【週刊ハンガンネット通信】第184号 (2016年3月31日発行)
TOPIK意見文に挑むスーパーシニア
吉川寿子
ハンガンネット会員の皆さま、アンニョハセヨ?
新年度スタートの準備でお忙しくされているかと存じます。今週は大阪より、ハンガンネット通信をお届けいたします。
もうすぐ4月、TOPIK試験の準備や対策をなさっている先生方も大勢いらっしゃることと思います。
今年に入ってから、TOPIK5級の方から6級の壁を超えたい!と、作文指導の熱いリクエストをいただいて、改めて作文指導について見直しながら感じたことなどを書いてみます。
今までもTOPIK作文の意見文の指導はしてきましたが、主に大学生さんなど若い方が中心でした。
しかし、今年に入ってから、自分の親の年代に近い方々の作文指導をさせて頂いています。職場を定年退職されて65歳前後の方です。
韓流スタートの頃に50歳を過ぎて韓国語学習をスタートされた方を「茨木のりこさん」と個人的に勝手にお呼びしているのですが、私は、こういう方々が大好きです。
本当にコツコツと学習を積み重ねて、あの短時間勝負のTOPIK作文に挑まれるお姿に、小さな感動を覚えながら指導させて頂いています。
TOPIKに限ったことではありませんが、試験の作文というものは、時間内に書き上げたものが勝負です。
いかに、出題者の意図を読み取るか?
求められている内容を過不足なく書き切るか?
採点の配分が上がっている上級表現をどう入れていくか?
ケアレスミスを減らすためには?
2014年秋に試験が改編されてから、非常に体力と集中力が必要になったこの試験に挑まれるシニア学習者を「スーパーシニア」と新たにお呼びして応援しております。
スーパーシニアの方はさすが、人生経験がおありなだけに、若い方にはない深い視点や論点がありますので、そこを最大限活かしていけるよう、添削をしております。
書くべき内容のブレーンストーミングで、項目が出過ぎてしまうので、潔く内容の取捨選択をしないと、うまくまとまらないこともありますし、問題のキーワードを見た瞬間に思い込みで書き始めてしまうことのないよう、問題の趣旨から脱線がないかもしっかりと見るようにしています。
もともと、作文は語学の4つの領域(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)の中で最も難易度が高く、必要度の低い領域です。
それでも、伝わりやすい韓国語で書く力を持つ学習者が増えるということは、今後の草の根日韓交流にとても大きな意義があると信じています。
試験に合格するための作文ではなく、韓国語で書くことが楽しくなる、そんな授業になることを目標に、今日も試行錯誤を続けております。
最近は日本でも韓国でもTOPIK作文のわかりやすい参考書が発売されて、勉強がしやすくなってきましたが、「本はあるけど、やっぱり指導してくれる先生がほしい」というお声を頂戴することも多いです。
もちろん、私自身もノンネイティブですので、毎日少しずつアウトプットしたり、ネイティブスピーカーの先生の助けも頂きながら、まだまだ文章修行中の身です。
それでも、こちらの想定を上回るハイペースで、次々と作文を提出してくださる生徒さんの熱意にパワーをいただきながら、これからも指導を工夫していきたいです。
もしなにかよいアイデアをお持ちの先生がいらっしゃいましたら、教えて頂けると助かります。
では、4月のTOPIK試験に挑まれる方、指導する先生方、皆さまファイティンです!
吉川寿子(Yoshikawa Hisako)
hy@gogakuin.jp (よしかわ語学院)