通信414 「マレー語の疑問詞」伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第414号 (2022年10月31日発行)

マレー語の疑問詞
伊藤耕一
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マレーシアに来て早いものでもうすぐ丸11ヶ月になります。
マレー語を覚えようとしているものの、日常生活では英語が通じるので、マレー語で話す機会はとても少ないです。
今日は、つい最近の買い物の時に、マレー語を話した時のことを書きたいと思います。

この前の日曜日、社員の結婚式に招待され、会社の皆さんと一緒に参加して、その後、同僚とちょっとした買い物に行きました。
目の前にある商品を見て、「『これは何ですか?』とマレー語で聞いてみよう。」と思い、同僚に聞いてみました。
『Siapa ini?』と言ってみたら、怪訝そうな顔をされました。
おかしいなと思い「『これは何ですか?』は『Siapa ini?』ですよね?」
「それは『Apa ini?』だよ。『Siapa ini?』は『こちらは誰ですか?』という意味です。」と言われました。

マレー語の疑問詞は語末の音が似ているせいか、未だに私の中に定着していないことに気付かされました。
(Apa:何、Siapa:誰、Berapa:どのくらい、Kenapa:なぜ)
「Siapa?」は会社でよく耳にする言葉で、誰かが訪ねてきた時のインターフォン越しの第一声が「Siapa?」です。
状況的に「何でしょうか?」という意味に私が思い込んでいたのですが、実際には「どなたですか?」と言っていたのですね。

その一方で「元気ですか?(How are you?)」は「Apa khabar?」と言うのですが、改めて「khabar」を調べてみると「ニュース、新しい情報、面白い情報、最近のイベント」が元々の意味であることが分かりました。
つまり、マレー人は「あなたは何か新しい情報や面白い情報を持っていますか?」とあいさつしていることになります。
当然、日本人が「おはようございます。」の元々の意味を考えて話さないのと同様に、マレー人も「Apa khabar?」の元々の意味を意識して話すことはありません。
私が浅はかだったのは、「Apa khabar?」を「How are you?」と理解し、「Apa」を「How」と誤解していたことでした。
なぜそのように誤解したのかは明確で、私が英語で書かれたマレー語テキストを使っていたことです。

今回の一件を通じて、やはり、実際に声に出して発音してトライすることは大切だなと思いました。
ひとつひとつの単語は理解したつもりでも、声に出してみると本当に理解して定着しているのかが判明するように思いました。
そして、このような小さな失敗は強烈な体験となって、二度と間違えなくなることを経験的に知っているので、これからもどんどん声に出して間違えてみようと思いました。
言葉の勉強はとても楽しい、そんなことを改めて実感した日となりました。

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