【週刊ハンガンネット通信】《第89号》(2013年9月30日発行)
4色ボールペンディクテーションはなぜ「はまる」か
前田真彦
私は常々、받아쓰기 の重要性を主張してきています。
なぜなら、韓国語は、音と文字が乖離している言語だからです。
1、<連音によるずれ>
바비と聞こえてきたものを、
밥이と文字として再現できなければならない。
2、<音変化によるずれ>
도시랑멍는 と聞こえてきたものを、
도시락 먹는 と文字として再現できなければならない。
こういう音と文字のずれに対応できる力を身に付けなければ、
聞き取りは正確にできるようにならないのです。
その聞き取りをどう鍛えるのか?
試行錯誤の末に編み出した方法が、
「4色ボールペンディクテーション」(以下4BD)です。
『「前田式」韓国語パワーアップドリル』(HANA)では、
その方法や誕生の経緯を紹介しています。
<方法>
同じ音声(意味のカタマリで切る)を聞いて文字起こしする。
1回目黒、2回目緑、3回目青、4回目赤
2回目以降は、新たに聞き取れたものを書き加えていきます。
スクリプトを見て答合わせをして、シャドーイング。
1、なぜ4色なのか?
何回聞くのがよいのか実験した結果たどり着いた結論です。
4回聞いてわからなければ100回聞いてもわからないのです。
2、4BDの効能は?
A 聞き取りという地味な作業を楽しい作業に変える
B 自分の勉強の足跡が残る
C 自分の弱点が可視化できる
D 道具や方法がはっきりしているので取り組みやすい
結果、「はまる」のだそうです。
受講生のブログをご覧ください。
http://ameblo.jp/yonkomama/entry-11607246625.html
検索すると他にもいろんな人が取り上げてくれているようです。
「聞き取り」という、地味で取り組みにくい作業を、
楽しい作業に変える魔法の方法です。
みなさんの教室でもぜひ、4色ボールペンディクテーションに取り組んでみてください。
聞き取りプロセスの可視化、聞き取れないところの可視化は
授業分析、学習者分析の良い材料にもなります。