【週刊ハンガンネット通信】第382号 (2022年3月7日発行)
真似だけでは不十分
前田真彦
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韓国語がうまい学生が増えてきました。
幼少のころから(もしかしたらお母さんのおなかにいる時から)
日本語の次にたくさん韓国語を聞いて育つと
韓国語の発音やリズムが自然と身に付いているのかもしれません。
今教えている大学生の中に留学していないのに驚くほど韓国語がうまい学生が何人もいます。ネイティブかと思うほど流暢で自然な韓国語を話します。
その学生たちに授業の一環として、教材の一部を録音して提出してもらい、添削しました。
いわゆる「音声添削」です。
じっくり聞いてみるといろいろ不十分な点があることがわかりました。
やっぱり真似るだけでは限界があるのです。
いくらたくさん聞いても、第1言語でない限りは
日本語をベースにして、聞いているということがよくわかりました。
たくさん聞いて真似をして、一見上手に聞こえても、
真似しきれないところがあるということです。
発音変化などはテキストでしっかりと学ばなければ、
真似をしても整理がつかないのだろうということも分かりました。
ルール化できていないから、発音変化のは間違いが多いのです。
学習者の発音の「流暢さ」や「勢い」に惑わされて、
「うまい」と錯覚しないよう、分析の精度を高めて行かないといけません。
細かく分析して、その学生・受講生に不十分な点に
適切にコメントできる力が必要です。
学習者のレベルが高まれば高まるほど、講師に要求されることも
より高度になってきます。
研鑽していかなければなりませんね。