいです。
わたしも新入生に間違えられました~ (^^*)>
さて先週、ハンガンネットの会員でもある山下誠先生(神奈川県鶴見総合高校)のお誘いで、私は重い腰を上げて気仙沼の被災ボランティア活動に参加してきました。
「私のような中年の腰痛持ちはお荷物じゃないか」という当初の不安は杞憂でした。
「来てくれてうれしい」オーラ全開の気仙沼の人々の温かさに圧倒されました。
着いたらすぐに働くのではなく、まずは「なぜその仕事をするのか」「私たちの作業はどんな過程の一部なのか」「結果(目標)は何なのか」を、
丁寧にレクチャーしてもらってから、具体的な作業の説明を受けて工具を渡されて作業に入るので、とても働きやすかったです。
(こう考えてみると、ゴールを明確に提示して必要な語彙(工具)や文法(手順)を教えて練習(実行)させる、という理想的な韓国語の授業設計方法にも通じますね!)
今回は、津波で店を流されたレストランのオーナーが、県から木材を購入して、
ボランティアの力を借りながらログハウスを組み立てて、新しいお店を4月にオープンさせるのですが、
私たちはその過程で出たごみを可燃ごみと不燃ごみにわける作業を手伝いました。
スーパーの駐車場で木くずと小石をふるいで分ける作業です。
私はほんの1時間強しか働いていないのでボランティアというには恥ずかしい体験でしたが、童心に帰って楽しく働きました。
そして作業を終えた後、実際にログハウスが立っているレストランに連れて行ってもらい、
オーナーさんにもお会いして、オープン前の準備の様子も見学させていただきました。
被災地の様子って、テレビで見たつもりになりますが、(韓国についても同じように)、実際に行ってみるのとでは大違いですね。
そして、現地に行ってみて初めてわかるものもたくさんありました。
また、現地の人とつながりができることによって、自分が手伝った店がオープンしたあとも応援したいという気持ちが沸いてきました。
私はきっと、そのうち訪れることでしょう・・・なぜならば・・・そう、8月には仙台研修があるからです!
ハンガンネットでは今、8月14(水)-18(日)に開かれる仙台研修の事業計画を東京韓国文化院と企画しているところです。
これまで名古屋、北海道、新潟と行ってきた研修の2013年度版です。
全国の韓国語講師および講師志願者に1人でも多く参加してもらうためにはどんな研修が必要か、
世話人一同であれこれず~っと考えながら意見を出し合っています。
今年は東北学園大学や東北学院大学の先生をはじめ、ミレ韓国語学院の前田真彦院長や横浜のコリブン語学堂のキム・スノク院長、
そして新宿の新大久保学院のカリスマ講師など、市民講座の第一線でご活躍の人気講師陣を揃える予定ですが、
それでも、私たちのアイディアだけではなんだか不安です。
参考までに、案としてあがっている研内容をご紹介します。
カテゴリー別にしてあります。日程表ではありませんので、ご注意ください。
(1) 教師・授業論~ゴールと評価を意識したカリキュラム・デザインとは |
Ⅰ オリエンテーション |
本研修の目的及び研究授業発表について、受講生自己紹介など |
Ⅱ やる気を引き出す授業法 |
望ましい教師とはなにか、やる気を出す授業にするための50のテクニック |
Ⅲ カリキュラムとは何か |
授業運用に必要なカリキュラム・学習(授業)・評価の関係を理解する |
Ⅳ 学習支援のための評価法 |
既存のペーパー方式でない学習者の能力を真正に評価する方法の理論と実践 |
(2) 発音・文字教授法 |
Ⅰ 学習者のための発音指導法 |
日本語母語話者の弱点を研究しつくした学習者中心の発音指導法 |
Ⅱ 韓国語語文規定の理解 |
韓国語正書法の理解 |
(3) 模擬授業を見て具体的な授業をイメージする |
Ⅰ 講師による模擬授業 [1] |
会話力を伸ばす授業例 |
授業の進め方、ゴール設定の仕方などを学ぶ |
Ⅱ 講師による模擬授業 [2] |
多技能を連携させた授業例 |
読む授業と話す授業の連携、ゴール設定などを学ぶ |
(4) 語彙・文法の指導法~文法をどう教えるか |
Ⅰ 語彙教育法 |
効果的な語彙教育 |
Ⅱ 韓国語文法教育法 |
韓国語の文法を日本語母語話者にいかにわかりやすく教えるか |
Ⅲ 中級以上の文法指導法 |
日本語母語話者の間違えやすい文法の効果的な教育方法を実例を挙げて講義 |
Ⅳ 文法を授業でどう取り入れるか~「文法嫌い」克服のために |
会話能力向上と文法教育の取り入れ方を模擬授業等を元に批判的に考察 |
(5) 研究授業実習~これからの授業のために |
Ⅰ 研究授業の準備 [1] |
最終日の研究授業に向けてテーマを選定、教案作成の方法とアドバイス |
Ⅱ 研究授業の準備 [2] |
ゴールを意識した授業作りを考え、ゴールの選定を元に発表日の班分け |
Ⅲ 研究授業の準備 [3] |
3日目の講義・講師による模擬授業を元に教案の再考を進める |
Ⅳ 研究授業の準備 [4] |
翌日発表のための予行練習 |
Ⅴ グループ別研究授業実習(模擬授業) |
全体の質疑応答 |
グループ毎に進行及び指導講師が1名ずつ付き、1名20分程度の研究授業 自習を発表し、みんなで考える |
こうしてみると若干、文法教育に偏っていますね。
さて、皆さんは、この研修に参加したいですか?(参加してくださいね >⑧<)
ぜひとも、「参加するならこんな科目がほしい」「これはいいね!」「これはちょっと・・・」という忌憚のないご意見を寄せてくださいませんか?
今回の研修のコンセプトは一言でいうと、「やる気の出る授業」「受講生がどんどん来る授業づくり」・・でしょうか。
例年よりも講義科目を減らし、さらに「授業づくり」に集中してカリキュラムを考えてみましたが、
これがはたして世の中のニーズにあっているのかどうか、我々の悩みの種であります。・・・
ですので、どうかどうか、みなさんのフレッシュな頭で、意見をください。おまちしています。
そしてこの研修の後には、有志で被災地ボランティアに行きませんか?(あ、もちろん、行きたい方だけですよ~)
被災地の現状はまだまだ楽観できませんが、復興作業を見ていると「人間はなんでもできる」という気分も体感できますよ。
さあ、みなさん。ことしの夏は仙台でリフレッシュしませんか!
*追伸:このメールで1つだけウソがあります。さて、それは何でしょう?