【週刊ハンガンネット通信】第180号 (2016年2月8日発行)
1/17東京ハンセミ‘ンガチェ’に衝撃。それでも直接法にこだわりたい
アイケーブリッジ外語学院 代表
幡野 泉
先月、当校でハンガンネットセミナーが開催されました。
この日のテーマは「直接法」。お越し下さった皆さま、どうもありがとうございました。
参加された先生方は、この日のことを思い出そうとすると、最初に思い浮かぶのは、「ンガ チェ」ではありませんか(笑)!?
というのは、この日はGDM教授法(http://www.gdm-japan.net/)の専門家である多羅深雪先生の講義から始まったのですが、多羅先生が「ンガ」「チェ」と何回も繰り返しながら、図を見せ、ジェスチャーをし、教室の中を歩き回りながら参加者を巻き込んでいきます。
その中で、「ンガ」は「わたし」という意味、「チェ」は「あなた」という意味だということが分かっていきます。その後、「彼」「彼女」という単語の導入がありました。
これが20分強くらいでしたでしょうか。何回も何回も話し、聞いて、見て、と繰り返すので、否が応でも身に着きます。
後ほど、これはブータンの「ゾンカ語」だということを多羅先生から伺いました。(http://www.h5.dion.ne.jp/~lda/bhutan/dzongkha/word1.html)
この多羅先生の授業や、その後の当校の南嘉英先生の講義、そして、最後のグループワーク→直接法授業の発表を通じ、その後は虎ノ門ヒルズの和食バールに席を移し、懇親会を行いながら先生方と意見交換を行いましたが、やはり直接法の長所は、その「インパクト」や「楽しさ」。
そして短所は「時間が掛かること」や「理解度の低下」かな、と思います。(長所を生かすのも、短所をカバーするのも、講師の技術が大きな作用を及ぼしますが……)
先生方、長所と短所を客観的に分析しつつも、「自分はこちらの方が……」という意見がもちろんあるわけです。私が感じたところでは、直接法‘でない’方が良いのでは、というご意見の先生が少し多いかな、という印象を受けました。
私はいま、自校で中国語を勉強しているのですが、私が理解できないと、先生は日本語で補助を入れてくれます。すると途端に理解できて(苦笑)助かるのですが、実は私はそれでも、自分が理解できなくても、中国語でいい、と思うのです。
なぜか。ここは日本だから当然のことながら巷は日本語で溢れているし、お金を出して外国語学校に通うのなら、その時間はその言葉にどっぷり浸っていたいという思い。
そして、理解できない単語があったとしたら、発音だけでもノートに控え、後で調べて「これだったのか!」と思ったり、文法説明がよく理解できなかったら、あとで教科書を見返してみたり、それでも分からなかったら次に先生に質問したり……。
はっきり言って、これらの作業は直接法でなければ要らない作業になるわけですが、遠回りすることでその周辺のあれこれが結果的に身に着いたり、多く中国語に接することに繋がったり、何より、「分からない自分が情けないし悔しい。もっと理解できるようになりたい」という渇望に繋がると思うのです。
留学すると延びる、というのは、巷にその言語があふれているから、また、単に勉強できる時間が長いから、という側面がもちろんあるわけですが、実は、「分からない自分が情けないし悔しい。もっと理解できるようになりたい」と思わざるをえない機会が圧倒的に多く、必死で勉強することに繋がるからではないか、とも思うのです。
外国語教育の永遠のテーマかと思いますが、そんな考えがあり、当校では「なるべく韓国語で授業をする」を推し進めています。
さて、今週木曜日には大阪でハンセミが行われます。お近くにお住まいの方はもちろんのこと、多少遠くても、是非ぜひご参加ください。参加されれば、必ずしや得られるものがあるはずです!