【週刊ハンガンネット通信】第426号 (2023年1月30日発行)
大量の本を収める本棚
株式会社HANA 裵正烈
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弊社は韓国語の専門出版社ということもあり、気になる韓国語学習書、参考になりそうな韓国語学習書があったら参考資料としてちゅうちょせずに購入しています。また弊社の雑誌『韓国語学習ジャーナルhana』のインフォメーションページで本の紹介を行っていることもあって、多くの出版社さんからも新刊の見本が送られてきます。そういうこともあって、韓国語学習書の蔵書が増えており、年末にざっと数えてみたところ1000冊を越えていました。一方で日々増えていく本をどう収納していくのかという問題があります。今日は韓国語とはあまり関係のない、本棚のことについて少し書いてみたいと思います。
今日、本棚もしくは本棚になり得るさまざまな収納棚が市販されていますが、多くの本棚の奥行きは30cm以上あります。30cmという奥行きは結構なもので、私たちの狭い室内空間をさらに狭めます。30cmという奥行きは本を収めるにも広すぎて、本を置いた前の空きスペースにさらに本や物を並べることになりがちです。すると背表紙が見えなくなった奥の本がすぐに見つからなくなったり、奥の本を取り出すのに前の本や物をまずどかす手間が生じたります(取り出した本を戻すときも、さらに同じ手間が生じます)。
市販の本棚に関する私のもう一つの不満が、木くずや紙を接着材で固めた素材(板)にあります。ケミカルで長持ちしない、大量生産・大量消費の負の象徴のようなもので、時にわざわざ木肌のプリントを表面に施したりしているのを見て、そのチープな意図に嫌悪感を感じたりもします。
まあ、後者は個人の嗜好の問題なのでさておくとして、要は、余裕のない室内に大量の本をしっかり、機能的に保管できるぴったりの商品がないと常々感じているということです。そしていい商品がないのなら、自分で本棚を作ってしまうのが自分にとっての最適解の一つということになります。
語学学習書で一般的な本の判型と左右幅は、
B6判 12.8cm(CD付きのB6変型は13.1cm)
A5判 14.8cm
B5判 18.2cm
です。雑誌によく見られる大判のA4でも21cmなので、棚板の奥行きが20㎝程度の本棚を作れば、ほとんどの本が無駄なく収まります(奥行き30cmがいかに本に合っていないか分かっていただけるかと思います)。
それで弊社では、加工しやすいシナ合板(182X91cm)を幅20cmでカットしてもらい本棚を組みました。それを階段の脇などのスペースにぴったり合わせて設置しています(写真)。写真の4列の本棚には1000冊以上の韓国語学習書が収まっていますが、同様の本棚が一つ上の階の階段とフロアにもあります(これらは韓国語学習書以外で使用)。板の厚みは最初にお金をケチって1.5cmにしたので、すべてそれで統一しましたが、これはあきらかに失敗でした。1.8cm厚や2.1cm厚にすればより強固な本棚になったのにと後悔しています。
なお会社の棚では合板を使用しましたが、自宅の本棚は1X8(ワンバイエイト=幅18.4cm、厚さ1.9cm、長さはいろいろ)という規格の使いやすく廉価な無垢板で作りました。好きなオイルやワックスで塗装を行い、無垢材本来の木目や質感、経年変化の味わいを楽しんでいます。
多くのホームセンターでは木材カットや電動工具、軽トラック貸し出しなどのサービスを提供しています。カットしたパーツを持ち帰って組み立てるだけなら、もちろん個人によりますが、作業自体の難易度はさほど高くはないはずです(組み立ての際、電気ドリルは必須)。手間はかかりますが、同等の市販品を買うよりは費用も安く済むと思います。
以上、私の本棚についての個人的な考えと経験を記しましたが、作り方についてはあまりにアバウトな説明だったかと思います。「清く正し本棚の作り方」というサイト(https://www.todaproduction.com/books/bkshelf/bkfrm.htm)には、上記のような本棚を作る根拠や方法がより具体的に説明されており、その内容は書籍化もされています。本棚の自作に興味がある方はぜひご参照ください。