【週刊ハンガンネット通信】第152号 (2015年6月15日発行)
「ハンセミにご参加ください」
伊藤耕一
ハンガンネットでは、今年の活動として、年6回のセミナー開催を計画しました。
7月には山形で、9月には関西で、11月・1月には東京で、2月もしくは3月に大阪で、それぞれ予定しています。
ハンガンネット会員は、5月5日に事務局から配信されたメールをご覧ください。
多くの皆様からのご参加をお待ちしています。
さて、今年最初の5月のセミナーは、私が担当いたしましたが、「中高年学習者のための授業のコツ」ということで僭越ながら、ハンセミの講師を務めさせていただきました。
私は大学で韓国語を専攻し、地元である長野県に戻り、韓国語を勉強したいと希望する方に教えてきましたが、その多くが中高年(40歳代~70歳代)の方でした。
教え始めて5年後くらいに「冬のソナタ」が流行し、受講生も増えました。
その多くはドラマを観て韓国語に興味を持った方でした。
皆様にもご経験があるかとは思いますが、ドラマがきっかでで韓国語を勉強したいと思うようになった中高年の方は、若い学生とは違って、韓国語を勉強しても必ずしも話したり書いたりできるようになるとは限らない(失礼ながら、学力の高くない方もいる)のが悩みの種でした。
「一生懸命教えても、覚えてもらえない。」「同じことを教えているのに、定着度に個人差が大きく、覚えられない方のために再三の説明が必要になる。」などです。
学部生として韓国語を専攻した私としては、見事に忘れてしまう受講生のこの現実がなかなか理解できなかったことを思い出します。
そのうちに、「韓国語を勉強しようとしたきっかけはドラマで、難しいテキストや新聞を読みたいと思って韓国語を勉強しようと、講座に通う人はいないんだ。」ということに気付き、教え方と考え方を修正しました。
「せっかく勉強しに来てくださるのだから、楽しく勉強してもらおう。」と。
話しは変わりますが、一緒に教えている韓国人の先生が「日本では中高年の方がいろいろなことを学んでいてビックリした。」と、ことあるごとに話していました。
日本では確かに中高年の女性がいろいろな習い事をしていて、先日のテレビでも話題になっていましたが、旦那さんそっちのけで習い事の友達との時間を大切にするご婦人方が多いのは事実です。
私が教えた方で、50歳目前に韓国語をゼロから勉強し始めた方がいます。
勉強を始めて5年ほどかかりましたが、その方はハングル検定の5級に合格しました。
その後数年をかけて、4級にも合格しました。
もう少し頑張れば、3級にも合格するのではないかと思っています。
この方は今では孫がいるような方で、韓国語の能力を見る限り英語もできそうなのですが、そんな話をしてみたら、「英語は中学生の時から苦手で全く分からない。韓国語がこんなに分かるのが不思議でたまらない。」とおっしゃっていました。
ご自身が不思議に思うほどの上達なのですが、本人の学習意欲をうまく引き出してあげれば、すごい結果が出せるのではないかと、経験的に思います。
韓国語教育をビジネスとして考えた時に、中高年女性層というのは学生層と並んで最もビジネスチャンスのある層だと思います。
きっかけはドラマ、K-popなど様々ですが、「自ら学びたい」という意欲があり、学習する時間があり、学習にお金を割く余裕もある方々です。
なおかつ1回の学習では全てを覚えることができないため(私は肯定的に捉えています)、何回も何回も同じことを(目先を変えつつ)教えなければならないのですが、自ずとリピーターになってくださるので、顧客としてうまく取り込めば、経営を安定させてくださる上客であると、私は考えています。
何年も教えていると教科書を何冊か変えなければならないのですが、教科書を新しくすることで新鮮さを感じてもらいつつ、教えることは同じ(何回も教えることで定着する学習項目も当然あります)というのが現在進行中の私の講座です。
次回ハンセミは7月26日(日)に山形市の清風荘で開催されます。
ご都合のつく皆様、是非ご参加ください。