通信248 上達論のある反復を 前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第248号 (2017年10月30日発行)

上達論のある反復を

ミレ韓国語学院 前田真彦

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福岡のセミナーで少し話題になりましたが、「50回音読は有効か」という質問に、ここでもさらに補足してお答えします。

僕は、子どもの頃よりバイオリンを習っていましたし、中学校では吹奏楽部に所属し、教師になってからも吹奏楽部の顧問をしてきました。

大人になってから書道も習いにいきました。すべて技術の習得は、反復練習です。書道では、書いた紙を重ねて背丈を超えるほどになれば、一人前と言われました。

吹奏楽の顧問としては、朝連を含め、毎日の練習に加えて、夏休みなどの休暇期間中は、合宿を複数回します。全ては量をこなすためです。

質を伴わせるためにも、まずは量が必要です。スパルタなどというつもりはありません。反復が大事なのです。

反復をどのように、マンネリに陥らせないか、
「変化のある反復」
「やりがいのある反復」
「上達が実感できる反復」
「成果が目に見える反復」
「自己評価しやすい反復」
「途中で自己反省できる反復」
「取り組みやすい課題」
「到達度が可視化できるチェックシート」

など、反復のさせ方にも工夫を凝らしています。単に「50回読みなさい」と言うだけではありません。

小学生のピアノの練習を考えてください。
毎日少しずつ、反復練習して数年、途中で発表会などを挟みながら、中学生になるころには少し曲らしいものが弾けるようなってくるのです。

50回と言うのはあくまで一つの指標です。
4色ボールペンディクテーションの「4」もあくまで、指標です。反復練習しやすい一つの指標です。

「4」とか「50」とか、反復を促す一つの工夫です。漠然と、「練習をしなさい」というより頑張りやすい、そして一定の成果が出やすい、一つの指標です。

語学の学習に、反復練習は必須です。留学せずに、外国にいたまま外国語を習得していくためには、意識的な反復練習が欠かせません。

(留学は、「その外国語に接する頻度」という点で、本人が意識しなくてもいやおうなしに圧倒的に多いから、上達しやすいだけで、反復や量をこなすという点では同じです。)

反復練習なしに、語学の上達はありません。「4」「50」も反復練習を促す、僕なりの提案です。

ダンベル運動・腹筋運動でも回数、ウォーキングでも歩数や時間。活動目標は、数値化すると目安になり、励みになります。

目標がないまま、マラソンをするより、目標の数値を明確にした方が頑張りやすくなります。

音読の上達のために、「繰り返し読むこと」を奨励する、その一つのわかりやすい目標の数値です。10回では少なすぎるし、100回では多すぎるし、達成感が得られ、成果が体感できる回数として、50を目安として設定しました。
「変化のある反復」、「上達論のある反復」、今後も工夫していきます。
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