【週刊ハンガンネット通信】第260号 (2018年2月12日発行)
私の韓国語講師・奮闘記17「独りよがりな教え方(1)」
宮本千恵美
———-
私の住んでいる金沢は只今大雪で、交通機関がパンクしております。
また物資も届かなく、生活に支障をきたしています。
2月11日のハンガンネットに参加したく、ギリギリまで待ってみました。
それでも復旧が行き届かず、また日曜日の夕方から寒波が再到来するとの予報のため、金沢に帰ることができないかもしれないと懸念し断念しました。
とても残念です・・・例年以上の大寒波到来、皆様の地域ではどうだったでしょうか?
最近のことですが、地域の文化センターで講師を再開することになりました。
私自身、その文化センターで韓国語とスペイン語を学んだ経験があります。
私は韓国語の知識がほぼゼロの状態で通い始め、最初のうちは全く何をしているのか良くわからなかったです。
パッチムや音の変化、不規則変化など、とにかく先生の教えたことに着いて行く、そして学んだことをすぐに宿題として復習する。
その繰り返しだけ一生懸命取り組み、また毎回単語テストも受けていました。
韓国語に知識がないのですから最初からすべて理解できるわけでもなく、例えばパッチムのような聞きなれない言葉はその文字に慣れ、韓国語を理解するようになっていくと自然と理解できていきました。
そして先生の指示するとおりに学習を進めていくと、自然に力がついていくのも分かりました。
道筋のようなものがはっきりしているので、学びやすかったように思います。
なので留学に行っても、その学んだ基礎知識は大いに役立ちました。
しかしスペイン語に関してはそれが全く感じることができなかったです。
何をどう勉強して良いのか分からない、宿題をしていても何をしているのか分からない、それが何に繋がっていくのかも分からない。
その繰り返しでスペイン語学習が苦痛になり、学習する気持ちになれなかったのです。
そのときに感じた問題点を書き出すと、
・ネイティブの講師だったが、十分な日本語の説明ができていなかった。
・日本語が不足しているために生徒の質問にも答えることが十分にできていなかった=生徒側は理解できないまま次に進むしかない。
・学習したことが理解できていないので次に繋げることもできず、また何を学習したのかもはっきり分からない。
・英語ができる生徒は理解しやすいようで、たまに英語の説明が入る。しかし英語のできない生徒は混乱するだけ。
以前にもネイティブの講師と、そうでない講師の長所や短所をあげていた記事を読みましたが、私の考えは初級の段階ではやはり学習者の母語が必要だと感じるのです。
ネイティブから学ぶのが一番という考えにいきやすいと思いますし、私も以前はそう思っていました。
しかし自分自身が語学を学び教える立場になってからは、初級段階での学習者の母語の必要性を痛感するようになりました。
また先ほども書きました、何を学習しているのか分からない→次に繋げられないと言う悩み、実は私の現在の生徒さんの悩みと一緒だったのです。
その生徒さんは1年近く韓国語を学んできたのですが、今何を学んでいるのか分からないので次に繋げることもできないし、1年間何をしてきたのかさっぱりだと言うのです。
先週の寄田先生の記事で伝わってないと思うときがあるという文章を読み、伝わっていないままにして教え続けてはいないか、見直すことも必要なのではと感じました。
伝わっていない=独りよがりの教え方になっているのではないかと、自分自身にも問うときがあります。
私がハンセミなどの講習会がとても重要だと思うのは、このような悩みの解決に役立つと思ったからです。
教える側は自信を持って教えなければいけないと思う反面、その教え方が万人に伝わるとは限らないと思います。
いろいろな教授法を学ぶことで、自分の教え方にプラスになったりまた改善されたりするところもあると思います。
次こそはハンセミに参加したい!
と、雪解けを待ちわびている今日この頃であります(でも冬と雪が好きなので、正直今冬はとても嬉しかったりもします^^)。