【週刊ハンガンネット通信】第341号 (2020年12月8日発行)
キムチがあきれ返る?
伊藤耕一
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先日、このような記事を見つけ、興味深く読みました。
「キムチがあきれ返る…『中国キムチ』が世界標準になったって?」
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201207/for2012070005-n2.html
朝鮮日報の原典はインターネットから削除されてしまったようですが、概要はこのような内容のです。
中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報が「国際標準化機構(ISO)の承認を受けて、中国の「泡菜」がキムチの基準となった。」と報じた。
キムチと泡菜は「塩蔵発酵野菜」という点では同じようですが、「ISO 24220キムチ(塩蔵発酵野菜)規範と試験方法国際標準」の承認を受けたとあります。
これに対し、韓国の様々なところで反論が出たとのことです。
泡菜は食べたことがないので、作り方を調べてみました。
キムチと泡菜の作り方を比べてみると、同じようにも見えますし、異なるようにも見えます。
キムチ https://cookpad.com/recipe/1000316
泡菜 https://cookpad.com/recipe/3381337
双方のレシピを見た料理の素人の感想で恐縮ですが、キムチと泡菜を一緒にするのは無理があるのではないかと思いました。
これが同じであるなら、長野県で作る野沢菜漬けも同じ仲間になるように思います。
野沢菜漬 https://cookpad.com/recipe/3538482
もう少し調べてみると、英国のBBCがこの議論に絡んでいるのを見つけました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/50b2b43f990bb3bc3e70929de0e15a92e4724b22
BBCは「誤報」と報じており、そうだよねと安心しました。
BBCは「伝統的にキムチは野菜を洗って塩漬けにし、ヤンニョム(合わせ調味料)と発酵した海産物とともに土製のかめに入れ、地中に埋めて作る」とした上で「『キムジャン』というキムチを漬ける儀式は、国連科学教育文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている」「ISOの文書には、今回の食品規格が『キムチには適用されない』と書かれているが、一部の中国メディアはこれと異なる形で報道した」と指摘したとありました。
ほかにもいくつかのサイトがありますが、中立的に見るとBBCの報道が真実に近いのではないかと思いました。
「キムチがあきれ返る?」という文字から見つけたニュースでしたが、こんなことで論争を張るのではなく、キムチも泡菜も野沢菜漬も美味しそうなので、もっと建設的な議論をすればいいのになと思いました。