【週刊ハンガンネット通信】第148号 (2015年5月18日発行)
私の韓国語講師奮闘記 4: 韓国文化に触れる授業
宮本千恵美
新年度がスタートして1ヶ月以上過ぎようとしています。
私が働く高校でも韓国語の授業がスタートしました。
私が向陽高校で韓国語講師として勤務したのは2011年後期の授業からでした。
私は生まれも育ちも今でも金沢に住む金沢人で、自分が勤務することになった向陽高校の評判をよく知っていました。
正直、最初は怖かったです。
まぁ…評判が良くないと言えば、少し分かっていただけると思いますが・・・
その高校で1年間、3年生の選択科目として韓国語を教える・・・非常に無謀なお話だと思いました。
私が最初に考えたことは、たった1年間の間に何が出来るか、何を教えるか、でした。
私も韓国語を1から勉強したから分かるのですが、1年間なんてあっという間で語学を勉強するにはあまりにも短い期間です。
そこで私が考えたのは、韓国語を通して韓国文化に触れる授業を1年間に何度か取り入れることでした。
先ほども申しましたが、私は金沢生まれの金沢人で、ルーツも日本人です。
なのでキムチを漬ける体験だとか、料理を作る体験だとか、私に知識もなく、またそれを用意するのも学校から許可をもらったり、TTの先生に協力を仰ぐも大変です。(言い訳・・・)
そこで目に入ったのが、私が韓国でオーダーメイドで買ったチマチョゴリでした。
購入した当日に帯の結び方も動画で撮影していたので、あ!これなら、私にも出来るんじゃないか、そう思いチマチョゴリを着る体験を思いつきました。
チマチョゴリは着物と違ってサイズがはっきりしているので、私の持っているものだけでは不十分でしたし、生徒たちも友達と一緒に着て写真を撮りたいだろうと思い、収集し始めました。
勿論、新品は高くて手が出ません。
インターネットオークションで買い始め、それは在日コリアンのチマチョゴリだと韓国の友人にも教えてもらい、それも話のネタになりました。
チマチョゴリを着て楽しく写真を撮る生徒を見て、私もとても嬉しい気持ちになります。
また、授業の初日に韓国語で自分の名前を書く練習をさせるのですが、そのときにプレゼントでハングルシールを配ります。
今年は男子生徒が、子音のシールを顔に貼り
「선생님! これなんて読む?」
と聞いてきたので、
「子音だけでは読めないんだよ(子音に名前はありますが・・・)」
と答えました。その後に母音と子音から構成されたハングル文字を説明すると
「あ、だからこれだけじゃ読めないんだ!」
と驚きの発見をしていました。
なるほどな・・・遊んでいるように見えても、何か感じ取っているんだとその姿に微笑ましくなりました。
そしてこれは長野韓国教育院での研修会で学んだことですが、生徒全員に韓国名を命名することを毎年行っています。
中には苗字を好きな芸能人と一緒にして欲しいと言う生徒もいますし、自分の名前の発音を聞いて笑ったり、感心したり、喜んだり・・・。
毎年作るのは大変ですが、それでも生徒たちの反応を見たくて一生懸命作ります。
でもそこはやはり私は韓国人ではないと感じ、韓国にない名前を作ってしまっている可能性がないといえませんので、ネットで同姓同名を探しチェックも怠りません。
他にも、日本の終戦日前に南北の問題について板門店に行った時の話をしたり、私が提示する平均点を取った場合、韓国の映画鑑賞会をしたりもします。
映画は生徒達で選べるように、何本か用意し選んだ映画を観賞できる様にしています。
生徒達が楽しめるように、どんな生徒でも参加できるように、興味がない生徒でも興味が持てるように、が私の授業のコンセプトです。
教育機関で勤務されている先生方の中には、きっといろいろな授業と韓国文化を体験できるような行事などを実施されていると思います。勿論、塾でも個人の授業でも実践されている面白い授業などがあると思います。
もし何か楽しく出来る授業などがあれば教えて下さい^^