通信383 「翻訳でもやろうかな」幡野泉

【週刊ハンガンネット通信】第383号 (2022年3月14日発行)

翻訳でもやろうかな
アイケーブリッジ外語学院 幡野泉
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一カ月以上前になりますが、ハンガンネットセミナーで当校受講生イベントの翻訳大会について少し発表しました。セミナー参加にあたり、先生方のきめ細かい模擬授業や、いろいろ工夫され生徒さんを集められる先生方のお話が聞け、大変有意義でした。どうもありがとうございました。

当校の翻訳大会は、日韓翻訳、韓日翻訳、映像翻訳の3部門を開催しましたが、この映像翻訳部門は当校の映像翻訳講座(旧:字幕翻訳プログラム)の出身生、現役生がエントリーされました。最優秀賞は、学習を始めてまだ何か月かの現役生の方。お勤めをされながら技術を磨かれています。

さてそこで、最近この映像翻訳講座にどんな方々からのお問い合せが多いか、お話したいと思います。

コロナ禍の少し前から、すでに映像翻訳への関心の高まりは感じていましたが、コロナ禍のネットドラマブームで益々お問い合わせは増えるようになりました。
そして、ここ1,2年で目立つのは、大学生(就活生)からの問い合わせです。

話しを聞いていると、「就職活動がうまくいかない。韓国語は少しできるので、翻訳でもやろうかなと思って、問い合わせました」という方が少なくありません。

映像字幕は1秒に4文字しか入れられないルールがあり、これはやってみると分かるのですが、とてつもなく少ないのです。韓国ドラマの場合、名前をカタカナで入れるだけでアウト。さて、どうするか……。

一般のドラマ視聴者はそういう事情は分かりませんから、少し韓国語が分かると、「あ、今の台詞、訳されていない」「これなら私でもできる」

そう思ってしまいますよね。「翻訳ならできそう」、そんなふうに思う気持ちも分からなくはないです。

授業の見学会や説明会を通じ、映像翻訳とは、もしくはプロの翻訳家としてやっていくにはなど、丁寧に説明します。そこで、その道を究めることの大変さを知り、いったんやめておこうと思われる方、さらに関心を深め、飛び込んで来られる方、様々です。

通訳や翻訳は人生経験がものを言うので、歳を重ねるごとにノッてくる、という側面もあれば、若いながらも徹底的に調べて、好奇心を持って、目の前の仕事を誠実にこなしていけば、若さは相当の武器になります。

3月後半、また多くの方がいらっしゃいますので、皆さんにとってできる限りの良い選択をしただけるよう努めたいと思っています。

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