通信126 チヂミ志向の日本人:お好み焼きは何に似てる?

【週刊ハンガンネット通信】第126号 (2014年10月20日発行)

「チヂミ志向の日本人」~お好み焼きは何に似てる?~

阪堂千津子

お好み焼きは何と似ていると思いますか?・・という先日の質問に、多くの先生方からご意見をお寄せいただきありがとうございました。

実は、あるテキストのスキットに「お好み焼きは韓国のチヂミみたいなものですよ」と書いたのですが、韓国の方々から「지짐이チヂミではよくわからない」という意見が寄せられて「では何といえば通じるのか」と困ってしまい、みなさまに質問させていただいたしだいです。

思うに、私は今まで日本人に「チヂミは日本のお好み焼きのようなもの」という説明しかする機会がありませんでした。逆も真なりと思っていましたが、はた、と考えてみると、なかなか難しい問題のようです。

「파전バジョン?」・・・でも中身はねぎ(パ)だけでない。
「부침개プチムゲ?」 ・・それだと種類がありすぎる。

ちなみに、私の中では「プチムゲ」はチェサのときなんかに食べる小さいジョンの感覚です。

そもそも「チヂミ」とは何ぞや? と、Wikipediaをのぞいてみると・・・

「チヂミの呼称は慶尚道で話される東南方言に由来するもので、韓国の標準語ではプッチムゲまたはジョンとし、いずれも「平たく伸ばして焼いたもの」という意味である。」

確かに90年代初期まで、ソウルに旅行していたときには、「パジョン」のメニューしか記憶にありません。そのころ、南漢山城の주막(というにふさわしい店)で食べたパジョンとマッコリを思い出します。

それがいつの間にか、世宗会館の裏の、日本食料理が並ぶ一角にチヂミやさん(当時、ソウルで一軒しかなかった回転ずしやさんの隣り)ができたりして、あちこちに「チヂミ」が普及していきました。その店の表記は「지짐이」でしたが、いまや「지지미」と表記する店も少なくないですよね。

あ、で、結局、テキストには「빈대떡」になりました。ピンデトクの大きさがお好み焼きにちょうど良いし、具もいろいろ入っている、小麦粉を使って作るところも多いから、ということで落ち着きました。「ピンデトクは緑豆でしょう(日本語では「緑豆チヂミ」となってますね)」とか「そんな安物じゃない」「いや、お好み焼きもジャンキーだ」などと、しばらく議論は続きましたが、読者の反応はいかに。
実は私には「パジョン」も「チヂミ」も「プチムゲ」も「ピンデトク」も、それぞれもはや別物のように感じられるのですが、ネイティブの先生方の感覚はいかがなもんでしょうか。チヂミはやはりソウルと慶尚道にだけ通じる名称で、プチムゲもパジョンも同じですか?

まあ、呼び方はともかく、日本人は本当にチヂミが好きですよね~?韓国料理を食べに行くと、必ずチヂミを注文しませんか? かくいう私も、甘いお好み焼きよりもあっさりしたチヂミのほうが好物です。 ^^

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