【週刊ハンガンネット通信】第208号 (2016年11月8日発行)

聞き取りは受講生の状態が把握しにくい」  

前田真彦

先日、授業で印象的なことがありました。

聞き取りの場面です。

一文を聞いて、どんどん指名して韓国語を言ってもらう場面です。

ある方を指名すると「全然聞き取れません」という答え。

私は「全部知っている単語です。聞き取れるはずです。もう一回」

と言って、一単語ずつに切って、同じ方に指名しました。

するとわかるのです。

結局、その一文を全部最後までぶつぶつと一単語ずつに切ってですが、

全部答えることができました。

 

これをどう考えるか?

1、聞き取る単位が長いと聞き取れないあきらめが出てくる

2、知っている単語ばかりだと励まして短く切って答えてもらう

 

もう少し考えてみます。

 

3、少し長くなると、聞き取ろうとする気迫や、集中力に欠ける

4、「わかりません」と言えばスルーして他の方に指名が回ると思っている

 

このあたりも大事なことです。

授業のスタイルとして、

「わからないはずがない、もっと粘って、しっかり聞いて」

という授業者側の姿勢が弱いと、難しそうに聞こえる文は、

「聞き取れません」「全然わかりませんでした」と答えて

済まそうという「たるみ」が出てきやすいのかもしれません。

 

この授業での教訓。

1、聞き取れないと答えた方には短く切って答えてもらう

2、全部知っている単語ですよと言って励ます

3、聞き取れないと答えても簡単にはスルーしない授業スタイルが必要

4、聞き取りは集中力を要求するので、積極的な姿勢で聞き取り作業に入れるようにお膳立てをする必要がある

5、聞き取りは、ただ単に聞いてわかるかどうかということではなく、情報を獲得していく積極的な姿勢が必要ということを常々強調していく必要がある。

 

文法や音読は授業中の受講生がすべき作業がはっきりしています。

したがって受講生がどこでどう躓いているのか指導する側も把握しやすいです。

しかし聞き取りは、受講生の状態が把握しにくいのです。
 

どこでどう躓いていて、どうサポートしなければいけないのかがわかりにくいのです。

切る長さなのか、スピードなのか、発音変化なのか、そもそもその単語を知らないのか…
 

おそらく学習者も同じなんだろうと思います。

何をどうすればいいのか、どのようにすれば聞き取れるようになるのか、学習の方法がわかりにくいのでしょう。

 

実は、こういう発想から4色ボールペンディクテーションを編み出し、今まで実践してきたのですが、まだまだ考察や、授業の方法が甘いようです。

 

大いに反省させられました。