通信227 悩ましい作文指導

【週刊ハンガンネット通信】第227号 (2017年4月22日発行)
悩ましい作文指導
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前回の通信では吉川先生から、3月に大阪で行われたハンセミ「力の付く作文授業」の報告がありました。そのハンセミに私も参加したのですが、そこで思ったことなど、自分の作文授業の経験も合わせて書いてみます。
まず、飯田華子先生の授業では、漫画という親しみやすい素材が用いられ、使う文型や単語と共に、4コマ漫画の台詞を考えるというお題が与えられました。漫画という素材で一見易しそうに見せつつも、実は、ストーリーを4コマで完結させなければならないセンスも要求される課題でした。
易しくない課題でも、素材によっては学習者が引き付けられ、考えるのが面白 くなることを改めて感じました。
伊藤耕一先生は「日本人の間違いやすい韓国語表現」をテーマに挙げてくださいました。日本語の干渉を受ける誤訳を防ぐには、やはり韓国語の文法を定着させる練習が不可欠だと思いました。それから、日本語の字面に振り回されずに、伝えたいことは何かを捉える力が必要ですよね。
次は私の作文授業体験について少し書きます。私は昨年度、半年間作文の授業を担当しました。受講生は、20歳前後の約10名でした。
毎回、書くテーマについて関連のある韓国語の文章をまず読み、そこに出て来る単語や表現を学びました。その後、受講生同士でテーマについての意見や感想を日本語で言い合いました。出た意見は 板書し、目で見て頭を整理できるようにしました。そして、じゃあ自分の意見を書いてみましょう。さっき勉強した表現や単語も使ってみてください。と、進行しました。
授業時間90分で作文を書く時間は、30分くらい。受講生の書く量は、まちまちですが、30分だと400~500字が多かったと思います。しかし、これではTOPIKの作文に間に合いません。早く書く練習も必要ですね。という話を受講生にもするのですが、○○は韓国語で何て書くんですか~?などと聞きながら書く人もいるので、なかなかスピードアップは望めません。時間中に書ききれなかった人は、宿題にして書いてきてもらいます。
その後、添削して返却。私が添削で迷う箇所は、同僚の韓国人の先生 に確認します。返却後、作文を発表させることもあります。発表してもらうと予告すると、書く姿勢が変わりますが、時間の関係で毎回はできません。
とにかく、まずはまとまった文章を書くことに慣れてほしかったので、そんなに早く書くことまでは要求しませんでした。
さて、作文の間違いについてですが
  • 話し言葉の影響か、助詞を省略してしまう
  • 連体形
  • 한다体の誤り
  • 主語と述語の不一致
  • ~라고 생각한다を連発する
  • 分かち書き
などが共通してよく見られるものでした。
指導で一番悩まされたことは、文章の組み立て方(序論・本論・結論)と意見を論理的に展開する方法でした。
たとえば、「웨냐하면」で始まっているのに、後に続く文に理由が述べられていないとか、結論部分なのに結論が述べられていないとか。
言葉で説明しても、すぐには効果が現れないことを経験し、やはり、学習者は日頃から良い文章を読むことが必要なのでは、と思うようになりました。
それは、韓国語だけではなく、日本語の文章もです。母語が貧弱なままで外国語の達人になれるわけがないからです。
と、受講生にもお話するのですが、どこまで心に 響いているかはわかりません。
ちなみに、授業準備にあたって、世話人前田先生が書かれた本を始め、小論文の書き方の本などもいろいろと読んでみました。
今回の通信を書きながらも、とても緊張しています。こんなことを書いている私の文章だって~と思うと、穴掘って入りたいです。
初めてハンガンネット通信に書かせていただきました。これからもよろしくお願いします。