通信310 第4回韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会 2/20 阪堂千津子

【週刊ハンガンネット通信】第310号 (2020年3月3日発行)

第4回韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会の報告(2月20日開催)

阪堂千津子

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今回は2月20日に都内で行われた「第4回韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会」のご報告です。

ご存知のとおり、この交流会は「対日理解促進プログラム(JENESYS)」の一環で、日韓文化交流基金とハンガンネットの共催で開催されている年中行事。今回で4年目になります。

今年は先着順で65名を募集したところ、定員があっという間に一杯になり、残念ながら多数の方に参加をお断りしました。この場を借りて、該当する生徒さんがいらっしゃる先生方、心からお詫び申し上げます。

さて今年は、「単なる交流ではなく、日韓関係について話し合える関係、持続的な交流を」というリクエストがありまして、例年にもましていろいろな試行錯誤がありました。全部で6回の事前準備会を開催しましたが、そのうち2回は勉強会も開きました。

1回目は武井一教諭(日比谷高校等)を招いて「隣国を知ること;日韓基本条約を題材にして」を開催し、参加者は45名でした。武井先生には交流と対話の観点から、今の日韓関係の基本となる国際関係をどのように理解すべきか、わかりやすく講義していただきました。

質疑応答時間には、「実際に訪日団の学生から質問されたらどう答えたらいいか」とか「交流の場に歴史問題を持ち出したくない」など、現場を念頭に置いた意見交換が行われ、熱気につつまれた4時間でした。

2回目は大学などで国際法を教えていらっしゃる雨野統先生の「国際法の視点から考える日韓請求権協定;国家主権か人権か」の講義でした。

先生は専門学校で公務員に教えてもいらっしゃるので、国際法の基本から始まり、国際法から見た今の日韓関係を解説、その問題点や紛争解決のヒントなどもレクチャーしていただきました。

先生が「1年分の講義をギュッと詰め込んだ」とおっしゃっていましたが、大変内容の濃い授業で、会場を埋め尽くした参加者は、専門用語のメモを取りながら熱心に聞き入っていました。講義が終わっても、参加者たちは教卓にあつまって、時間が過ぎるのも忘れて講師と質疑応答をしていました。

当初は横浜のレストランで交流会を開催する予定でしたが、開催2週間前にクルーズ船の影響で急きょ交流会が中止になり、3か月にわたり準備してきたものが、水泡に帰しました。

次に、都内に場所は変更され、集会は禁止だが交流は実施、などと刻々と条件が変わりました。さらに、日韓両国の参加者の相次ぐキャンセル(場合が場合ですから)、

場合によっては当日中止もあり得るという条件で、それなら中止にすべきかと迷いましたが、最悪の事態を想定しながらも最善を尽くそうと団結する参加者のみなさんの姿に励まされ、決行を覚悟しました。

文句も言わず臨機応変に対処しようとしてくださった参加者のみなさんには、感謝の言葉もありません。

結果的には東京都内の小グループ散策という形態になり、日本側42人、韓国語側35人の参加者で開催しました。

短い開会式を行った後、グループに分かれて散策、午後または夜まで一緒に都内を回って、その間に話し合った内容をA4用紙一枚に自由に書いて提出するという交流でした。

実際に、韓国の学生と歴史問題について話し合ったというグループもあれば、そうでなかったというグループもあります。

個人的には、例年になく少人数で長時間の濃い交流をすることができたので、こういう方法もいいなと思いました。「終わりよければすべてよし」、ですね。参加者からは

「一日中はなしをきいていたら、わかる単語がふえてきた」とか「言ってることはわかるのに、いいたいことがでてこなくてもどかしい」

という声をたくさん聞きました。「もっと勉強します!!」と言ってましたので、学習モチベーション向上には役に立ったようです。

「日本に行ったら2週間は自宅隔離」を覚悟して、海をわたってきてくれた訪日団の大学生・高校生たち。本当に素晴らしい若者たちでした。

彼らは無事に10日間の日程を終えて先日、帰国したとSNSで知りました。大邱の学生には、「がんばれ!」とメッセージを毎日送っています、と日本の参加者から聞いています。

今回のような非常事態だからこそ、お互いの絆はいっそう深まったような気がします。参加者同士はいまでもラインでほぼ全員がつながっており、やりとりは続いています。

コロナ騒ぎが落ち着いたら、日本側の参加者を集めて、慰労会を行いたいと思っております。

最後になりましたが、この場を借りて、ご協力くださったハンガンネットの先生方に心からのお礼を差し上げます。本当にありがとうございました。

「教室単位の参加でなければ、このような交流会は実現できない」と事務局は通感しております。

以下、今回、ご参加された先生方と、教室の一覧をあげておきます。(途中、やむを得ず辞退された参加者も含みます)

当日の様子と、最終日に総括で今回の都内フィールドワークに関する発表の写真も添付します。

6組の総括発表

*ハンガンネットの先生方(ありがとうございました)

丹羽光先生、丹羽裕美先生、日下隆博先生、元孝貞先生、川北貴彦先生、朴智貞先生、姜煕哲先生、大和田友美先生

*参加者の出身教室

  • ひろば語学院
  • ワカンドウ韓国語教室
  • ミレ語学院
  • コリブン語学堂
  • 元先生の韓国語教室
  • アイケーブリッジ外語学院
  • ミリネ韓国語教室
  • 楽しい韓国語教室
  • 桜美林大学世宗学堂
  • 東京外国語大学オープンアカデミー

*事務局(本当に感謝!です)

佐藤絵里さま、中島千幸さま、村上寛光先生

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