通信384 「韓国語のパッチムとマレー語の閉音節」伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第384号 (2022年3月30日発行)

韓国語のパッチムとマレー語の閉音節
伊藤耕一
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マレーシアに来て3ヶ月半、だいぶマレー語が耳に馴染んできたように思います。
数字は100までだいたい分かるようになり、徐々に聞き取れる単語が増えてきて、知っている言葉をつなぎ合わせて話してみると、時々ですがちゃんとしたマレー語になって褒めてもらえる、そんな楽しい日々を送っています。

マレー語には閉音節があります。
無声音の子音(t,k,p等)が語末に来ると、息を止めて発音します。
韓国語のㄷやㄱやㅂとほぼ同じ発音なので、この発音は軽くクリアできました。
これを傍で聞いていると、とても苦しそうに発音しているように聞こえる時もあります。

マレーシア人とは英語で話すことが多いのですが、英語の発音もマレー語の影響を受け、マレー語以上に苦しそうに発音しているように感じることがあります。
例えば、”I went to the park.” のような文章を話すとき「アイ ウェンッ トゥ ド パッ(아이 웬ㅅ 투 더 팍)」といった発音になります。
最初は戸惑いましたが、今ではだいぶ聞き取れるようになりました。
何事も慣れるものだなと痛感します。

韓国語と異なるのは、無声音の子音の後に母音が来てもリエゾンしないことです。
例えば、”Check it out.” を発音すると「チェッ イッ アウッ(쳌 잍 아웃)」のような発音で、ㄱとㄷのパッチムを律儀に音節ごとに息を止めて発音している感じです。
リエゾンさせれば、もっと話しやすくなるのでは、などと余計なことを考えてしまったこともありました。

ここからは蛇足のような話ですが、クアラルンプールである集まりに顔を出したら、私を含めた日本人数人とルーマニア人、ブラジル人、ミャンマー人と出会いました。
そこでは英語で話をしたのですが、学生時代に勉強したイタリア語を思い出し、ルーマニア人とブラジル人に話しかけてみました。
話したのは自分の自己紹介のような文章ですが、「だいたい分かる」と言われました。

イタリア語、ルーマニア語、ポルトガル語はフランス語とスペイン語を加えてロマンス諸語と呼ばれ、お互いに似ている言葉同士だと学生の時に教えてもらいました。
話してみて分かったのは、なるほど似ているのだなという実感でした。
ほかにもドイツ語とオランダ語、ヒンディー語とウルドゥ語などは似ているようなのですが、どのくらい似ているのか実感できたら面白いのになとも思いました。

マレー語の中期目標はマレーシアにいるうちにCEFRのB1レベルに達することにしてみましたが、そこにたどり着けるように精進したいと思います。

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