通信319 私の韓国語講師・奮闘記25「カタカナ語」 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第319号 (2020年5月4日発行)

私の韓国語講師・奮闘記25 「カタカナ語」
宮本千恵美
=================================================

まず最初に・・・ハンガンネットの講師の先生方のご家族ご親族の中には、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、
私たちの生活や健康を支えてくれている医師や看護師などの医療従事者、危機対応にあたる公務員、配達を担う物流事業者、
スーパーやドラッグストアなどの販売員のみなさん、バスや地下鉄など公共交通の職員などの業務に関係の方々がいらっしゃると思います。
この場をお借りして一言、お礼を言わせてください。
毎日、本当にお疲れ様です。心から感謝申し上げますm(__)m

私自身もコロナ問題がここまで深刻化するとは予想できず、未曽有の大災害だと感じています。
教室は勿論のこと休講、またオンライン授業も生徒さんたちからの希望で移行できませんでした。
それでも韓国語を忘れてしまうのではないかとか、生徒さんたちの漠然とした不安の1つに韓国語学習に対しても
感じてもらえることは嬉しいですが、でもなかなか学習継続の術がない状況であります。

現在は特別授業として無料オンライン授業をしながら、生徒さんたちにまずは韓国語を忘れないでね、
と何とか気持ちを持ち続けてもらうようにしております。
多分そうだとは思っているだけですが、全国のどの教室もとても大変だと思います。
それでもSNSなどで多くの先生方が一生懸命授業をしている姿に元気をもらっています。
配信していらっしゃる先生、多方面での取り組みを思索してくださっている先生方にも、この場を借りてお礼を言わせてください。
本当に力になっています!ありがとうございます!

コロナのことが毎日TVなどで報道されています。
正直うんざりしながらも、もう1つ頭を悩ませることがあります。
それはコロナに関しての用語がすべてカタカナ語(英語でしょうね)だと言うことです。

私は早々と英語を諦めている…と言いながら万年英語学習者で、でもやはり英語はできないという感じです。
なので、最近の流行語も英語が合わさると理解ができないことが多いです。

例えば「クラスター」、私はてっきり「集団感染」だと思っていましたが、「感染者小集団」という意味であり、集団感染のような大規模の感染ではありませんでした。
また「ソーシャルディスタンス」…?? 多分年配の方などは「ディスタンス」を「デスタンス」と呼びそうですし、それ以前に覚えられないと思います。
「オーバーシュート」、やりすぎたシュート?
この文字を漢語的な表記にすると表現がかたくなるとか、カタカナのほうが印象はマイルドになるとか・・・いやいや大切なのは印象じゃないでしょうと思うのです。
聞いてすぐ理解できることのほうが大切なのに、「クラスタ-」、「ソーシャルディスタンス」、「オーバーシュート」と聞いてすぐに日本人は理解できるでしょうか。
そしてそんな言葉の混乱は非常に危険だと論じている記事も拝見したことがあります。
それが現在問題になっている誤用の誘発を促しかねません。

以前ある集まりに参加した時には、その横文字で話す人が多すぎて話についていけないときがありました。
勿論こちらの勉強不足ではありますが、後々調べると日本語だったら理解できることばでした。
それを横文字で言うことってどうなのだろうと最近感じています。

「教養としての言語学(鈴木孝夫著/岩波新書)」には言語干渉の一説に韓国のことも紹介されていました。
韓国では日本語の干渉を食い止めるため、国語(クゴ)の純化自立を保持するために言語政策をとっている、
その1つが町中の看板をすべてハングル表記にすることだったと書かれていました。
実際に今でも私の生徒さんたちが韓国に行き感動することが、看板を読めるようになったことなのです。
つまりはハングルが読めないと看板が読めないわけですが、それが学習者には楽しみの一つになるのです。
勿論、韓国人たちが日本人ように「横文字」に当たる言葉を全く使わないわけじゃありませんが、やはり韓国語は固有語を使う傾向を強く感じます。
そのように自国の言葉を守ることは、その国のアイデンティティーを守ることになるのだと思います。
(英語ばかり使っていると言いながらアイデンティティーなんて使ってしまってすみません><;;正直正しく使っているのか不安です…。)

韓国語を教えるようになってから母語にも興味が出てきたことは、やはり私自身のアイデンティティーは日本にあるのだと思いますし、
国際化している・グローバル化していても個々の「自分らしさ」を失ってはいけないと思います。
長々と書きましたが、コロナ&カタカナ疲れしているのが正直な気持ちです(汗)

特別授業で、生徒に自粛生活での週末の過ごし方を聞いたとき、
「スピリチュアルカウンセリング을 받았어요.」を言われ、卒倒しました…。
横文字もういいです(笑)!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。