【週刊ハンガンネット通信】第261号 (2018年2月28日発行)
学習者の不安感
吉川寿子 よしかわ語学院・大阪
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平昌冬季オリンピックも閉幕し、次はパラリンピックですね。
オリンピックの前から韓国が毎日テレビに映って、韓国ならではのいろんな複雑な事情も同時に映し出されました。
良くも悪くも韓国、朝鮮半島に関心が集まることは、意義のあることではないかと感じます。
さて、先日うちの教室に、オリンピック観戦のために、久しぶりに韓国へ行く方が、しばらくお休みしていた韓国語の短期集中レッスンを申し込まれました。
ちょうど旅行会話、発音に焦点を当てた教材を2年がかりで仕上げたところだったので、それを使いながら、会話といえば必須の技術である、社会的ストラテジーや 情意的ストラテジー も踏まえながら、レッスンを行いました。
先生方はご存じと思いますが、社会的ストラテジーとは、一度で理解できなかった事柄をもう一度言い直してもらう、別の言い方で言ってもらう等のテクニックです。
情意的ストラテジー とは、あなたの言うことを受け入れますよ、という態度やあいづち等を入れていくことで、やりとりがスムーズに進む効果があります。
短期集中ではありますが、録音等の宿題も出して、少しスパルタでしたが、受講生さんはレッスンに熱心に取り組んでくださいました。
男子フィギュアのフリーというプラチナチケットの試合を観戦されて、楽しそうに帰国されましたので、私も嬉しかったです。
ほかにも、今年に入ってから新しい受講生さんに会話レッスンや作文レッスンを行っています。
ありがたいことに、こちらが出した課題にプラスして書いた文章を楽しそうに出してくださる受講生さんが多いことが、とてもうれしく感じます。
TOPIK5級レベルで意見文もおおまか書けるのにしゃべれない!と悩んでいる方がいらしたので、詳しく話を聞いてみると、みなさんいろんな不安感をお持ちなのだなと感じます。
不安感の低減こそがアウトプットを伴うレッスンのカギだと思います。去年からはアウトプットだけでなく効果的なインプットを伴ったインタラクション(相互交流)効果で定着が進むように、あれこれ悩みながら進めております。
会話も作文もどちらも予想不可能な展開を含んでいるので、なかなかノンネイティブ講師が踏み出しにくい領域ではあります。
しかしながら、個人的に韓国語で発信できる方を増やすことで、受け身ではない日韓交流が進むことを目標としていますので
ネイティブスピーカーの先生と協力しながら少しずつ精進していきたいです。
また、会話レッスンで学習者どうしの勉強会を企画し始めた方ともお会いしました。
せっかく集まっても、疑問点を調べるのに時間がかかってしまって、しかもそれが本当に合っているかどうか不安ということでした。
最近は学習者さんのレベルも高くて講師との違いについて悩むこともしばしばですが
、何かそういった勉強会に講師がお手伝いできる機会や方法があれば、お互いにとっていいのではと感じています。
明日から3月です。長くて寒かった気候もようやく緩んできました。
先生方も新学期、新年度へ向けてお忙しくなられると思いますが、ご自愛ください(*^-^)