【週刊ハンガンネット通信】第416号 (2022年11月21日発行)
発音うまくなりたい
寄田晴代
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12月4日(日)13時からのハンガンネットセミナーは「音声添削実習」です。
受講生の発音指導のための音声添削を、ワークショップ形式で前田真彦先生と一緒にやってみます。
ここで、自分は発音をどのように学んできたのか思い出してみました。
私が韓国語を勉強し始めた頃は、本屋に行ってもテキストが2~3種類くらいしかなく、音声教材もありませんでした。それで、もっぱらテキストを書き写しまくり、単語を書きまくり、勝手に音読しまくり、という方法で独学していました。大学の授業中も、授業と全く関係ないハングル文字をひたすら書いている私の手元を見て「それ何?」と隣の席の人によく聞かれたものでした。
文法や単語はどんどん覚えていい調子だったのですが、音声教材なしに勝手に音読を続けたため(だと思います)自由気ままなイントネーションと発音を身につけてしまいました。
大学生の頃は年に2回、毎年韓国でボランティア活動に参加し韓国人の友人もたくさんできていました。彼ら彼女らと韓国語で話すときは未熟ながらもそんなに困らなかったので、イケている、でもなんか違うかも私の話し方、と思っていました。
通じるけれど、ときどき尋ね返されたり、少し話すとすぐ日本人だとバレる自分の韓国語をなんとかしたいと思っていました。ネイティブスピーカーのように格好よく話したかったのです。
韓国語の抑揚や発音についての書籍に出会うのはそれからずっと後のことです。
何の知識もなかった私が思いついたのは真似することでした。聞こえる韓国語をとにかく真似する。歌を真似して歌うように、音の高低から強弱から真似する。それをしつこく続けていました。
韓国に住んでいたときは、地下鉄やバスの中で聞こえる会話も真似してぶつぶつつぶやいていました。(これが癖になって日本語で話しかけられても真似をしてオウム返しに答えてしまうという変な時期がありました)
ただ、この方法の欠点は、本当に同じように話せているのか、録音して聞いてみないとわからないところです。そして、どうやって同じ発音になるのかを勘に頼って試行錯誤するので、時間がかかります。
それでも、真似しようと一生懸命聞くことにも集中した結果、韓国語を話すときのリズムや日本語と違う息の出し方などに気づくことができました。(今でも韓国ドラマを見ながらつい真似してしまい、家族にうるさがられています。)
以前、韓国語の単語を読み上げて、同僚の韓国人の先生たちに発音をチェックしてもらったことがあります。
ㅇやㄱ の終声を指摘されるかと思っていたら「『감자』 のㅁが甘い」と言われ、自分じゃわからんもんやな~と改めて思いました。そう、誰かに指摘されなくてはわからないのです。
また、自分が上達するためにあれこれ工夫し努力できても、人を指導するのはまた別物ですよね。
発音をことばだけで説明するのはなかなか難しいと感じています。
受講生が納得できるように直すべきところを気づかせ指導するのに、音声添削をうまく活用できるようになれたら指導しやすくなるのでは、と思っています。
12月のハンガンネットセミナー、みなさまのご参加をお待ちしています。