通信129: 私の韓国語講師奮闘記 2

【週刊ハンガンネット通信】第129号 (2014年11月24日発行)

私の韓国語講師奮闘記 2

宮本千恵美

寒い日が続いております。
冬が来るたびに思い出すのはベターですが・・・冬のソナタです。

私が韓国語学習を始めたきっかけが、元祖韓流・「冬のソナタ」。

そして私の講師の道を偶然に開いてくれた先生のことを書こうと思います。

私が学習を始めたころは、東方神起などのアイドルが少しずつ出始め、
そのころを私の中の区切りで「第1期韓流ブーム」と呼んでいます。

生徒の中にはアイドルが好きだから、アイドルの歌を使ってほしい感もあったのですが、先生いわく、
「アイドルの歌は速度が早い上に発音も悪い!」
と、生徒の要望なんて軽くあしらっていました。

そして「冬のソナタ」の류の歌は発音が良いと言い、教材として使っていました。

発音が悪ければ、「다시 한번」を何度も言われ,
韓国の単語を質問したときなどは、「뭐라고요? 발음이 나빠서 못 알아들어요.」と返されることも。

そして発音指導は優に6ヶ月間ほど続き、とにかく徹底的にありとあらゆる「音」の指導をしていました。

そして授業の最初に各自「한마디」を言うことになり、一生懸命に考えてきた一言を先生の前で言った瞬間,
「何が言いたいんですか?」
と返され、顔が真っ赤になるくらい恥ずかしかったことを覚えています。

そして私は心に誓ったのです。

「いつかこの先生をぎゃふん!と言わせてやる!韓国語が上手になったと言わせてやる!」

でも私は先生のことが嫌いなのではなく、むしろ大好きで今でも尊敬しているのです。

先生はいつも韓国語は発音がとても大切なので、きれいな発音ができなければ
話すことも聞くことも上手にならないと言い、何を言われても自分の信念を貫いていました。

人に教えるためにはまず自分が韓国語を知らなければいけないと考え、
韓国のサイバー大学で韓国語教員免許を習得したそうです。

本試験は3回目でやっと合格したと、今では笑って話していました。

私がこういうのは何ですが・・・頑張り屋で、人一倍責任感が強くて、
何よりも自分の国の言葉を大切に想っているようでした。

私も今、その先生と同じ道を歩きだし、韓国語教員免許の習得も視野にいれ、
いつか先生に褒めてもらうんだと言う誓いは継続中です。

そして先生に感謝していることの1つに、徹底した発音指導をしてくれたことがあります。

そのおかげで私も先生ほどではありませんが、発音の指導をすることができ、
初級での集中的な発音指導を心がけています。発音にはうるさいです・・・

生徒に「発音こそが韓国語の醍醐味!」「音の世界を楽しもう!」と発してから授業を始めます。

以前に幡野先生が書かれた「初級の大切な時期に適切な発音指導を」、この文章にとても共感しています。

ある日、私の生徒と他の教室で勉強している生徒を、一緒に指導したことがあります。

学習年数もほぼ同じ初級者だったのですが、上級用のテキストを読まなければいけない場面がありました。

勿論、2人とも知らない単語や発音しにくい単語の羅列に苦労していました。

1人の生徒はパッチムの発音をしっかり習ったことがないらしく、パッチムの音が単体で聞こえるほど
発音がたどたどしく、できてないと自分で実感しているのかとても自信がないようでした。

ところが私の生徒は単語の意味はすべて分からなかったと思いますが、
発音や変化を読み取ることはできるので、スラスラと読んで見せたのです。

このときほど、自分を指導してくれた先生にどんなに感謝したかわかりません。

そして私の指導方法に素直について来てくれる生徒にも感謝しました。

先生が植えた種がこうやって芽になり花となり、また新たな芽になり・・・

だから先生も私もいろいろなことがあっても、この仕事を辞めないのだと思います。

私がそうだったように、韓国語を趣味で始めてそれが仕事になったり、
国際交流をするきっかけになったり、指導する先生でもその先の未来が変わることもあるのだと思います。

私もいつか「宮本先生のようになりたい!」なんて素敵な台詞を聞きたい、
そして必ず、尊敬する先生から褒めてもらう!

そんなことを考えながら、また新しい発音指導を模索しております^^

追伸
最後にハンガンネットの先生方に質問させていただいてもよろしいでしょうか?
どのようにイントネーション指導をされていますか?
何か良い指導法があれば教えて下さい!

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