通信300 私の韓国語講師奮闘記23:  早く会話したい! 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第300号 (2019年6月3日発行) 私の韓国語講師・奮闘記23 「早く会話したい!」 宮本千恵美 ============ 最近感じること・・・春や秋がないような、直ぐに夏になったようなそんな毎日、皆様、元気でお過ごしでしょうか? 300号を書かせていただきとても光栄に思っております! この記事を書いている前日、春季ハングル検定を私の生徒達も何名か受けに行きました。 私も10年くらい前ですか? 初めてハングル検定を受けに富山まで行った事を思い出します。 昨年から改定された試験とは違い、当時は前半の60分が筆記、休憩30分を挟んで後半30分の聞き取り、この休憩時間がとても長く感じたことを覚えています。 その休憩時間のこと、制服を着た高校生らしき2人組がこう話しているのです。 「5級なんて落ちる人いる?」 「普通落ちないよね!」 ほうほう・・・私は当時4級を受けていましたから、5級ってそんなに落ちたら恥ずかしいレベルなのかと思いながら聞き耳を立てていました。 試験会場だった富山県立伏木高校は、門に日本語の高校名と共にロシア語や韓国語が書かれており国際交流や研修などを盛んに行っているせいか、どうもその高校の生徒達が受けている模様。 そんな当時のことを思い出しながら、今回私の生徒達は5級を受けているわけで・・・。 私自身も5級の過去問や対策本を買い生徒にテスト対策をしたのですが、5級は決して簡単ではないことを教えながら改めて感じました。 5級のレベルと言えば1時間の授業を40回=40時間受けている(月4回の授業で10ヶ月程度)、単語数が約480個、基本的な表現や挨拶、相槌などが分かる、など大体の目安を見ると、決して簡単とは言い切れません。 今まで韓国語に接したことのなかった生徒達が、韓国語を1から勉強し受けるわけですから、まず緊張します。 また聞き取りなどは教科書とは全く違いランダムに出題されるわけなので、今までの聞き取り練習が生かされるかどうかなのです。 さて結果はどうなったのか、今からドキドキしながらでも楽しみでもあります。 やはり受かったときはどんなに嬉しいか分かりません。 今回試験を受けた生徒達のクラスはスムーズに授業進行でき、上達の早いクラスです。 平均年齢が20~30歳なので、とても若いのも勉強する上では勿論プラス面ではありますし、生徒達の仲もとても良いです。 しかしながらそのようなクラスだけではないのは、他の講師の先生方も経験済みと思います。 あるクラスは年齢差があるクラスで、若年層は20代なのですが、60~70代の生徒と一緒に学習しています。 若年層はどちらかと言えば、教えられたことをそのままこなす・・・と言うよりも、教えられたことがスーッと頭に入っていく感じですが、やはり高齢になると覚えることに対してもとても時間がかかります。 それは仕方ないと講師側も生徒側も暗黙の了解で進行していました。 ある日、音の変化の勉強中のことです。 その年配の生徒が小さな声でポツリと、 「何でこんなことしなくちゃいけないの?」 と言った言葉が耳に入ってきてしまいました。 その生徒は会話がしたいとの目標があるので、そう思う気持ちは重々理解できます。 私の教室は初級でするべき音の変化や不規則動詞を早めに教え、どんな文章も自分で読めるようにをモットーに教えています。 文章ごとに音の変化を教えていては時間も余計にかかってしまいますし、自分で考え身に付けることができなくなってしまうと思うからです。 最近の独学者の悩みが、この音の変化と不規則動詞を個人学習では理解できないとの意見が多いので、やはりそこはしっかり教えるべきだと思います。 だからでしょうか、早く会話したい生徒にとってはその授業が面白くないのでしょう。 早く会話したいのに、そんなことばかりしていては・・・と思うのも当然なのですが、決して会話をしないわけではありません。 挨拶から基本的な会話を毎回行っていますし、その課題ごとに習う例文なり宿題なりを発する授業を行ってはいますが、会話をしたいと希望する生徒の多数は、勉強すればすぐにでも話せるようになると誤解することがよくあり、授業で話す会話を会話と感じていないのでしょう。 昔お恥ずかしながらイーオンに通い英語を勉強した経験があり、そこで日本人スタッフが話した台詞がまさに私が思ったことと同じでした。 「語学の学校に来れば直ぐに話せると思われがちだけど、言語学習は積み重ねるしか上達する術がありません。」 つまり階段の段を飛ばして上るようなそんな近道がない、それが外国語を学ぶことーなのです。 まずはその勘違いを正すことからしていかないと、生徒達は勘違いしながら、近道があると思いながら身の入らない勉強を続けてしまうのです。 と言っても年配の方はそれを何度説明しても、気持ちが焦るのでしょう、授業に集中していない感が否めません。 しかし近道のない語学の道、私は粘り強く各々の項目の重要性を説き続けています。 私の教室に熱心に通っている姿を見ると、何とか上達させてあげたいと日々奮闘しております!

通信294 私の韓国語講師奮闘記22: ハンガンネットセミナーに参加してみた 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第294号 (2019年2月13日発行) 私の韓国語講師・奮闘記22「ハンガンネットセミナー&懇談会 in大阪」に参加してみた 宮本千恵美 =============== 今年の冬ははっきりしない天候、そんな感じを受けます。 北陸にもようやく雪が降りましたが、前年のように積もることも殆どなく春を迎えるようです。 雪が少しちらつく2月11日(月)の祝日、大阪で「ハンガンネットセミナー&懇談会」が開催されました。 今回も昨年9月、長野でのセミナーのように「ライブ授業」を見学することもできました。 普段、他の先生方の授業を見学する機会はさほど多くないのではないでしょうか? 特に今回の目玉である前田先生の「友達の話を聞いて内容を理解する」と言うライブ授業を見学したいと思い、参加を決意しました。 まず前田先生の考案された「4色ボールペン」で聞き取りをします。 そして後半で「ニュース原稿を動画で発表する」と言う授業に切り替わり、その聞き取った内容を自分の言葉でまとめ、2人ペアで原稿をニュース形式で読み、録画・放送すると言う、なんともスペクタクルな内容でした。 後半の授業はミレの講師・飯田華子先生が担当し、先生が交代することで少し学校のような気分にもなりました。 まずは前半の「4色ボールペン」を使い聞き取る・インプットの質を高める授業は、ミレの受講生の方々だからでしょうか? その集中力に驚きました。 よくあることですが、聞き取っているような思い込みで意外としっかり聞き取っていない単語や言い回しがたくさんあります。 うんうんと頷く生徒達に、 「本当に分かってますか?」 と聞くと、殆どの生徒は 「いいえ、よく分かりませんでした・・・。」 と答えることもよくあります。 日本人ならではと言いましょうか、分かったふりをする人が意外に多いのです。 しかしこの「4色ボールペン」の聞き取りは、まず誤魔化せません! そして何よりも実力が良く分かると思います。 最初は聞き取れることが少なく、ショックを受ける受講生もいるかもしれませんが、しっかり聞き取ると言うことは会話する上でとても重要なことです。 そして上達していく過程がペンの色で確認できるのは、とても分かりやすいと思います。 そして後半に繋がる授業では、聞き取った内容を発表する・アウトプットに移ります。 録画された自分の放送を観賞しながら、感心したり笑いが起きたりとても楽しい印象を受けました。 終わった後にペアーごとに対して感想を講師が話す際に、「上手にできたところ」をしっかり伝えているところは、自分の生徒に対する接し方を改めて考えさせられました。 ・・・私、ちゃんと生徒を評価しているかしら・・・? 自分に問いかけてみました。 勿論、直すべきところは注意しながらも、やはり良い点を見つけそこを伸ばすこと。 受講生の意欲向上には褒めることが最大の糧なのではないでしょうか? その後、授業に関しての意見交換の時間に移行し、講師陣だけでなく実際に参加した受講生役の方々も参加されたことで、講師側と受講生側の意見を聞くこともでき、とても有意義な時間だったと思います。 話し合いの中で講師陣は授業構成からの矛盾点や修正点、今後この授業を改善しどう活かしていくかなどの意見が飛び交う中、受講生からの意見は全く違っていて、「楽しかった」などの肯定的な意見が良く聞かれました。 受講生から聞く意見はとても重要な意見だと思います。 どんなに良い教授法でも、それが受講生側に伝わらなければ意味がありません。 しかしながら、一生懸命討論し、授業を作る講師陣に感心している受講生もいました。 最後に懇談会では、各教室の現状の報告、そして今後の展望に話し合いが飛躍していきます。 私自身も感じる受講生の変化とそれに合わせた今後の教室運営―今何が必要か考えざるえを得ません。 私は他の先生方と同じ意見で、学習する生徒数自体は減っていないと思うのです。 2017年から第3期韓流ブームが到来し、若い世代がそのブームに乗っています。 プリクラに今までは英語で名前やメッセージを、それが名前くらいはハングルで書くのがブームになっている、その若い世代も教室に通ってもらうにはどうしたらよいか? 高校でも大学でも韓国語の授業を受ける生徒が増えています。 私自身も韓国語の本を持っていたり、携帯電話をハングル表記にしているだけで若い人たちから声をかけられ、学びたいと話してきます。 ブームはまだまだ終わっていません! いろいろな先生方や各教室の意見や悩みや取り組みなども聞くことができ、また共有し協力し合えるセミナーの重要性を改めて感じた1日でした。

通信288 私の韓国語講師奮闘記21: 言語干渉について考えてみた 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第288号 (2018年12月3日発行) 私の韓国語講師奮闘記21: 言語干渉について考えてみた  宮本千恵美 ============= 12月に入ったものの、本来の冬が到来していない・・・まだ秋のような気配を感じております。 前号の寄田先生の記事を読み、自分も同じような体験や考えを書きたかったのですが、書き溜めていた記事を追記して書こうと思います。 以前、発音の記事を書いた際、ある先生の外来語の干渉を受けている現代の韓国語のことで、日本語でもその傾向が強く、本来持っているその言語の良さや美しさが失われているように感じます。 11月の後半にバルト3国に旅行に行きました。エストニア・ラトヴィア・リトアニア、この3国がバルト海に面していることからこう呼ばれています。 また3カ国どの国にも公用語があり、簡単な挨拶などはどれをとっても全く重なることなく独立しています。 ただエストニアはロシアに近いことから影響を強く受けており、ロシア語での呼び込みやロシアのお土産も多数売っていました。 3カ国とも英語も非常に通じるので便利ではあったものの、どのお店に行っても英語で同じことを言われるのです。 「Have a nice day!」私がアジア人で英語しか通じないことがわかっての挨拶ですが、そのときふとある本の一文を思い出しました。 ラジオなどやテレビなどで最後の挨拶に「良い週末をお過ごし下さい(Have a nice weekend)。」 この言葉、英語からの言語干渉がもたらした言葉だったという事実です。 週休5日制になった日本でも週末の過ごし方が大きく変化し、今まで日本人が言わなかったような週末の挨拶までもが欧米諸国の影響を受け、私たちが知らずに受け入れた言語変化なのだそうです。 どうしてこのように心に強く残ったのか、それは他国では英語で話してもこの挨拶をこんなに沢山言われた事がなかったからです。 と考えると、バルトの国々では英語と同じような習慣や言葉が存在するのか、または旅行者のための挨拶なのか、それはこの3カ国の言語を知らないと分からないことですが。 またその本には韓国での日本語の影響も書かれていました。日本語の言語干渉を食い止めるための言語政策がとられ、その結果韓国の町中の看板、商店の標示などはハングル一色のため、多少ハングルを読む必要性があるのだとか。 そしてまた言語干渉の一環の問題ではないかと思うのですが、日本語と韓国語が似ているばかりに、韓国語での日記を添削している際も、どうしても母語である日本語の影響は否めないところも多々あります。 例えば韓国人でさえもFacebookなどに「좋은 아침」など書いてあるのをよく見るようになりましたが、ある講習では連体形の苦手な韓国人ということを学び、実際は「아침이 참 좋다」のように動詞や形容詞で閉めるほうが韓国語らしい表現だそうです。 私と同じ韓国語を学習した知人はそのことを知らずに普通に「좋은아침」を使っていたと言い、それは知らなかったと言います。決して通じない表現でもないですし、それで通じればなんら問題がなかったからでしょう。 韓国語を勉強する日本語母語話者は、どの言語よりも自国の母語の干渉を強く受けやすいと思います。似ているからこそ、その微妙な違いを理解しがたいと思うのです。 しかしながら言葉は生き物、多様な言語政策がとられても干渉を受けることも多いですし、何よりも若い世代が新しい言葉を作り、それが当たり前のように使用されるのです。 干渉を食い止めることは難しいと思いますが、それでも私はその言語特有の独自性などは後世にも残していかなくてはいけないと思います。 「翻訳できない 世界の言葉」「翻訳できない 世界のことわざ」 創元社この2冊の本には諸外国の訳せない言葉が掲載され、韓国語や日本語も美しい挿絵に説明付きで紹介されています。 訳せないからこそ、その国の言葉ならではの表現をより濃く感じられる1冊だと思います。 韓国語講師になってからこのように諸外国の国の言葉にも興味を持つようになり、その違いや今回書き綴ったような言語干渉などにも私自身が干渉するようになっている今日この頃です。

通信282 私の韓国語講師奮闘記20: 英語不得意論 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第282号 (2018年9月10日発行) 私の韓国語講師・奮闘記20 「英語不得意論」 宮本千恵美 ———- 桁外れの今年の異常気象、とは言うものの、毎年気象の変化は深刻になってきております。 今回の大型台風や北海道を震源地とした地震で被災された方や親戚、友人の方々がいらっしゃる方々、 心よりお見舞い申し上げます。 新しい教室が始動し、生徒ともいろいろなお話をさせていただくようになりました。 韓国語を始めたきっかけから、好きな歌手やドラマの話、韓国旅行の話など、 私が韓国語講師だということで韓国に関するお話をしたいのだと感じます。 ある日、高校生の生徒が私に話をしてきました。 「高校に韓国語の授業があるなんて羨ましい!」 以前勤めていた高校には選択科目として韓国語と中国語があったので、 その話をしたところこのような反応が返ってきました。 私は続けて、英語は好きなのか聞いてみたところ、 英語が大嫌いで、できれば韓国語を学校で習いたかった、 受験科目だから仕方なく勉強しているだけ、だというのです。 私は語学自体に興味があるので、英語も勉強してみたいし、他の言語にも非常に興味があります。 他のクラスの生徒は、韓国語から語学に興味を持ち出し、可能なら次は中国語を勉強してみたいと言うのです。数年前は高校生だったので、英語はどうなのか聞いたところ、やはり英語は好きじゃないと言いました。 私が学生だった時代に比べれば初等教育で英語が学べるのに、 なぜこんなに英語を嫌う生徒が多いのかととても不思議でなりませんでした。 韓国語学習の前に英語を必ずといって良いほど学んでいるはずなのですが・・・。 ある朝、テレビ寺子屋という番組を偶然鑑賞しました。 内容は「考えすぎない英語勉強法」、講師は山形弁研究家(初めて知りました!)、ダニエル・カールさん。 以前は全国放送でも流暢な山形弁で話していた印象があります。 当時山形県に赴任したダニエルさんとある生徒の会話で、生徒から「猫は好きですか?」聞かれたそうです。ダニエルさんは「好きだけど、きみはどう?」と聞き返しました。 でもその生徒は何も答えようとしません。 なぜ答えないのか聞いたところ、 「猫は好きでも嫌いでもないから、英語でどう答えれば良いのか分からない・・・。」 と真面目に答えたそうです。 ダニエルさんはこのことも含めて、日本の英語教育は受験対策中心のためか完璧主義だと思ったそうです。 私も学習した学生だったので、確かに会話に使えない英語、 現地の人たちが使わないような英語をひたすら勉強していたように感じます。 使えない英語を学んでも確かに楽しいとは思えないと思います。 そのせいでしょうか、韓国語も同じような考えの下に学習している生徒が多いと感じます。 簡単に言えば、間違うことが嫌なのです。 例えがおかしくて申し訳ないのですが・・・、 最近のテレビ番組でカラオケの点数で歌の順位を決めている番組を目にします。 他にもピアノでも、ドラムでもそのような番組を目にしました。 でも、本当に歌が上手いと言うのは点数が高いからでしょうか? その歌い手の感情移入や表現、声色やアドリブ、 その魅力があることこそが歌手であって、点数で加算できないものだと思います。 語学も似たところがあって、日本人は完璧主義的な思考から、間違っては駄目だと思います。 そしてテストなどを受けて自分の実力を身に付けてこそ、「その言語ができる」と言えるのです。 だからと言って流暢に話せるとは限りませんし、テストの結果で実力のすべてを評価はできません。 間違ってもいいから話すことも勉強の1つなのですが、でも多くの日本人は完璧でないと納得しないのです。でもそれは英語を勉強していたときと何も変わってないのではないかと感じました。 (歌は感性で人の感じ方によって違うので、間違いを指摘できる語学とは違いますが・・・) ダニエルさんはこう言います。 「もっと楽しく考えすぎないで英語を話そう!」 韓国語もそんな風に学習して欲しいなぁと、最近しみじみ考えております。

2018年7月1日現在の通信のアクセス状況

2018年7月1日現在の通信のアクセス状況(ビューア数20以上)を集計しました。 通信no 通信タイトル 筆者 20180701 068 日本人が間違えやすい面白い韓国語 伊藤耕一                  1000 124 方言で韓国語訳を考える 伊藤耕一                    190 062 トイレの水にオタマジャクシ 伊藤耕一                    159 203 名古屋ハンセミ「会話レッスン」について考えよう 吉川寿子                    149 051 韓国語で話してみる 林鳩順                    135 161 作文指導: 量を豊富にし、書くスピードを上げるには? 幡野泉                    133 220 私の韓国語講師奮闘記12: 発音について考えてみた 宮本千恵美                    125 229 私の韓国語講師奮闘記13: 日本で韓国語(外国語)を学ぶ 宮本千恵美                    119 129 […]

通信275 私の韓国語講師奮闘記19: 第3期韓流ブーム 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第275号 (2018年6月22日発行) 私の韓国語講師・奮闘記19「第3期韓流ブーム」 宮本千恵美 ———- 関西方面ににいらっしゃる先生方、ご無事だったでしょうか? 余震などのご心配もあるとは思いますが、どうかご自愛くださいませm(__)m 先週の金英う先生の書かれた記事を読ませていただき、やはり全体的に状況は同じだと感じました。 新年度が始まり、4月よりは5,6月に始まるクラスが多いと感じています。特に文化センターや市民講座などは、新学期が始まった後に体験者や受講者が増える傾向にあるそうです。 私が受け持っている文化センターも5,6月開始の教室が多く、またその受講生の傾向も以前とはすっかり変わっています。 以前教室を始めた頃は、主婦層を中心とした受講者をはじめとして、社会人、60代後半の高齢の主婦層も多く、若くても20代の社会人、たまに珍しく学生がいたくらいでした。 現在の受講生の傾向は20代が特に多く、文化センターに高校生までもが通ってきます。30代の受講生が、自分はもう若くないと言ってしまう始末で・・・とにかく受講生の若年化を感じます。 以前は週1回の受講スタイルが一般的、お隣の韓国で日本語を学んでいる友人たちに関しては、週3‾4回通うのが普通です。 語学は毎日触れていないと上達しないと言うこちらの考えと受講者の思いは違い、がつがつした学習を望んでないように感じます。 韓国語の学習書籍も以前に比べ格段に種類も多く、また多様化した携帯アプリでの独学者も増えているようです。 インターネット上では韓国語に関して多くの動画や解説を検索でき、わざわざ教室に通わなくても・・・と言う学習者が増えているように感じます。 ワンコインレッスン(500円ですか?)なんて教室もあり、料金的にリーズナブルなものを求めれば、料金形態のしっかりした教室に通う生徒の減少は否めないかも知れません。 しかしながら、現在私の教室に通う生徒達には共通したものがあります。それは先ほど述べたような、独学での学習に行き詰まりを感じ教室に通うことを決めた生徒がとても多いことです。 また受講者減少に伴う教室減少の煽りを受け、教室難民になっている学習者もいました。 今のところ出戻り(以前学習してはいたが、様々な理由で辞めてしまったなど)する学習者はいませんが、韓流ブームが始まって10年は優に超え、諦めてしまった学習を再会しているとの話も入ってきます。 韓国語が日本語に似ているという理由で独学を始めてはみたものの、初級段階での文字の複雑さや、音の変化、不規則変化で躓き、やはり独学に限界を感じてしまうようです。 また間違っていてもそれを正す術もありません。そして何よりも似ているばかりに、些細な違いなどが分からないまま間違った表現などで覚えてしまうなどの問題もあります。 確かに以前と比べると教室に通う学習者は減少しているとは思いますが、やはり最後の砦は教室に通うことだと思うのです。 道に迷ってしまった学習者を救えるような、そして通うことに意義があるように指導していく必要性を感じます。 現在は生徒達と楽しんで学べる教室作りを心がけています。 1つ1つの教室の生徒数はまだ少ないですが、また増えていったら良いなぁと、学習指導案や教材を製作している毎日です。

通信267 私の韓国語講師奮闘記18: 独りよがりな教え方(2) 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第267号 (2018年4月16日発行) 私の韓国語講師奮闘記18: 独りよがりな教え方(2) 宮本千恵美 ———- 新年度が始まり、新しいクラスの開講を何クラスかもてそうな今日この頃です。嬉しい反面、不安もあります。 それは以前に掲載した「独りよがりの教え方になっていないか?」と言う自問自答についてです。 第264号の前田先生の記事を読ませていただき、共感しました!やはりそうですよね!教育技術の向上・・・とても大切なこと。 また大阪で開催されたハンセミでの阪堂先生の一文、 「とかく、自分の学んできた方法や授業styleに固執しがちですが、それで良いのか振り返ってみる必要がある」 私自身がすべてにおいて完璧を言うわけでもなく、まだまだ未熟なところも多々あり、さらなる向上のために勉強をしなければと思っております。 そのさなか、私が韓国語講師と話すと、他の教室に通っていると話してくる学習者とお話しする機会がよくありました。 同じ日本人だからなのか悩みを打ち明けてきてくれるのは有難いのですが、ただ聞くだけしかできません。 とてもやるせない気持ちになっていました。 周りの友人にこんな相談をされたんだ、私は同じ講師としてどうしたら良いのだろうと悩みを打ち明けたことも多々あります。 友人はどうしてその教室に通うのか?なぜその先生に分からないとか、不平不満をはっきり言わないのか? 私もそう思いながらも、その教室に通っていることを否定はできません。 それは学習者の選択なので強く言うこともできませんし、またそれは講師側の問題だけではないと思うのです。 まずは何より相性の問題なのではないかと思います。 何を学習したいか、どのように学習を進めたいか、その自分の目的に会っていない場合、学習は苦痛になっていくと思います。 勿論、語学は学ぶこと・勉強することなので、楽しいだけではなく難しいこともあります。 最近楽しく簡単に学びたいという意見もよく聞きます。 「勉強はちょっと・・・」(いやいや勉強なんですけど・・・) と言いながら、宿題もあまりしたくないなど・・・頭が痛くなる学習者がたまにいます。 それに講師にはっきり言えないということもよく耳にするので、お互いがどう思っているのか分からなくうやむやになってしまうこともあると思います。 さてどうしたものか・・・ ここ石川や、北陸地域にも講師研修や勉強会があれば良いのにと思いをはせながら前田先生の記事を読んでいました。 あ~いなか・・・ここが東京だったら、大阪だっら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・あっ!! なぜそう思わなかったのでしょう? 思っていたのですが・・・覚悟が足りなかったのかもしれません。 私も「メアリの会」に参加し勉強し、北陸地域で研修会や勉強会を設ければいい! こつこつ続ければ繋がっていくかもしれない、賛同してくれる先生も増えるかもしれない。 それが悩んでいる生徒さんを少しでも減らすことに繋がるのではと思ったのです。 とても単純で短絡的な考え方かもしれませんが・・・。 新年度が始まったばかり、スタートするには素晴らしく良い時期なのではないかと思っております!

通信260 私の韓国語講師奮闘記17: 独りよがりな教え方(1) 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第260号 (2018年2月12日発行) 私の韓国語講師・奮闘記17「独りよがりな教え方(1)」 宮本千恵美 ———- 私の住んでいる金沢は只今大雪で、交通機関がパンクしております。 また物資も届かなく、生活に支障をきたしています。 2月11日のハンガンネットに参加したく、ギリギリまで待ってみました。 それでも復旧が行き届かず、また日曜日の夕方から寒波が再到来するとの予報のため、金沢に帰ることができないかもしれないと懸念し断念しました。 とても残念です・・・例年以上の大寒波到来、皆様の地域ではどうだったでしょうか? 最近のことですが、地域の文化センターで講師を再開することになりました。 私自身、その文化センターで韓国語とスペイン語を学んだ経験があります。 私は韓国語の知識がほぼゼロの状態で通い始め、最初のうちは全く何をしているのか良くわからなかったです。 パッチムや音の変化、不規則変化など、とにかく先生の教えたことに着いて行く、そして学んだことをすぐに宿題として復習する。 その繰り返しだけ一生懸命取り組み、また毎回単語テストも受けていました。 韓国語に知識がないのですから最初からすべて理解できるわけでもなく、例えばパッチムのような聞きなれない言葉はその文字に慣れ、韓国語を理解するようになっていくと自然と理解できていきました。 そして先生の指示するとおりに学習を進めていくと、自然に力がついていくのも分かりました。 道筋のようなものがはっきりしているので、学びやすかったように思います。 なので留学に行っても、その学んだ基礎知識は大いに役立ちました。 しかしスペイン語に関してはそれが全く感じることができなかったです。 何をどう勉強して良いのか分からない、宿題をしていても何をしているのか分からない、それが何に繋がっていくのかも分からない。 その繰り返しでスペイン語学習が苦痛になり、学習する気持ちになれなかったのです。 そのときに感じた問題点を書き出すと、 ・ネイティブの講師だったが、十分な日本語の説明ができていなかった。 ・日本語が不足しているために生徒の質問にも答えることが十分にできていなかった=生徒側は理解できないまま次に進むしかない。 ・学習したことが理解できていないので次に繋げることもできず、また何を学習したのかもはっきり分からない。 ・英語ができる生徒は理解しやすいようで、たまに英語の説明が入る。しかし英語のできない生徒は混乱するだけ。 以前にもネイティブの講師と、そうでない講師の長所や短所をあげていた記事を読みましたが、私の考えは初級の段階ではやはり学習者の母語が必要だと感じるのです。 ネイティブから学ぶのが一番という考えにいきやすいと思いますし、私も以前はそう思っていました。 しかし自分自身が語学を学び教える立場になってからは、初級段階での学習者の母語の必要性を痛感するようになりました。 また先ほども書きました、何を学習しているのか分からない→次に繋げられないと言う悩み、実は私の現在の生徒さんの悩みと一緒だったのです。 その生徒さんは1年近く韓国語を学んできたのですが、今何を学んでいるのか分からないので次に繋げることもできないし、1年間何をしてきたのかさっぱりだと言うのです。 先週の寄田先生の記事で伝わってないと思うときがあるという文章を読み、伝わっていないままにして教え続けてはいないか、見直すことも必要なのではと感じました。 伝わっていない=独りよがりの教え方になっているのではないかと、自分自身にも問うときがあります。 私がハンセミなどの講習会がとても重要だと思うのは、このような悩みの解決に役立つと思ったからです。 教える側は自信を持って教えなければいけないと思う反面、その教え方が万人に伝わるとは限らないと思います。 いろいろな教授法を学ぶことで、自分の教え方にプラスになったりまた改善されたりするところもあると思います。 次こそはハンセミに参加したい! と、雪解けを待ちわびている今日この頃であります(でも冬と雪が好きなので、正直今冬はとても嬉しかったりもします^^)。

通信252 私の韓国語講師奮闘記16: 先週の通信を読んで思わず笑ってしまった 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第252号 (2017年11月27日発行) 私の韓国語講師・奮闘記16「先週の通信を読んで思わず笑ってしまった^^」 宮本千恵美 ———- 先週の寄田先生の通信を読みながら、自分自身も似たような経験があり、思わず笑ってしまった話をしたいと思います。 私は2010年の1月まで韓国・慶熙大学の語学堂に通い、帰国して約3ヵ月後に韓国語講師として働き始めました。 それから年に1,2度は訪韓し、語学堂で知り合った友人に逢いに行っていました。 日本以外の留学生の殆どは正規留学として改めて大学に入学する生徒も多く、韓国人の友人よりは他の国の友人と一緒に観光したりしていました。 今でも交流がある中国人の女友達は、世宗大学の大学院に進学し、彼女には韓国人の彼氏ができました。 2010年の秋、その女友達とその彼氏、そして私の韓国人の友人4人でカフェにいたときのことです。 私と中国人の女友達とは韓国語で話し、お互い女子なので会話も弾んでいました。 しかし彼女の彼氏、私の韓国人の友人がキョトンとしているのです。 そして、韓国人の友人がボソッと、 「2人で何を話しているのか(韓国語のはずなのに)全く分からない!」 ・・・なぜかこんな言葉はストレートの耳に届きます・・・ その後、彼氏が続けて、 「2人だけで通じる言葉なんじゃない?」 おぉ・・・それもよく聞こえてますよ・・・ 私達は韓国人には通じない韓国語で会話していました・・・。 寄田先生が書かれていた3つの推測、 1.実は互いに聞き取れない部分も多いが、適当に合わせて会話自体を楽しもうとしている。 2.付き合いが長いので、相手の言葉に慣れているから聞き取れる。 3.互いに親しみを感じているため、相手の言葉を理解したい気持ちがなせるワザ。 私たちの会話にはこの要素がすべて含まれていると思うのです。 韓国人が複数いる状況下の中で、私達は韓国語を普通に話していると思い込み、盛り上がっているのですから・・・なんとも不思議な絵図らだったでしょう・・・ 韓国に留学してそのレベル・・・顔から火が出るくらい恥ずかしかったです。 その1年後くらいでしょうか? 私は再び韓国を訪れ、その友人カップルに久しぶりに逢いました。 私達がいつもの通り、何気ない会話をしていたときのことです。 友人の彼氏がこう言いました。 「千恵美!韓国語がすごく上手になったね! 実は前に会ったときは、(自分の彼女と)2人で何を話しているのか全く分からなかったんだ(笑)」 ・・・友人は大笑いだし、私はまた顔から火が出るくらい恥ずかしくなって、穴があったら入りたいくらいでした・・・ その1年間、私は韓国語を教えるために、自然と発音や文法の矯正をしていたのだと思います。 今では笑い話ですが、当時は笑えなかったです。 本当に恥ずかしかったのを覚えています。 私が思うに、日本人だけだと日本語だけになり、語学留学を全うできないこともありますが、外国人の中に入ったとしても現地の言葉が上達しているかということは断言できません。 やはり現地の人と話すということが、言葉を学ぶ上で重要だと思うのです。 地元に帰ってきてからも、全く一緒というわけではありませんが、似たような事がありました。 上級者が集り、韓国語維持のために1週間に1度集まる会にも参加した経験があるのですが・・・ 不思議なほど韓国語に聞こえなかったのです。 単語は韓国語、でもイントネーションが金沢弁・・・あれ?何語を話しているの?一瞬分からなくなったことがありますし、正直聞き取れないことも多かったのです。 日本人だけで集まって会話するときに、イントネーションやアクセントは意識しないと、どうも方言の影響を受けてしまいがちな感じもします。 韓国語はこうだと思うばかりに、そう聞こえないとどうも耳が拒否反応を起こすこともあるようです。 また最近、若者世代から韓流ブームの波が押し寄せてきている兆しが見え、韓国語を勉強したい、韓国人の友人が欲しいとインターネットの募集を目にします。 文法は間違っていなくとも違和感のある言葉が多いので、韓国人なら普通はこう話すという言葉ももっとフランクに伝わったらと思います。 と言う自分も冒頭で書いたように、韓国人に通じない韓国語を話した人間の1人なので、失敗談も踏まえながら生徒に楽しく通じる韓国語を教えたいなと思う今日この頃であります。