【週刊ハンガンネット通信】第282号 (2018年9月10日発行)

私の韓国語講師・奮闘記20 「英語不得意論」

宮本千恵美

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桁外れの今年の異常気象、とは言うものの、毎年気象の変化は深刻になってきております。
今回の大型台風や北海道を震源地とした地震で被災された方や親戚、友人の方々がいらっしゃる方々、
心よりお見舞い申し上げます。

新しい教室が始動し、生徒ともいろいろなお話をさせていただくようになりました。
韓国語を始めたきっかけから、好きな歌手やドラマの話、韓国旅行の話など、
私が韓国語講師だということで韓国に関するお話をしたいのだと感じます。

ある日、高校生の生徒が私に話をしてきました。
「高校に韓国語の授業があるなんて羨ましい!」
以前勤めていた高校には選択科目として韓国語と中国語があったので、
その話をしたところこのような反応が返ってきました。

私は続けて、英語は好きなのか聞いてみたところ、
英語が大嫌いで、できれば韓国語を学校で習いたかった、
受験科目だから仕方なく勉強しているだけ、だというのです。

私は語学自体に興味があるので、英語も勉強してみたいし、他の言語にも非常に興味があります。
他のクラスの生徒は、韓国語から語学に興味を持ち出し、可能なら次は中国語を勉強してみたいと言うのです。数年前は高校生だったので、英語はどうなのか聞いたところ、やはり英語は好きじゃないと言いました。

私が学生だった時代に比べれば初等教育で英語が学べるのに、
なぜこんなに英語を嫌う生徒が多いのかととても不思議でなりませんでした。
韓国語学習の前に英語を必ずといって良いほど学んでいるはずなのですが・・・。

ある朝、テレビ寺子屋という番組を偶然鑑賞しました。
内容は「考えすぎない英語勉強法」、講師は山形弁研究家(初めて知りました!)、ダニエル・カールさん。
以前は全国放送でも流暢な山形弁で話していた印象があります。

当時山形県に赴任したダニエルさんとある生徒の会話で、生徒から「猫は好きですか?」聞かれたそうです。ダニエルさんは「好きだけど、きみはどう?」と聞き返しました。
でもその生徒は何も答えようとしません。
なぜ答えないのか聞いたところ、
「猫は好きでも嫌いでもないから、英語でどう答えれば良いのか分からない・・・。」
と真面目に答えたそうです。

ダニエルさんはこのことも含めて、日本の英語教育は受験対策中心のためか完璧主義だと思ったそうです。
私も学習した学生だったので、確かに会話に使えない英語、
現地の人たちが使わないような英語をひたすら勉強していたように感じます。
使えない英語を学んでも確かに楽しいとは思えないと思います。

そのせいでしょうか、韓国語も同じような考えの下に学習している生徒が多いと感じます。
簡単に言えば、間違うことが嫌なのです。

例えがおかしくて申し訳ないのですが・・・、
最近のテレビ番組でカラオケの点数で歌の順位を決めている番組を目にします。
他にもピアノでも、ドラムでもそのような番組を目にしました。
でも、本当に歌が上手いと言うのは点数が高いからでしょうか?
その歌い手の感情移入や表現、声色やアドリブ、
その魅力があることこそが歌手であって、点数で加算できないものだと思います。

語学も似たところがあって、日本人は完璧主義的な思考から、間違っては駄目だと思います。
そしてテストなどを受けて自分の実力を身に付けてこそ、「その言語ができる」と言えるのです。
だからと言って流暢に話せるとは限りませんし、テストの結果で実力のすべてを評価はできません。

間違ってもいいから話すことも勉強の1つなのですが、でも多くの日本人は完璧でないと納得しないのです。でもそれは英語を勉強していたときと何も変わってないのではないかと感じました。
(歌は感性で人の感じ方によって違うので、間違いを指摘できる語学とは違いますが・・・)

ダニエルさんはこう言います。
「もっと楽しく考えすぎないで英語を話そう!」
韓国語もそんな風に学習して欲しいなぁと、最近しみじみ考えております。