通信230 聞き取りやすい韓国語

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【週刊ハンガンネット通信】第230号 (2017年5月8日発行)

聞き取りやすい韓国語

伊藤耕一 個人指導


ニュースなどで候補者の主張を耳にして、少し驚きつつ聞いていることがあります。

それは、各候補者の韓国語がとても聞き取りやすいことです。

朴槿恵前大統領の韓国語は、ものすごく聞き取りやすく、私でも音声だけで95%は理解できたほどで、個人的には朴槿恵前大統領に良いイメージを持っていました。

明日の選挙結果の成り行きはさておき、「聞き取りやすさ」は言葉の何がもたらす影響なのか、個人的に思うことを書いてみたいと思います。

私が最初に体験した外国生活は、ニュージーランドでの生活でした。

渡航前にある程度の英語を勉強し、TOEICでもCレベルの結果(日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差がみられる。基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。)が出たので、ある程度自信を持って行きました。

英語を話してみると、なるほど、自分の言いたいことや求めることは伝えられても、それに対して返ってくる言葉は半分くらいしか分からないといった感じでした。

ですが、いろいろな人と話をしていくと、この人の英語は聞き取りやすい、あの人の英語はさっぱり分からない、このような差があることに気付きました。

最初に「聞き取りやすい」と私が感じたのは英語学校の先生の英語でした。

これはきっと、接する時間が長かったからその人独特の発音や言い回しに耳が慣れたのだろうと思います。

そのほかにも、耳にした英語の地域性も大きな影響を与えるようにも思います。

私はニュージーランドで英語を学んだので、英国やオーストラリアや南アフリカの人たちの話す英語を聞き取りやすいと感じます。

その一方でアメリカ人の英語は聞き取りにくいと感じてしまいます。

英語母語話者でない人の英語は、相手が一生懸命に伝えようとする気持ちに寄り添おうと思うせいか、よく分かります。

ところが、同じニュージーランド人なのに、さっぱり聞き取れない英語を話す人も何人かいました。

そのような人に出会った時には、今思い返せば申し訳なかったのですが、ごく少数だったので、適当に相手をしてあまり話をしないようにしていました。

その次に渡航したのは韓国だったのですが、やはり同じように私が一言一句聞き取れる韓国語を話してくれる人と、さっぱり聞き取れない韓国語を話す人がいました。

私は韓国で生活した経験がなく、英語ほどの運用能力を持ち合わせておらず、地域性による違いがよく分かりませんが、きっとどんな言語でもこのような現象があるのだろうなと思いました。

前回の通信にも少し書きましたが、ネイティブでない人が話す言葉の聞き取りやすさは子音と母音の発音の安定性に起因するように思います。

私の韓国語はソウルの人から最も多くの音を聞いてきたので、韓国語を教える時には、できるだけソウルの音に近いように気を付けて発音してきました。

個人的にも地域的にも特定の音が安定して同じように発音されていれば、生徒さんに分かりやすいだろうと思うからです。

明日の選挙の結果、誰が勝利演説を行うことになるのか、聞き取りやすい韓国語を話してくれることを期待しつつ注目したいと思っています。