2018年7月1日現在の通信のアクセス状況

2018年7月1日現在の通信のアクセス状況(ビューア数20以上)を集計しました。 通信no 通信タイトル 筆者 20180701 068 日本人が間違えやすい面白い韓国語 伊藤耕一                  1000 124 方言で韓国語訳を考える 伊藤耕一                    190 062 トイレの水にオタマジャクシ 伊藤耕一                    159 203 名古屋ハンセミ「会話レッスン」について考えよう 吉川寿子                    149 051 韓国語で話してみる 林鳩順                    135 161 作文指導: 量を豊富にし、書くスピードを上げるには? 幡野泉                    133 220 私の韓国語講師奮闘記12: 発音について考えてみた 宮本千恵美                    125 229 私の韓国語講師奮闘記13: 日本で韓国語(外国語)を学ぶ 宮本千恵美                    119 129 […]

通信276 会話能力向上につながる反転授業 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第276号 (2018年6月30日発行) 会話能力向上につながる反転授業 吉川寿子 ———- ハンガンネット会員の皆さま 早いもので、もう今年も半分が過ぎました。暑苦しい大阪はまだですが、関東は梅雨も明け始めて暑さを感じ始める時期ですね。体調に気を付けながらお過ごし願います(*^-^*) さて、今回のハンガンネット通信では先日東京の早稲田大学で開催されました、朝鮮語教育学会で私が僭越ながら研究発表をさせていただいた話題について少し書きたいと思います。 「成人学習者を対象とした韓国語会話能力向上のための反転授業の実践」と題しまして、現在放送大学大学院で修士論文を作成中の授業実践を現時点での取り組みについてまとめて発表をさせていただきました。 具体的には、現在私の教室で実施している少人数の会話レッスンで、事前課題をインターネットツール(以下ICT)で与えて予習等を行うことで、​より高い効果を得られるのではないかという研究授業です。 あくまでもICT利用は、その後の対面授業を円滑化するためのツールであり、その使用が目的ではありません。 反転授業という用語は、ご存知の方も多いと思いますが、本来教室で行っていたインプットの部分を自宅のPCやスマホを利用して済ませてから教室では演習やプロジェクト型の課題に取り組む授業形態です。すでに実施されている教室も多いと思います。 一般的に調査研究というと、大人数を対象にしたものを連想しますが、調査には量的研究と質的研究の2種類があります。 私の場合、教室の規模が小さいことと、もともと個人レッスンを中心に行ってきたので学習者個人との関りが深いスタイルのため、少人数の受講生さんに丁寧にインタビューや調査をするスタイルの研究になります。対象が社会人学習者という側面も、少し異質かもしれません。 先行研究を調べても、なかなか出てこない研究のため、教育学会で発表しても特殊すぎて相手にされなかったらどうしようと、とても緊張しました。 しかし、研究背景にある理論を丁寧に説明しながら発表したところ、とても温かく耳を傾けてくださる先生方が多くてありがたかったです。いただいたご質問も、私の発表で足りなかった部分を補足していただき、勉強になりました。 まだまだ仕上がっていない状態の研究発表となりましたが、会場でハンガンネットの先生方や会員の方とたくさんお会いできて、大変励まされました。ありがとうございます。 とても手間のかかるアンケートやインタビューにも快く応じて協力してくださる受講生さん達と、これからも会話能力向上につながる反転授業を継続しながら、しっかりと論文に仕上げていきたいと考えています。 貴重な機会を与えて下った朝鮮語教育学会の皆様に改めて感謝を申し上げます。

通信268 成人学習者の効果的なインプット 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第268号 (2018年4月26日発行) 成人学習者の効果的なインプット 吉川寿子 ———- 4月も最終週となりました。 新年度を迎え、会員の先生方もお忙しくお過ごしのことと存じます。 学生さんも先生方も、少し一息つける連休となるといいですね。 私事ではございますが、息子がこの春に小学校を卒業して 真新しい制服に身を包んで中学生となりました。 親子ともども、何もかもが新鮮で 自分の学生時代(30数年前!)との違いに驚きを隠せませんが これもいい経験をさせてもらっていると感じます。 さて、私の運営する教室でも4月より新しく いくつかの講座をスタートしました。 去年まではリクエストが多かった作文の書き方指導をメインに していましたが、会話レッスンに加えて 読解の内容のリクエストが増えてきましたので 個人レッスンで少しずつお応えするようにしております。 といっても、相変わらずアウトプットやインタラクションに 主眼を置いている姿勢は変わらないので、アウトプットを 前提とした効果的なインプットについて試行錯誤しています。 この春に新しく受け入れたのが TOPIK3ー4級レベルの方が、もう少し レベルアップのために語彙を増やしたいが どうしてもひとりでは覚えきれない、というケースです。 ちなみに、全員遠方のためオンライン受講です。 うちの教室に来てくださる受講生さんは ほとんど社会人、成人学習者です。 社会人学習者は、必修科目として韓国語を学んでいる学生達と違って 強制力もなく、仕事や家事育児介護を抱えながら 趣味で学んでいらっしゃる方がほとんどです。 もちろん、ときどきは検定試験で実力の確認もしたいものの あまり難しいものに取り組むのは負担が大きい。 でも、少しずつでもレベルアップしたいのが人情というものです。 そこで、初中級の方については、ご自分の身の回りより少し幅広い話題にも目を向けてもらえるような教材を準備しました。 韓国社会背景を反映したものであれば、なおいいと思いますし そのジャンルそのものに興味を持ってもらえるように 働きかけるようにしたところ、今までハードルの高かった 難しい単語が入ってきやすくなった、と 喜んでもらえるようになりました。 あとは単語の成り立ちごとに整理、分類して説明すると 記憶に残りやすいですね。 インプットといっても、最終的に定着するまで反復練習を するかどうかは、学習者さんにかかっているわけですので 講師の仕事は、いかに単語や表現練習に取りかかる 心理的なハードルを下げることができるのか、という ことなのかもしれないと感じるようになりました。 この読解の内容を上手に作文や会話につなげていくには どのように授業をデザインしたらいいか、今も研究中です。 これからも学んだ韓国語で発信できる方を 少しでも増やしていけるよう、私も気持ちも新たに オンラインとオフラインをブレンドしながら工夫を 重ねていきたいと思います。 この週末は初夏の気候のようです。 […]

通信261 学習者の不安感 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第261号 (2018年2月28日発行) 学習者の不安感 吉川寿子 よしかわ語学院・大阪 ———- 平昌冬季オリンピックも閉幕し、次はパラリンピックですね。 オリンピックの前から韓国が毎日テレビに映って、韓国ならではのいろんな複雑な事情も同時に映し出されました。 良くも悪くも韓国、朝鮮半島に関心が集まることは、意義のあることではないかと感じます。 さて、先日うちの教室に、オリンピック観戦のために、久しぶりに韓国へ行く方が、しばらくお休みしていた韓国語の短期集中レッスンを申し込まれました。 ちょうど旅行会話、発音に焦点を当てた教材を2年がかりで仕上げたところだったので、それを使いながら、会話といえば必須の技術である、社会的ストラテジーや 情意的ストラテジー も踏まえながら、レッスンを行いました。 先生方はご存じと思いますが、社会的ストラテジーとは、一度で理解できなかった事柄をもう一度言い直してもらう、別の言い方で言ってもらう等のテクニックです。 情意的ストラテジー とは、あなたの言うことを受け入れますよ、という態度やあいづち等を入れていくことで、やりとりがスムーズに進む効果があります。 短期集中ではありますが、録音等の宿題も出して、少しスパルタでしたが、受講生さんはレッスンに熱心に取り組んでくださいました。 男子フィギュアのフリーというプラチナチケットの試合を観戦されて、楽しそうに帰国されましたので、私も嬉しかったです。 ほかにも、今年に入ってから新しい受講生さんに会話レッスンや作文レッスンを行っています。 ありがたいことに、こちらが出した課題にプラスして書いた文章を楽しそうに出してくださる受講生さんが多いことが、とてもうれしく感じます。 TOPIK5級レベルで意見文もおおまか書けるのにしゃべれない!と悩んでいる方がいらしたので、詳しく話を聞いてみると、みなさんいろんな不安感をお持ちなのだなと感じます。 不安感の低減こそがアウトプットを伴うレッスンのカギだと思います。去年からはアウトプットだけでなく効果的なインプットを伴ったインタラクション(相互交流)効果で定着が進むように、あれこれ悩みながら進めております。 会話も作文もどちらも予想不可能な展開を含んでいるので、なかなかノンネイティブ講師が踏み出しにくい領域ではあります。 しかしながら、個人的に韓国語で発信できる方を増やすことで、受け身ではない日韓交流が進むことを目標としていますので ネイティブスピーカーの先生と協力しながら少しずつ精進していきたいです。 また、会話レッスンで学習者どうしの勉強会を企画し始めた方ともお会いしました。 せっかく集まっても、疑問点を調べるのに時間がかかってしまって、しかもそれが本当に合っているかどうか不安ということでした。 最近は学習者さんのレベルも高くて講師との違いについて悩むこともしばしばですが 、何かそういった勉強会に講師がお手伝いできる機会や方法があれば、お互いにとっていいのではと感じています。 明日から3月です。長くて寒かった気候もようやく緩んできました。 先生方も新学期、新年度へ向けてお忙しくなられると思いますが、ご自愛ください(*^-^)

通信253 日本語訛りの韓国語 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第253号 (2017年12月4日発行) 日本語訛りの韓国語 吉川寿子 アンニョハセヨ? 師走に突入しましたね!昨日大掃除をスタートして 窓ガラスをキレイにしたら、さっそく雨の大阪よりお届けいたします。 先々週から、ネイティブスピーカーには伝わらないけど 外国人同士では通じ合う言葉について、盛り上がっていますね。 話者の母語が第二言語に干渉するのは、逃れられない事実ですが そこを意識して克服しようという意識を持つかどうかが分かれ目かと思われます。 かくいう私も、子供の頃に民族学校を中退してから 10年近くたってから韓国からの留学生にお願いして身につけた 日本訛りの韓国語で、日韓通訳学校で音読したところ ネイティブスピーカーの講師に 「その変なイントネーションで読むの、やめてください」と お腹を抱えて爆笑されてから、もともと口数少ないのに 更に寡黙になっていった経験があります。 ちなみに、どう矯正すればいいかのアドバイスはありませんでした。 かれこれ20年近く前の話ですけど、無駄に記憶力がいいので 今も根にもっています(笑) いろんな事情で、韓国に長期で留学したこともなく 周囲にネイティブスピーカーの方がいなかったので、日本訛りになるしかない 状況でしたが、当時はまだ、外国語としての韓国語教育が 今ほど普及していなかったことを思うと、いたしかたなかったのかもしれません。 当時は自分が韓国語講師になるとは、まったく想像もしていませんでしたけど 教え始めてからも、しばらく「変なイントネーション」コンプレックスに 苦しみました。とはいえ、発音指導のためにお気に入りの朗読CDを 暗唱するほど聴き込んだり、イントネーション指導の教本で練習を重ねるうちに 徐々に韓国語っぽくなりました。 この話を、今も個人指導をお願いしているキムテウン先生に相談したところ それはインド訛りの英語と一緒だ、韓国語の方言の一種だと考えればいい、と 言われて目からウロコでした。 ちなみにキムテウン先生はアメリカで英語と韓国語を教えながら 第二言語教育を研究されています。韓国語だって、地方によって色々ある。 ソウル言葉以外は韓国語ではない、というのもおかしな話だ、との指摘でした。 たしかに、関西弁は日本語ではない、と言われたら暴動が起きそうです。 少し脱線してしまいましたが、先週宮本先生が書かれていた 完全に金沢イントネーションの韓国語も、問題は韓国で通じるかどうかだと思います。 会話は前後があるので、よほどややこしい話でなければ通じるとは思いますが 聞き手が外国人の話す韓国語を聞き慣れた方でなければ、昔の私のような 体験をされないか心配になります。 でも、それもご本人が必要を感じてからでもいいのかもしれませんね。  余談ですが、あれからいろんな経験を積んで、イントネーションコンプレックスは 解消されましたので、最近会話レッスンを始めました。 普段韓国語で話し慣れていない方を対象にしていますが、ドラマをよくご覧のせいか 皆さん、自然なイントネーションでお話しされることにちょっとビックリです。 しつこく根にもってましたが、あの通訳学校での経験が、後に 必死で発音やイントネーション練習するきっかけになったことを思うと 今となっては当時の講師の方に感謝しております。 楽しい授業を目指しますが、優しいだけの講師にはならないように 気をつけたいと思います。

通信251-300 [17年11月-19年6月]

251. 「聞き取る」ということ  寄田晴代 2017.11.20 252. 私の韓国語講師奮闘記16: 先週の通信を読んで思わず笑ってしまった  宮本千恵美  2017.11.27 253. 日本語訛りの韓国語  吉川寿子  2017.12.04 254. 言語干渉  伊藤耕一  2017.12.11 255. 韓国訪日学生団と市民の交流会  阪堂千津子  2017.12.20 256. 次のスピーチコンテストのヒント  前田真彦  2017.12.25 257. スピーチ大会の評価ポイントや講評  幡野泉  2018.01.08 258. Windows10新機能でSkypeレッスン   金英う  2018.01.29 259. 「学習者に伝える」ということ  寄田晴代 2018.02.05 260. 私の韓国語講師奮闘記17: 独りよがりな教え方  宮本千恵美  2018.02.12 261. 学習者の不安感   吉川寿子  2018.02.28 262. ピョンチャンオリンピック  伊藤耕一  2018.03.05 263. 大学生との交流会: 韓国語学習者の感想   阪堂千津子  2018.03.12 264. 講師研修のシステム確立が大事 前田真彦  2018.03.20 265. AIの発達に備えつつも、変わらない地道な努力 幡野泉  2018.03.27 266. 翻訳講座で学んでみた 寄田晴代  2018.04.13 267. 私の韓国語講師奮闘記18: 独りよがりな教え方2  宮本千恵美  2018.04.16 268. 成人学習者の効果的なインプット 吉川寿子  2018.04.26 […]

通信246 学んだ言葉を活用すること 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第246号 (2017年9月25日発行) 学んだ言葉を活用すること 吉川寿子 —– アンニョハセヨ? 早いもので、今年も残すところ100日を切りましたね。 前回のの宮本先生の書かれた通信の中で 「言葉は相手に通じなくては意味がない」 「学んだ韓国語を活用できる機会」や 「間違いを恥ずかしがって話せない学習者」についての内容がありましたので、個人的に授業をしながら感じたことを書いてみます。 私も個人で教室を10年以上やってきて、いろんな学習者さんと出会いました。 学習動機は、本当に人それぞれですし、中上級者が増えるにつれてどんどんと要求度も上がってきています。 うちの教室は大阪という土地柄か、物おじしない積極的な方が多いですが 「韓国語で話したいけど話せない」方も、もちろんいらっしゃいます。 前回の通信で宮本先生が生徒さんに、民団のお祭り等でせっかく韓国の方がいらっしゃるんだから何か話しかけてみたら、と 促してもなぜ話しかけられないのかと書かれていました。 その理由を分析すると、下記2つが大きなハードルなのだと感じます。 1.間違えることが怖い 2.何を話しかけたらいいのか、わからない 1の間違えることが怖いの正体は 通じない、笑われる、馬鹿にされる恐怖ですね。 講師は学習者のミステイクを嘲笑ってはいけないのだと肝に銘じておりますが、併せて、母国語と同じレベルで表現できるわけはないのだから、言いたい内容のハードルを下げることを提案しています。 伝えたい内容の本質を考える。つまり、何が言いたいのか、そこを踏まえたシンプルな表現からでいいと伝えること。 結論から伝えるなど、シンプルな内容でも しっかりと伝わる経験を積んでから表現を増やしていけばいいということを伝えるだけでも、ぐっと発話は増えるように思います。 言葉を学ぶ動機は、学んだ言葉が通じた時の喜びというシンプルなところから発しているケースが多いので、そのあたりを大切にしていきたいと思っています。 2の何を話題に話しかけていいかわからないについては相手の持ち物や服装から話題を探してみる、出身地を聞いてみるなど 韓国語とは関係ないですが、相手に関心を持つことから始めてみてはどうかと提案してはいかがでしょうか。 私自身も韓国へ旅行した際、日本語の書かれたものを持っていると、それを糸口に日本語を勉強している韓国の方からよく声を掛けられて親切にしてもらっていて、とてもありがたいです。 少し話は飛びますが、今までいろんな授業リクエストの中で大学のAO入試や大学生の交換留学選抜試験の面接対策をしたことがあります。 面接試験、というともちろん緊張しますが 「会話レッスン」の延長線上に捉えて、録音を交えての発音指導と答えるべき内容の準備、アイコンタクト、受け答えに必要な練習を重ねた結果、それぞれ別の生徒さんでしたが見事に合格された時は本当にうれしかったです。 高校生、大学生さんたちは必修科目等の外的動機が大きいですが、市民講座を受講される社会人学習者さんは、個々の内的動機によります。 そのリクエストにこたえているうちにレッスンメニューが増えたり使うツールが増えています。 現在は、複数の方にご依頼いただいて通訳案内士の面接対策準備をしています。私自身が合格したのはかれこれ20年前なので、当時と仕組みが大きく変わっていますが 勉強した言葉を活用、パフォーマンスしていく能力を問われる試験です。 学習者さんの実力を十分に引き出せるよう、私も一緒に楽しみながら伴走していきたいです。 教室の生徒さんが最高のスパルタ教師である、と感じながら講師業を続けています。

通信238 アジア・ブックマーケット 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第238号 (2017年7月27日発行) アジア・ブックマーケット 吉川寿子 ———- 梅雨明けでいよいよ全国的に夏本番ですね。 高校や大学で教えていらっしゃる先生方も夏休みを迎えられたことと思います。 我が家では小学校6年生になる息子の通知簿を、どっちに似たんだろう??と夫婦で責任転嫁し合いながらの夏休みスタートとなっております。夏休みは家族で過ごす時間も増えますので、先日参加した家族で参加できる楽しいイベントのことを書こうと思います。 5月末、大阪の北加賀屋という場所で「アジア・ブックマーケット」というイベントが開催されました。このイベントは日本、韓国、台湾、香港の独立書店さん(例えば教保文庫などの大手書店ではなく、個人で運営しながら出版も行い、本に関する多様な文化イベントを行っている書店)が集まって、国ごとにブースを区切ることなくそれぞれの作品を展示販売するというイベントでした。 日本では東京神保町で出版社も兼ねて運営されている チェッコリさんをイメージしていただければわかりやすいと思います。 ブックフェアといえば、東京やソウルでも行われていますが、このようにアジアの国が集まって、しかも垣根なくパワフルに同居しているイベントというのは、例がなかったらしく、若いクリエイターの熱気あふれるイベントとなりました。 もちろん、ただ席を同じくするだけでなく、お互いのよさを尊重しながら連携することで、文化的に相互交流しつつ発展していく道を今後模索してこうという目標を掲げて、初回を終えました。 出版経験もない私ですが、ありがたいことにこのイベントで韓国語の通訳を探しているという依頼をチェッコリさんから頂きましたので、イベントの前夜祭も含めて3日間、韓国からのゲストスピーカーの方が出席する座談会の通訳として参加しました。 恥ずかしながら、私も今回の通訳のお仕事を通じて初めて知ったのですが、ソウルでは出版不況からこのような独立書店がとても増えていること、独立書店ごとにそれぞれカラーを出しながら共存していこうとしていること、日本の出版業界も似たような傾向が見られるので、ゆくゆく韓国型のモデルを辿ることになるのではないか、というお話が興味深かったです。 イベントでは、独立書店や出版物の話はもちろんですが、書店めぐりをメインにした個人旅行プラン等も楽しく紹介されていて、参加者にとても好評でした。個人的には絵本など、これ素敵だなと手に取った本の著者の方が売り場にいらしたので、直接お話できたり写真を一緒に撮ってもらえたのが楽しかったです。 ここ数年、渡韓する日本人観光客が減少していますが、ドラマのロケ地巡りだけでなく、書店を中心としたソウルツアー等も企画、提案する本なども出版されていますので、韓国語学習者にはまた新しい楽しみ方として提案してもいいのかもしれないと感じました。 ハンガンネットには、韓国語教育のパイを広げるという役割もあるので、それをどう実践していくか模索しているところではありますが、韓国語を学習しているからこそ楽しめる書店巡りツアーの提案や、訳してみたい本に出会えたり、作者さんと触れ合える機会を作るというのも、学習モチベーション向上に効果があるのではないかと思います。 加えて、日中韓3か国のブースをウロウロしていて個人的に感じたことは、韓国書籍の装丁のレベルの高さでした。装丁がよければ手に取ってもらえる確率が確実に上がりますし、そこに興味深い内容があれば、その内容を読みたくなります。 韓国語は日本語よりも接続や語尾表現が豊かなので、子ども向けの絵本といえども中級文法が必要になりますので、学習欲も上がるのではないでしょうか。韓国語の原書が身近にあれば、翻訳したい学習者も増える気がしますし、より深い交流や相互理解につながると感じます。 ちなみに、このイベントはブックマーケット以外にも家族で楽しめるお祭りのようになっていて、カレーの出店や似顔絵屋さん等もあり、最後までとても賑わっていました。今年は初回であり、私も要領を得なかったのですが、来年以降も大阪で開催されるようでしたら、もっと事前にお知らせしたいと思います。 では、暑さ厳しき折ではございますが、会員の先生方も楽しい夏をお過ごしくださいませ。

通信226 ハンセミ大阪:力の付く作文授業

【週刊ハンガンネット通信】第226号(2017年4月14日発行) ハンセミ大阪;力の付く作文授業 よしかわ語学院 吉川寿子 ————— 3月末に行われたハンガンネットセミナー大阪のレポートをお届けいたします。 テーマは「力のつく作文授業」です。 今回のセミナーは基礎力をつけるための作文の模擬授業と指導のポイントに対する話題提供の二本立てでお届けしました。 なお、大阪ではハンガンネットセミナー(ハンセミ)と教室運営者の懇談会の(ハンコン)の二部構成が通例です。 セミナー2本と質疑応答で3時間、ハンコンで2時間と途中休憩もはさみつつの合計5時間の長丁場で、ご都合つく方はその後の食事会まで最大7時間お付き合いいただきました。 年度末のお忙しい中をありがとうございました。 今回は 大阪でハンガンネット発起人、世話人を務めてくださっています前田真彦先生率いるミレ韓国語学院のエース、飯田華子先生による模擬授業からのスタートです。 とてもフレッシュな魅力あふれる先生でした。 普通、作文の授業といえば、原稿用紙や下線が引かれたプリントなどを連想しますが 配られたレジュメは、かわいらしいイラストの入った4コマ漫画でした。 この4コマ漫画の吹き出しに入るセリフをみんなで考える作文の模擬授業でした。 このような4コマ漫画の利用は、韓国語教育の現場では新鮮ですが、日本語教育ではポピュラーなやり方だそうです。会話レッスン等で多く採用されているそうです。 だいたい作文の授業で困ることといえば 何を書いたらいいのか思い浮かばずに、シーンとなってしまうことですよね。 でも、この4コマ漫画なら、年齢層を問わずにクスッと笑いながら取り組めますし 細かく状況を説明しなくても、情報を共有できるので負担なく取り組めます。 アウトプットさせる授業は、学習者の心理ハードルを下げるのが必須要素ですので、作文の授業案としては斬新な印象を持ちますが、グループワークはそれぞれとても盛り上がりました。 模擬授業は授業の趣旨説明の後、下記の段取りで進行されました。 参加者全体を3つのグループに分けて4コマ全体のセリフを考えて、全体に発表して共有 特定の1コマについて、今度はペアワークで考えて、全体に発表して共有 今回は進行スケジュール上、ここまでの模擬授業となりました。 その後は、学習者から何も意見が出なかった場合の対処法や、これを宿題に持っていくにはどうしたらいいか、必要な文型や文法事項の効果的な提示方法など、参加者の先生方との意見交換となりました。私もとても勉強になりました!ありがとうございます 引き続き、世話人の伊藤耕一先生による発表と話題提供です。 身近で一見簡単そうなんだけど、日本語から直訳しにくい韓国語というテーマで準備してくださいました。 事前に世話人の先生方で協力してレジュメを準備しておいた上で 事前に宿題を出しておいて、当日は参加者の先生に指名して書いていただく、というスタイルで行われました。 宿題を板書されている間が何ともはや緊張感あふれるひととき…とならないように 歌の上手な先生に何曲か歌っていただく一コマもありました。 和やかなシンキングタイムをありがとうございました それにしても、さすがに先生方、しっかりと宿題をしてこられてさすが!でした。 日本語と韓国語の感覚の違い、ふだん漠然と使っている日本語、実はこっちが正確ではないのではないか、という視点などなど。 韓国語に直訳できない文章をどう捉えるか、整理しながら提案してもらう、有意義な事例発表となりました。ありがとうございます! その後も作文授業についての意見交換の話し合いの後は続きました。 学習者だけでなく講師側にも心理的な負担の大きいのが作文授業ではありますが、気楽な話題から少しずつ取り入れていくのが大切ではないでしょうかという話でいったん締めくくられました。 さて、すでに開始から3時間以上経っておりますが、お次は全員がゆるく輪になって、ハンコンです。 今回は初参加の方が大半でしたので、自己紹介をしながら授業の悩みや嬉しかったこと、オススメの参考書、韓国語講師として生き残っていく道、韓国語教育やボランティアなど多岐に渡って、話し合いました。 学習者の方にも参加いただいていましたので、いろんな視点での考え方を聴けて、とても参考になりました。 その後は、会場付近で調達したお料理を持ち込んで、ざっくばらんにあれこれ親睦を深めるトークタイムもありました。 プライベートな話題、今後どうやって韓国語教育を盛り上げていくか、冗談まじりの話題のほか、TOPIK話などにも及びました。その中で私の作文メール講座をミレの先生も読んでくださって、とても役に立ちましたとのうれしいお話もありました。 もうすくTOPIK試験もありますし、講師も学習者のひとりとして学びながら、今までよりもいい授業をしていきたいと思っています。 とても熱心な先生方、教えることを視野に入れた学習者さんとの充実したひと時となりました。皆様、ありがとうございます! 私もこれからも、よりよい授業のために学んでいこうと思っております。 この大阪ハンセミ、ハンコンで2016年度の予定は終了いたしました。 2017年度もハンガンネットをよろしくお願いいたします。