通信094 「ご案内可能だが、努力要」のわけ

【週刊ハンガンネット通信】 第94号 2013年11月18日発行
「ご案内可能だが、努力要」の訳(わけ)
先生方、アンニョンハシムニカ?前回メルマガを失念してしまい、 久しぶりの投稿となります。
この間、「通訳者・翻訳者のすべてが分かる~ハイキャリア」 というサイトで、コラムを書かせて頂くことになりました。 http://www.hicareer.jp/chinese/korean/
いま第一回だけがアップされていますが、 第二回を書きましたので、いち早くこちらでご紹介させて頂きます。
コラム内にも書きましたが、検定試験上級者でも韓国語の音変化の カラクリがきちんと頭に入っていない方はとても多いです。しかし、 通訳の訓練をしようなんて方は特に、発音は良い方がいいですね。
大阪の前田先生が発音教育について努力を重ねていらっしゃいますが、 できるだけ早い時期に、講師も学習者も粘り強く取り組むべきだと思います。
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「ハイキャリア」第二回コラム 題名:「ご案内可能だが、努力要」の訳(わけ)
当校の韓国語「通訳翻訳プログラム」 の受講を希望される方には、 必ずレベルチェックテストをお受けいただいています。
日→韓、韓→日の、時事的な記事の翻訳、そして文章の音読 (このとき、アナウンサーになったつもりで、と申し上げます)、 そして会話インタビューです。音読とインタビューは、 ノンネイティブ言語で行います。翻訳は、語彙の豊富さも 拝見させていただいているので、辞書持ち込み不可です。
レベルチェックの結果は、
1.充分ご案内可能
2.ご案内可能だが、努力要
3.ご案内不可能
の3段階で出させて頂いています。
実はこの中で、1と3に属する方は少なく、圧倒的に2の方が 多いです。「ご自身次第です」なんて言うと、「曖昧な判断を 下す学校だ」なんて思われるかもしれませんので、 理由をお話させていただきましょう。
2の方は、以下の A~Cの条件をクリアできれば、効果的に授業を受けていたくことが できると思います。
A:知識、語彙を増やす課程での障壁を乗り越えられるか
B:発音を徹底的に改善する意思があるか、改善できるか
C:絶対有能な通訳になりたいという目的意識を持続できるか
まずAに関してですが、通訳訓練を行うにあたり知識力と 語彙力がやや不足するのでは、と懸念される場合2になります。 第一回のコラムでも申し上げたように、通訳訓練は様々な 社会的、国際的話題に触れながらこれらの能力を養っていきますが、 当然のことながら、興味の薄い分野、面白みを感じない内容も 出てきます。
そしてそういう話題は余計に難しく感じ、 読むのが億劫になりがち。これを乗り越えられるか。 「こんなもの読んでも仕方がない」「役に立たない」と思わず、 どんな題材でも好奇心を失わず読み込み、新しい語彙を覚えて いけるかが重要です。
次にBです。日本語ネイティブの方に限った話をさせていただくと、 検定試験の上級レベルを持つ方でも、発音の音変化 (激音化、濃音化、鼻音化など))が頭に入っていない、 もしくは実現できていない方が多いです。
例えば、「16日」「한국뉴스」「발건했다」などを、 「シpユギル」「ハングkニュス」「パrギョンヘッタ」と読まれる。 正しくは「シmニュギル」「ハングンニュス」「パrギョネッタ」ですね。
発音に関して自身のブログに書かせて頂いたことがありますが 、外国語を話すというあらゆるシチュエーションや、与えられた 役割によっては、多少発音が良くなくとも、 その他の要因で通じさせることもできると思っています。
しかし、「通訳の訓練をしよう」「これから通訳者になろう」 という方は別で、人に言葉を聞かせる仕事なのですから、 発音はやはり良くないといけないと思います。
でも、上級者になって発音を直すというのは以外にも大変で、 仮に指摘を受けその場では直っても、大抵の方は次に同じ 単語が出てきたらすぐに間違った元の発音に戻ります。
本当に発音を良くしたいなら、指摘してもらうだけでなく、 発音のコツや音変化の理論を学びなおし、鏡を見ながら 口の形や口の中にまで意識を及ぼし、たくさん音読・録音し、 どこが悪いか客観的に分析し、
無意識的に正しい発音が 出るようになるまでチェックを怠らないという流れで 、練習に練習を重ねることが必要です。これができるかどうか、 どこかで「通じているから不便ない」と思ってしまわないか。
そしてC、モチベーションの維持ができるか。 一概には言えませんが、日本でも韓国でも一般的な方法で 韓国語を初級から学習し、上級に達した皆さんは 「褒められながら」育てられてきたと思います。
しかし、通訳の訓練は必ずしも褒められることばかりでは ありません。時には耳が痛くなるような辛く厳しい指摘を 受けることもあります。上級者になってもそんな指摘をして もらえる機会があることは有り難いことだと思いますが、 ちやほやされて育てられてきた韓国語学習者の中には、 それに耐えられない方も少なくありません。
でも、そこで歯を食いしばって頑張れるのは、「ぜったい 通訳者になりたい」という目的意識やモチベーションが あるからです。それに付随し、指摘を自身の問題と捉える ことのできる素直さも大切です。
以上、長くなりましたが、ある程度のレベルに達したあと、 さらに可能性を広げることができるかどうかは ご自身次第です。頑張りましょう!
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