通信253 日本語訛りの韓国語 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第253号 (2017年12月4日発行)
日本語訛りの韓国語
吉川寿子
アンニョハセヨ?
師走に突入しましたね!昨日大掃除をスタートして
窓ガラスをキレイにしたら、さっそく雨の大阪よりお届けいたします。
先々週から、ネイティブスピーカーには伝わらないけど
外国人同士では通じ合う言葉について、盛り上がっていますね。
話者の母語が第二言語に干渉するのは、逃れられない事実ですが
そこを意識して克服しようという意識を持つかどうかが分かれ目かと思われます。
かくいう私も、子供の頃に民族学校を中退してから
10年近くたってから韓国からの留学生にお願いして身につけた
日本訛りの韓国語で、日韓通訳学校で音読したところ
ネイティブスピーカーの講師に
「その変なイントネーションで読むの、やめてください」と
お腹を抱えて爆笑されてから、もともと口数少ないのに
更に寡黙になっていった経験があります。
ちなみに、どう矯正すればいいかのアドバイスはありませんでした。
かれこれ20年近く前の話ですけど、無駄に記憶力がいいので
今も根にもっています(笑)
いろんな事情で、韓国に長期で留学したこともなく
周囲にネイティブスピーカーの方がいなかったので、日本訛りになるしかない
状況でしたが、当時はまだ、外国語としての韓国語教育が
今ほど普及していなかったことを思うと、いたしかたなかったのかもしれません。
当時は自分が韓国語講師になるとは、まったく想像もしていませんでしたけど
教え始めてからも、しばらく「変なイントネーション」コンプレックスに
苦しみました。とはいえ、発音指導のためにお気に入りの朗読CDを
暗唱するほど聴き込んだり、イントネーション指導の教本で練習を重ねるうちに
徐々に韓国語っぽくなりました。
この話を、今も個人指導をお願いしているキムテウン先生に相談したところ
それはインド訛りの英語と一緒だ、韓国語の方言の一種だと考えればいい、と
言われて目からウロコでした。
ちなみにキムテウン先生はアメリカで英語と韓国語を教えながら
第二言語教育を研究されています。韓国語だって、地方によって色々ある。
ソウル言葉以外は韓国語ではない、というのもおかしな話だ、との指摘でした。
たしかに、関西弁は日本語ではない、と言われたら暴動が起きそうです。
少し脱線してしまいましたが、先週宮本先生が書かれていた
完全に金沢イントネーションの韓国語も、問題は韓国で通じるかどうかだと思います。
会話は前後があるので、よほどややこしい話でなければ通じるとは思いますが
聞き手が外国人の話す韓国語を聞き慣れた方でなければ、昔の私のような
体験をされないか心配になります。
でも、それもご本人が必要を感じてからでもいいのかもしれませんね。
 余談ですが、あれからいろんな経験を積んで、イントネーションコンプレックスは
解消されましたので、最近会話レッスンを始めました。
普段韓国語で話し慣れていない方を対象にしていますが、ドラマをよくご覧のせいか
皆さん、自然なイントネーションでお話しされることにちょっとビックリです。
しつこく根にもってましたが、あの通訳学校での経験が、後に
必死で発音やイントネーション練習するきっかけになったことを思うと
今となっては当時の講師の方に感謝しております。
楽しい授業を目指しますが、優しいだけの講師にはならないように
気をつけたいと思います。