【週刊ハンガンネット通信】《第79号》(2013年5月20日発行)
匿名の世界の無責任さ――アマゾンのレビューに思う
アマゾンの『韓国語発音クリニック』(前田真彦著、白水社刊)に以下のようなレビューが付きました。
amane(2013年5月14日) ★1つ
(前略)正直期待はずれでした。ある程度
韓国語の勉強をしていて一通り文法や表現が身についている人にとってはさほど驚くような内容ではなく、「それはそうでしょうね」という印象になってしまいました。私には合わなかったようです。ためになったと思える内容は少なく、この程度の内容であれば本一冊買うほどではないかと思いました。(引用終わり)これを読んで、目の前が真っ暗になりました。そこそこ人生経験を積んで、少々のことではへこたれませんが、これにはまいりました。本を書くというのは、大変不安なことです。そして身を削るような努力を傾けます。加藤さん、鈴木さんというレベルの違う架空の学習者との個別カウンセリングを実施するというアイディアは、一つの大きな試みです。うまくいったかどうかはわかりませんが、今の自分にできる最大限の工夫であり、読者への思いです。
至らない点を指摘されれば素直に反省し受け入れる姿勢も持っているつもりです。学習者に必要不可欠な発音に関する内容を、専門的になりすぎず、しかし専門性のある内容を、わかりやすく、語りかける調子で、時にはおやじギャグを飛ばしながら、読みやすいよう……それを、「この程度の内容であれば本一冊買うほどではないかと思いました」とは。
誤解なさらないでください。マイナスの評価ならそれはそれでよいのです。どこがどうと具体的な指摘がほしいのです。根拠を示さず全否定するやり方に、大いに傷ついているのです。ところでamane さんとKAeさんは違う人物としてコメントなさっていますが、私には同一人物だと思われます。あまりにも内容や表現が似通っています。みなさんはどう思われますか?一旦ひどく落ち込みましたが、今は、どのような批判にあっても、反省すべきは反省し、自分がなすべきこと、自分しかできないことを着実に実行し、次にコマを進めようと、決意を新たにしています。
そういう意味では、amane さんやKAeさんのレビューが私を鍛えてくれ、感謝しています。
ちょんげぐりさんからは励ましのコメントもいただいております。落ち込んでいるときにどれほどありがたかったか。アマソンでも公開されています。
<ちょんげぐりさん コメント>
マイナスコメントを書くことは簡単です。しかし自分も昔「こういった苦労をして韓国語を覚えた」という認識があるのでしたら初心者を応援するだけの広い技量が必要です。コメントを書いた人でも,最初は先生から発音を直されたからこそ,いま「この本に書いてあることは当然なこと」と思えるのではないでしょうか。
まさにこのコメントを書いた人に言いたいことわざです。何事も初心忘れるべからずです。この本はすべての韓国語学習者のための本ではなく,「発音に特化した訓練をしたい人」のための本ですので,そのことをわかって購入するのでしたら何のマイナス点も無いと思います。