通信192 新造語

【週刊ハンガンネット通信】第192号 (2016年7月4日発行)

「新造語」

伊藤耕一

英国ではEUから離脱する意見が国民投票で過半数を得て、世界を騒がしています。
この離脱のことを英語では “Brexit” と呼び、これは “Britain” と “exit” を結合した新造語ということを知り、とても興味深く感じました。

その後、日本のあるラジオの企画で、英国の離脱のことを知っているかどうか、いろいろな人たちに質問したインタビューを聞いた時、相当数の若い人たち(20歳前後)が「離脱って『フロリダ』のこと?」と答えたと耳にしました。

「フロリダ」とは何か?
インタビューの後でラジオのパーソナリティが教えてくれました。
「フロリダ」とは「風呂」と「離脱」を結合した新造語であると。

どんな時に使うのかというと、LINEをしている最中に、お風呂に入るために会話から抜ける時に使うのだそうです。
「お風呂に入るから会話から離脱するね。」と。
今度、使ってみようと思いました。

翻って韓国では、こんな新造語があるそうです。
체온퇴직, 모인족, 오타리맨

체온퇴직とは、体感退職年齢である36.5歳が人間の体温と同じくらいであること。

모인족とは、”mobile” “English” の結合で、出退勤時間に英語を携帯電話で勉強する人たちのこと。

오타리맨とは、「オタク」と「サラリーマン」の結合で、日中の大部分を職場で過ごしながらも他の社員との人間関係に困難のある若い会社員のこと。

このような言葉はどんな国でも作られ続けるようですね。

言葉を教える立場で少し不安に感じたのは、このような新造語を日々習得していくのはとても難しいだろうなということです。
韓国人や韓国と密に接していた21歳~24歳の頃(私の場合)の流行語や話題などはしっかりと覚えていて問題ないのですが、残念ながらそれ以降の流行語や話題には全く疎くなってしまっているからです。

むしろ、最近になって韓国に興味を持って韓国語を勉強したくなった人の方が、このような言葉をよく理解しているような気がします。

このような新しい言葉を無理なく効率的に覚えられたらと思いました。

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