【週刊ハンガンネット通信】第158号 (2015年8月11日発行)
山形の熱い夏
阪堂千津子
毎日、熱い日が続きますね~, と書こうと思ったら、
今週から東京はちょっと暑さが緩んだような気がします。
しかし、とはいえ相変わらずの蒸し暑さは続いています。
韓国も日本も、今年は特に暑いようですね
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7月26日日曜日、35度を超える猛暑の中で、山形ハンセミが行われました。
今回は、カフェ勉で韓国語学習を募った山形の学習者の方々が、
地域で学習者のネットワークを作りたいという要望から企画されたものです。
韓国語の先生を探しているのですがなかなか見つからないとのこと、
それでしかたなくカフェで独学しているということでした。
しかし、個々人が都合のいい時間にカフェに集まってくるだけで、
みんなで一緒に何かをするわけではありません。
そこで、今回のセミナーを開催することで地域の講師にお越しいただき、
教師と学習者のマッチング(お見合い)をして、韓国語講座の開設につなげられたらいいね、と話し合って実現したものでした
しかし、なかなか山形には講師がいらっしゃらないようです
参加者は、講師2人+学習者16人というメンバーになりました。
(もしも山形近辺で韓国語講師をご存じでしたら、ぜひお知らせください)
山形や米沢にも韓国語講師の方はいらっしゃるはずですが、連絡できませんでした。ハンガンネットの宣伝不足、情報不足が原因だったと思います。
なにはともあれ、今回のセミナーは学習者が大半ということで、次の2つに目標をしぼりました。
「韓国語で聞いて話す時間をすごそう」
「学び合う(協働学習)体験をしよう」
カフェ勉仲間のなかには、韓国語で話をしたことがない、ドラマ以外にリアルで韓国語を聞く機会がほとんどない方も少なくないということで、とにかく韓国語を使って楽しむという時間を体験していただくことにしました
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場所は立派な池つきのお庭に建つお茶室のある1軒家を丸ごと貸し切り。
趣のあるぜいたくなセミナーとなりました。
第1部はお茶会。
今回の中心的に企画してくださった佐藤さんは、小さいころから茶道をされているので、お友だちにもボランティアでご協力いただき、お点前を拝見しました。
この日のために老舗の和菓子屋さんに注文した創作和菓子「つつじ」を、
韓国ゆかりの茶碗でお点前を拝見しながらいただきました。
本格的な抹茶は久しぶりに飲むのですが、心が洗われる味でした。
そしてみんなで金素月の「チンダルレ」を群読。
静寂な茶室で金素月の世界を鑑賞し、充実した静かな時間をすごしました。
次に畳が敷きつめてある大広間に移動して、第2部の授業開始です。
今回は 互いが教え合って学習効果を生むようなワークを中心に授業をしました。
まずは「私の4つの顔」と題して、ペアで自己紹介。
①好きなこと、②ほかの人にはなかなかない珍しい経験、③最近、何に関心をもってやっているか、④そして「こうみえても私は~です」。
この4つについてを韓国語を使ってお互いに話しあい、全体でシェアするというワークです。まずは個人的な信頼関係を作るのがねらいでした。
そして次はじゃんけんインタビュー。
全員(18人-1人)に1問ずつ質問できるように17個の質問がかいてあるシートを渡し、「17人全員にインタビューできたら、席についていいですよ」と指示しました。
ただし、質問できるのはじゃんけんで勝ったほうの人だけ。
これは結構もりあがります。
韓国語が話せても、じゃんけんに勝てなければずっと質問できません。すると
なぜか早く終わらせたい気分が一緒になって、自然と熱が入ります。
韓国語で発話するのが恥ずかしい、とおっしゃっていた方も、
いつの間にか積極的に参加されていました
皆さんにも、おとなしいクラスを活性化するのにぜひオススメの活動です。
ここですでに会場の雰囲気は、さきほどのお茶室とはうって変わったものとなりました。
さらに、4人1組でカードを使って単語の不規則変化を覚えていくやり方や、
チームに分かれて単語連想ゲーム、
お互いの記憶力を駆使して協力しあいながら聴いた内容を再現する活動など、
互いに楽しみながら実力をつけられそうなワークを実際に体験していただきました。
驚いたのはみなさんのレベルの高さ。
ほぼ韓国語で進行しましたが、みなさん積極的に発話していらっしゃいました。
また、想像していたよりもいろいろな地域からお見えになっていました。
たとえば米沢からはサークルを作って勉強しているグループ(日本人の学習者さんだけの自主勉)や、寒河江、酒田あたりから遠路はるばるいらした方。
助っ人の小田先生には、仙台からわざわざバスにのってお越しいただきました。
(小田先生、ありがとうございました!)
セミナーの後の食事会は、みなさんで和気あいあいと盛りあがり、今後も一緒に活動を続けていきましょう、ということになりました。
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そして、あっという間に2週間がたちました。
今日、山形からメールがとどきました
「今日のカフェ勉はみんなで集まってカードを利用したり、連想ゲームをしたり、一緒に盛りあがって楽しかったです」
すぐに取り入れてしまうところがさすがですね!
学習者同士でお互いに助け合いながら、学習できるのは何よりではないでしょうか。
みんなが先生で、みんなが学生。 考えただけでも 楽しそう。
カードを準備したり、連想ゲームの問題を考えたりすることも、勉強になりますよね
すごいパワーだと思いました。
これからますます、山形は熱くなりそうです。