週刊ハンガンネット通信】 第178号 (2016年1月25日発行)

私の韓国語講師奮闘記 7: 韓国語・朝鮮語教育を拓こう–定時制高校からの発信–

宮本千恵美

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私が高校の教壇に立ってから早いもので5年になります。
韓国語を教えながら常に思っていた疑問が、なぜ高校で韓国語教育が始まったかということです。
今では韓流ブームの影響で自ら学習したいという学習者が多くいますが、その殆どが社会人だったり、主婦であったり、趣味として楽しんでいます。
私の個人の生徒もその殆どが韓流ブームから始めた学習者です。
この本を偶然見た時にとても興味がありました。
私の通う高校は韓国語が選択科目の1つで、3年生の1年間の学習期間、中にはやはり仕方なく選択した生徒も少なくありません。
勿論、K-POPなどのポップカルチャーの影響で選択する生徒も年々増えてきています。
ただ進学校でない高校でなぜ韓国語をと言うのがとても不思議で、その前に英語を率先して学習するべきではとも思いました。
本の中には定時制高校で韓国語の授業をスタートさせたときの葛藤や思いが切々と書かれていました。
目に留まったフレーズの中に「みんな、ゼロからのスタート」と言う言葉がありました。
定時制高校などは言わば、進学や学習すること自体を諦めたり、登校拒否から進学できずに資格のためだけに通ったり(それでも登校できない生徒も多い)、また若いころに高校に行けなかった代わりに通うなど、いろいろな事情の生徒がいます。
「なぜ、韓国語をしなければいけないんだ」
私が思っている疑問がもちろんのこと生徒たちからも沸き上がったそうです。
読み進めていくと在日コリアンのためにともありますが、一度は学校や勉強を諦めた生徒がもう一度やり直すことができる、新たにスタートできるチャンスになるのではないか?
私はその言葉がとても納得できました。
思い返せば、私がその1人だったのだと思ったのです。
私は今では先生と呼ばれ教壇に立ち、韓国語を教えるまでになりました。
しかし昔は落ちこぼれで、登校拒否児でした。
そのために普通高校には進学できず、通信高校に通っていました。
卒業してもすぐに仕事ができず、精神病にかかり韓国留学までの10年間通院していました。
そんな私に転機が訪れたのが韓国語でした。
実は恥ずかしながら、英語を長い間学習したのですが、身につくことなく辞めてしまい、どうしようか途方に暮れていました。
そんな時韓流ブームの先駆けであった、「冬のソナタ」が衝撃を与えてきたのです。
その世界観や映像の美しさ、また流れるBGMに聴き惚れていました。
韓国語を学びたい、そこから私の人生が変わっていきます。
韓国語を習得するために毎日勉強し、またバイトも始め、その通勤のバスの中で単語帳にかじりつく毎日。
韓国料理の店でバイトしたときなどは、在日の店員さん達に韓国語を教わることもありました。
韓国語学習の意欲は留学にまで繋がり、必死に働きました。
そして念願の留学を果たし、帰国してから運命と言うのでしょうか、韓国語講師の道が切り開かれていったのです。
高校での仕事が決まったとき、私は「金八先生」のようになりたいと思いました。
自分が通っている高校の評判は知っていました。でも少しの時間だけでもいい、生徒に精一杯接しよう、韓国語を通して勉強は面白いものだともう一度気づいてほしい、そして自分自身の気持ち1つで未来への可能性は無限になるのだと伝えたかったのです。
韓国語を学習した自分自身がそうであったように。
その本は私の思いと同調しているように感じました。
私はこの仕事を誇りに思っています。
1人でも多くの生徒にこの思いが届くように日々邁進しております。