通信423 「日本語の良さ、韓国語の良さ」加藤慧

【週刊ハンガンネット通信】第423号 (2023年1月9日発行)

日本語の良さ、韓国語の良さ
加藤慧
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昨年、韓ドラファンの方々の間で人気だった日本のドラマの脚本家の発言が、SNSで話題になりました。
ざっくり言うと「日本語の良さは他の言語に翻訳されたら意味が伝わらないから、自分の作品は日本人、日本語がわかる人に観てほしい」という趣旨の発言でした。
いろいろな意味で聞き捨てのならない排他的な発言だと思うと同時に、ことばを学び、教え、翻訳する身として、この「日本語の良さ」という部分について非常に考えさせられました。

日本語に限らず、すべての言語にはその国の言語でしか表現できないものや、その文化の人にしかわからない情緒というものがたしかにあると思います。
でもそのときに、その言語にしかないから「伝わらない」と切り捨ててしまうのではなく、ないからこそ歩み寄り、踏み込んでいきたいし、学習者の皆さんにもそうあってほしいです。

その言語にしかない〝なにか〟を少しでも理解したいからこそ、私たちは外国語を学ぶのだと思うのです。
このことは、韓国ドラマを字幕なしで直に聞き取りたい、推しのことばを通訳なしで聞き取りたいという動機で韓国語を学んでいる人が多いことを見ても明らかでしょう。
例え100%はわからなくても「この国ではこういう言い方をするのか」という味わい方をするのが、本当の意味で海外のコンテンツを楽しむということではないでしょうか。

それぞれの言語にはスペクトラムがあり、その違いが面白くもあり、翻訳するときの難しさでもあります。
韓国語にしかない表現、韓国語の良さ、美しさ——そしてそれを作っている韓国の方々の情緒まで、伝えられるような授業をしていきたいなと思いました。

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