通信362「プロとしてスタートするための心構え」 幡野泉

【週刊ハンガンネット通信】第362号 (2021年8月30日発行)
プロとしてスタートするための心構え
アイケーブリッジ外語学院 幡野泉
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先週の土曜日は2つの大きなオンラインイベントがありました。2つとも
字幕翻訳に関わるもので、講師とトークゲストを、それぞれ当校出身生で、
現在字幕翻訳家として活躍される方々にご協力いただきました。

午前中は有料講座で、字幕翻訳の技術的なことやプロとしてスタートする
ためのノウハウ・心構えを伝授するもの。午後は、無料イベントで、
字幕翻訳家を志す皆さんの質問に答えるという形式のものでした。
字幕翻訳クラスはここ1年半ほどオンラインのみで運営していたため、
このような触れ合いがとても良かったと、運営冥利に尽きるご感想を
たくさん頂戴しました。

一つ、午前中の有料講座の中で印象に残ったお話をご紹介します。
プロ(字幕翻訳家)としてスタートする際の心構えに関し、
講師をお願いした出身生の方がこんなことをおっしゃいました。
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まずは個人事業主になるという自覚を持つこと。
翻訳会社、制作会社とのやり取りは会社対会社の付き合いと同じなので、
メールの名前もフルネームが出るようにし、ニックネームなどは避ける。
フリーメル(Gmail,Yahooなど)ではなく、有料のプロバイダメールを
使って、フルネームが分かるメールアドレスを用意しておく。
メールの署名もわかりやすく工夫する。
★覚えてもらうことが大切!
年賀状、暑中見舞いなどを兼ねたお伺いも、欠かさずに。
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はっとさせられた受講生の方は多いのではないかと思いました。
字幕翻訳のクラスを開講するとき説明会を行いますが、たいていの方が
「(翻訳の)仕事は学校が紹介してくれるのですか?」とおっしゃいます。

最近は少子化で、高校も大学も、進学や就職のサポートが手厚いですよね。
当校ができるサポートを紹介していますが、やはり、いくら勉強して
翻訳技術が上がったとしても、字幕翻訳家は大抵が個人事業主として
翻訳会社から仕事を直接もらうことになるので、会社対会社の
「会社」になる、という自覚を持ってもらわないといけません。

今回はカリキュラム外の特別講座でしたが、このようなメンタル部分も
スクールとして、カリキュラムに入れていく必要があると思った次第です。

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