【週刊ハンガンネット通信】第298号 (2019年4月22日発行)
TOPIK作文は可能性大
ミレ韓国語学院 前田真彦
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昨日、TOPIK試験会場(神戸)でチラシ配りをしました。今まで東京・横浜・大阪、などで配っています。試験当日の受験生の緊張感が伝わってきます。普段の自分の授業は十分だっただろうかと振り返るよい時間になります。
神戸会場は教室棟入り口にちょっとした休憩スペースがあって、ベンチに座って勉強しながら待機できるのがいいと思いました。
目についたのが、私の『TOPIKⅡ作文完全対策』(HANA)を広げて勉強している人が多いことです。そのうちの3人の方には、思い切ってこちらから「この本を書いた人間ですが・・・サインさせていただいてよろしいでしょうか?」と、おずおずと声をかけ、3人の方にサインをさせていただきました。驚いておられました。試験直前の緊張がちょっとほぐれる楽しい時間になりました、(と勝手に思っています)。
TOPIK対策の中では作文が一番大変です。単語や文法を学ぶのとは違う学力が要求されているからです。韓国で出版されているTOPIK쓰기の本にはよい本もたくさんあります。韓国人には意見が言える人が多いです。主婦の方でも、いざという時は、自分の意見を言える、そんな国民性、またはそういう教育を受けてきているのでしょう。
それに対し日本人は、意見が言えない人が多いのです。TOPIK作文指導で一番苦労するのは実はそこなのです。「自分なりの意見をまずとにかく言ってみる」これがなかなかうまくいかないのです。
韓国で出版されているTOPIK作文の書籍は、その辺の日本人学習者の「かなり根深い傾向」をわかっていないのです。「意見を持つ訓練から」という視点が欠けているように思います。
私は、中学校の国語教師をしていましたので、中学生の書けない実態と、どのようにすれば書けるようになるのかという指導の蓄積がありますから、「意見を持たせる」ところから指導するという観点がはっきりあります。
TOPIKの作文はこれからも、ずっと韓国語学習者を悩ませ続けると思います。そしてその対策を通して、自分なりの意見が言えるようになった時、単なる外国語学習ではなく、異文化を見つめる目を持った人として、より深い隣国理解の領域に入っていけるのだと思います。
つい先日もJBJ95の高田健太(KENTA)さんが韓国のTVで、自分が勉強している本として『TOPIK作文完全対策』取り上げてくれていました。(Twitterの動画へ飛びますhttp://ur0.link/XK6D)彼のファンの中にこの書籍の愛読者がいて、KENTAにプレゼントしたものだということです。
700字作文に真剣に取り組むようになって、韓国語学習も熟成してくるのだと思います。片言の韓国語、会話の韓国語から一歩も二歩も進めて、「意見を言うために韓国語を駆使できる人」が少しずつ多くなってくるのだろうという明るい展望を抱きました。