通信375 「韓国語学習書がよく売れると…」ペ・ジョンリョル

【週刊ハンガンネット通信】第375号 (2021年12月16日発行)

韓国語学習書がよく売れると…
HANA ペ・ジョンリョル
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出版業界ではこのところずっと韓国語学習書の売れ行きが好調です。韓国語の学習書が売れていると、当然参入してくる出版社が増えて新刊点数も増えます。売り場のスペースには限りがありますので、新刊点数の増加は、営業力の強い会社によって弊社の本が売り場から押し出されることにもつながります。長く長く売れる本を作りたい出版社にとっては、喜んでばかりはいられない面もあります。

語学書は、一般の読み物に比べて作るのに手間がかかります。弊社では本の内容や分量、作り方にもよりますが、原稿が完成してから編集・校正を行い発売するまで、最低でも3カ月はかかりますし、現在のマンパワーでは会社全体でも月1冊のペースで作って出していくのがやっとです。

一方、一般書、特にビジネス本などでは、編集者1人が10数冊併行して進めて月に1冊ずつ出版しているといった話はざらにあります。韓国語ブームを受けて参入してくる出版社は、語学以外を手掛けている出版社の場合も多く、私たちとは異なるスピードと規模で、弊社が1冊出す間に、2冊、3冊と出してきます。なんとか同じ土俵で勝負するのを避けるしかありません。

韓国語の学習書が売れるようになると、他の出版社から弊社に仕事(編集や校正、録音)の依頼も来るようになります。下請けの仕事はお金になるのが早いので、以前は「来た仕事は断らない」主義でこうした仕事を優先してこなし、出版の資金に充ててきました。最近は下請けの仕事を断るようにしているのですが、どうしても断り切れなくて、手離れのいい校正だけ請け負うこともあります。今のような状況はずっと続きそうですから、今後韓国語や日韓の記事・原稿をチェックする人の需要は増えるように思います。

上に書いたように、過去の韓国語ブームのときは他社の商売をせっせと手伝い、自分のところにはたいして残りませんでした(ただし経験は残った)。つまりその頃はまだ出版社としてのスタートラインに立てていなかったということでしょう。今回の学習ブームでは、過去にそんな苦しい思いをしながらも作りためた本がありますので、この流れにうまく乗っていきたいと思います。

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