【週刊ハンガンネット通信】第153号 (2015年7月1日発行)
「はじめまして」
吉川寿子
初めてハンガンネット通信を書かせて頂きます。
大阪府池田市で よしかわ語学院を1人で運営しております。
吉川寿子(よしかわ ひさこ)と申します。
今年の4月よりハンガンネット世話人のご指名を頂いて、メンバーに加えて頂きました。
微力ではありますが、日本で韓国語を教えていらっしゃる先生方の何かお手伝いができれば、と思っています。
セミナーや懇親会等でお目にかかる機会がありましたら、よろしくご指導願います。
では、緊張しますが、自己紹介を兼ねてレッスンをしながら感じることなどを書いてみようと思います。
「こんな不純な動機で、習い始めていいんでしょうか?」
昨日も体験レッスンの後に、受講を決めて下さった生徒さんが
このようなセリフをおっしゃいました。
この春は、東方神起のファンの方が、彼らが除隊するまでに韓国語を
少しでもわかるようになりたい!と入学される方が多くて、驚いています。
中高年と呼ばれる年齢層にさしかかっても、彼らの使う言葉を学びながら
一途に帰りを待とうとする大和撫子の姿に、こちらが胸打たれます。
少しでもリスニング力が上がるレッスンをしなくては!と身が引き締まります。
うちに入学される方は、韓流をきっかけにファンミーティングでのトークを聞き取りたい
ドラマの聞き取り、旅行会話を希望される方がほとんどですが
個人指導をメインに行ってるせいか、時々、切羽詰まった方も来られます。
・大学の推薦入試対策のため検定試験対策をしてほしい、
・急に韓国に子連れで引っ越しすることになった、
・交換留学選抜試験の対策をしてほしい、などなど。
その都度、冷や汗をかきながら自分の経験と書物、アメリカの大学院に留学中の師匠に
アドバイスを頂きながら乗り切ってきましたが、もっといいやり方はないのかと
常に模索しています。
時々、そんな風に強いプレッシャーがかかりますが
普段は楽しく、生徒さんのアウトプットの力が上がるように授業をしています。
個人レッスンはマンネリ化しがちなので、食事会やカラオケのイベントをしたり
共同作業で表現活動をしたりして、教室全体の連帯感が高まるよう工夫しています。
おかげさまで、生徒さんの定着率はいいので、学習歴の長い生徒さんを
どう指導していくかが、今後のテーマです。
5月末のハンセミ後半では、そんな教室アクティビティとして
Voice Tread について紹介させていただいたきました。
貴重な機会をありがとうございました。
ここで、私の経歴を簡単に紹介させてください。
私は在日コリアン3世として、京都府で生まれました。今年で43歳です。
民族意識の高い環境でしたので、韓国名で呼ばれて育ちました。
学校教育は、小学校から大学卒業までの16年間を民族学校と日本の学校の教育を8年ずつ受けました。
大学では、関西大学の社会学部で社会学を専攻しました。
どんな情報も鵜呑みにすることなく、自分なりに検証して受け入れるように心がけています。
子供の頃は「国語」だった朝鮮語を一から学び直して、通訳ガイド試験やハングル検定など
検定試験を目安に勉強を続けておりました。
教育の専攻ではなかったので、韓国文化院主催の講師研修会にも3年前から参加しております。
大阪で前田真彦先生の主催されている「メアリの会」でも、お世話になっています。
今年は世宗学堂の韓国語教員養成講座のオンライン講座も必死で受講しています。
親のいうことを聞かずに、縁あって日本人男性とご縁が有り結婚して、現在は日本国籍を取りましたが
ハングルを学ぶこと、よりよい授業を追求することの終わりのなさを楽しんでおります。
ハングルを深く学ぶことで、逆に日本語の美しさと難しさに目覚めて、日本語をもっと勉強したいと感じることも多いです。
ハングルとのおつきあいは、30年を余裕で越えますが、教え始めたのは、約10年前です。
この間、韓国語を巡る環境の激変ぶりには驚きます。
嫌韓だ反日だと、マスコミがやかましい昨今ですが
お互い関心、好感を抱くようになった方々が増えているのは、事実です。
1人でもハングルを学びたいという方が来られたら、私は楽しくモチベーションを保てるように工夫しながら
レッスンをしたいと思っています。
そして、個人レッスンをしていると、生徒さんから社会文化的な事柄や歴史についての質問を
受けることが多いです。
言葉をめぐるその背景部分も、うまく説明できるようになりたいと考えていますが
これは今後の課題です。
ずっと狭間で暮らしているからこそ、それぞれの良さをうまく伝えていきたいです。
今日もハングルに関わることができることを幸せに感じます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。読んで頂いて、ありがとうございます。