【週刊ハンガンネット通信】第301号 (2019年6月10日発行)
きっかけ
伊藤 耕一
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先日、私の大学2年生になる息子がスウェーデンに旅立ちました。大学のカリキュラムの一環としての短期留学です。
行先は、英国、米国、ニュージーランド、フィリピン、フィンランド、スウェーデンの中から選ぶのですが、「どうして、スウェーデンを選んだの?」と、気になったので聞いてみました。
「この国々の中で将来一番行かなさそうな国だし、18歳でお酒が飲めるし、行ってみたいと思った。」とのこと。私は「スウェーデン語を少し覚えてきて、教えてね。」と言って送り出しました。
無事に到着の連絡はありましたが、その後の連絡はなし。私が26年前に初めて渡航した時もたいして連絡しなかったので、元気にしているのだろうと思っています。
私が韓国語を勉強しようと思ったきっかけは、高校2年の時にテレビで見たソウルオリンピックでした。純粋に「あの文字が読めるようになりたい。」という気持ちだけでした。
あれから30年の時が過ぎてこのような通信を書く立場になるとは、当時は思いもよらないことだったのですが、きっかけは大切だなと、いつも考えています。
韓国語を勉強してみたいと思う学習者にも、何らかのきっかけがあるはずですが、その小さなきっかけをつぶさないように忘れないようにしてあげることが大切だろうと思って教えてきました。
息子にとってのスウェーデンというきっかけは、彼の今後の人生にどんな影響を与えるのか、楽しみにしてみたいと思います。
「あの文字が読めるようになりたい。」と「この国の中で将来一番行かなさそうな国だし、18歳でお酒が飲めるし、行ってみたいと思った。」は、動機としては同じレベルですね。