通信440「敬語・丁寧な言い方」寄田晴代

【週刊ハンガンネット通信】第440号 (2023年5月12日発行)

敬語・丁寧な言い方
寄田晴代
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社員研修の講師を仕事としている人と先日話していたとき、季節柄、新入社員研修の話になりました。
新入社員研修といえば敬語の習得が欠かせませんが、「アルバイト敬語」「マニュアル敬語」と呼ばれる話し方を企業が求める話し方に直していくのに練習が必要だという話になりました。
以前から話題になっていますが、たとえば
「私的には」→「私といたしましては」
「10万円からお預かりします」→「10万円お預かりします」
「以上でよろしかったでしょうか」→「以上でよろしいでしょうか」などがあります。

一方、就職支援の仕事をしている人からは「言葉だけ丁寧でもね~」という話が出ました。
「今よろしいでしょうか?」と文章で書くと丁寧な言葉でも、語尾をきつい言い方に上げてみたり変な語調で言うと全然丁寧な感じがしない、と言うのです。
コミュニケーションをとるためには言葉以外の「言い方」や「態度」が大切ですよね。

また、就職デビュー前の人は、電話応対になると敬語を使うのが難しくなる傾向がある、という話も面白いと思いました。
対面で話しているときは無難に敬語を使えているのに、電話になると変になるそうです。

今や誰もがスマホを利用する時代になり、自分にだけかかってくる電話にしか出たことがない人もいるでしょう。それも知らない人からかかって来る電話などほとんどない。
未知の人と失礼のないようにどう話すか。これは緊張しそうな場面です。
しかも声しか聞こえないので、表情や身振りで敬意を表すこともできず言葉だけの勝負になりますから、緊張してスマートに話せないのかもしれません。

これを早く解決するには「決まり文句」を覚えておくことではないかと思いました。
電話応対の決まった言い方を覚えていて、ボタンを押せばスルスルと出てくるようになっていれば緊張も緩和されるでしょう。

電話だけでなく人前でのあいさつなど、敬語を使って丁寧に話したい大事な場面では、型を覚えていれば過度に緊張せずうまく話せるのではないでしょうか。

韓国語の会話練習でも、自由にあれこれ話したいと思っている人は多いでしょうが、ボタンを押せばスルスルと出てくる型をたくさん覚えていると話せる幅が広がります。
では、型を身につけるにはどうするか?
私は音読や一人妄想会話などしていましたが、みなさんはいかがですか。

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