通信252 私の韓国語講師奮闘記16: 先週の通信を読んで思わず笑ってしまった 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第252号 (2017年11月27日発行) 私の韓国語講師・奮闘記16「先週の通信を読んで思わず笑ってしまった^^」 宮本千恵美 ———- 先週の寄田先生の通信を読みながら、自分自身も似たような経験があり、思わず笑ってしまった話をしたいと思います。 私は2010年の1月まで韓国・慶熙大学の語学堂に通い、帰国して約3ヵ月後に韓国語講師として働き始めました。 それから年に1,2度は訪韓し、語学堂で知り合った友人に逢いに行っていました。 日本以外の留学生の殆どは正規留学として改めて大学に入学する生徒も多く、韓国人の友人よりは他の国の友人と一緒に観光したりしていました。 今でも交流がある中国人の女友達は、世宗大学の大学院に進学し、彼女には韓国人の彼氏ができました。 2010年の秋、その女友達とその彼氏、そして私の韓国人の友人4人でカフェにいたときのことです。 私と中国人の女友達とは韓国語で話し、お互い女子なので会話も弾んでいました。 しかし彼女の彼氏、私の韓国人の友人がキョトンとしているのです。 そして、韓国人の友人がボソッと、 「2人で何を話しているのか(韓国語のはずなのに)全く分からない!」 ・・・なぜかこんな言葉はストレートの耳に届きます・・・ その後、彼氏が続けて、 「2人だけで通じる言葉なんじゃない?」 おぉ・・・それもよく聞こえてますよ・・・ 私達は韓国人には通じない韓国語で会話していました・・・。 寄田先生が書かれていた3つの推測、 1.実は互いに聞き取れない部分も多いが、適当に合わせて会話自体を楽しもうとしている。 2.付き合いが長いので、相手の言葉に慣れているから聞き取れる。 3.互いに親しみを感じているため、相手の言葉を理解したい気持ちがなせるワザ。 私たちの会話にはこの要素がすべて含まれていると思うのです。 韓国人が複数いる状況下の中で、私達は韓国語を普通に話していると思い込み、盛り上がっているのですから・・・なんとも不思議な絵図らだったでしょう・・・ 韓国に留学してそのレベル・・・顔から火が出るくらい恥ずかしかったです。 その1年後くらいでしょうか? 私は再び韓国を訪れ、その友人カップルに久しぶりに逢いました。 私達がいつもの通り、何気ない会話をしていたときのことです。 友人の彼氏がこう言いました。 「千恵美!韓国語がすごく上手になったね! 実は前に会ったときは、(自分の彼女と)2人で何を話しているのか全く分からなかったんだ(笑)」 ・・・友人は大笑いだし、私はまた顔から火が出るくらい恥ずかしくなって、穴があったら入りたいくらいでした・・・ その1年間、私は韓国語を教えるために、自然と発音や文法の矯正をしていたのだと思います。 今では笑い話ですが、当時は笑えなかったです。 本当に恥ずかしかったのを覚えています。 私が思うに、日本人だけだと日本語だけになり、語学留学を全うできないこともありますが、外国人の中に入ったとしても現地の言葉が上達しているかということは断言できません。 やはり現地の人と話すということが、言葉を学ぶ上で重要だと思うのです。 地元に帰ってきてからも、全く一緒というわけではありませんが、似たような事がありました。 上級者が集り、韓国語維持のために1週間に1度集まる会にも参加した経験があるのですが・・・ 不思議なほど韓国語に聞こえなかったのです。 単語は韓国語、でもイントネーションが金沢弁・・・あれ?何語を話しているの?一瞬分からなくなったことがありますし、正直聞き取れないことも多かったのです。 日本人だけで集まって会話するときに、イントネーションやアクセントは意識しないと、どうも方言の影響を受けてしまいがちな感じもします。 韓国語はこうだと思うばかりに、そう聞こえないとどうも耳が拒否反応を起こすこともあるようです。 また最近、若者世代から韓流ブームの波が押し寄せてきている兆しが見え、韓国語を勉強したい、韓国人の友人が欲しいとインターネットの募集を目にします。 文法は間違っていなくとも違和感のある言葉が多いので、韓国人なら普通はこう話すという言葉ももっとフランクに伝わったらと思います。 と言う自分も冒頭で書いたように、韓国人に通じない韓国語を話した人間の1人なので、失敗談も踏まえながら生徒に楽しく通じる韓国語を教えたいなと思う今日この頃であります。

通信251-300 [17年11月-19年6月]

251. 「聞き取る」ということ  寄田晴代 2017.11.20 252. 私の韓国語講師奮闘記16: 先週の通信を読んで思わず笑ってしまった  宮本千恵美  2017.11.27 253. 日本語訛りの韓国語  吉川寿子  2017.12.04 254. 言語干渉  伊藤耕一  2017.12.11 255. 韓国訪日学生団と市民の交流会  阪堂千津子  2017.12.20 256. 次のスピーチコンテストのヒント  前田真彦  2017.12.25 257. スピーチ大会の評価ポイントや講評  幡野泉  2018.01.08 258. Windows10新機能でSkypeレッスン   金英う  2018.01.29 259. 「学習者に伝える」ということ  寄田晴代 2018.02.05 260. 私の韓国語講師奮闘記17: 独りよがりな教え方  宮本千恵美  2018.02.12 261. 学習者の不安感   吉川寿子  2018.02.28 262. ピョンチャンオリンピック  伊藤耕一  2018.03.05 263. 大学生との交流会: 韓国語学習者の感想   阪堂千津子  2018.03.12 264. 講師研修のシステム確立が大事 前田真彦  2018.03.20 265. AIの発達に備えつつも、変わらない地道な努力 幡野泉  2018.03.27 266. 翻訳講座で学んでみた 寄田晴代  2018.04.13 267. 私の韓国語講師奮闘記18: 独りよがりな教え方2  宮本千恵美  2018.04.16 268. 成人学習者の効果的なインプット 吉川寿子  2018.04.26 […]

通信246 学んだ言葉を活用すること 吉川寿子

【週刊ハンガンネット通信】第246号 (2017年9月25日発行) 学んだ言葉を活用すること 吉川寿子 —– アンニョハセヨ? 早いもので、今年も残すところ100日を切りましたね。 前回のの宮本先生の書かれた通信の中で 「言葉は相手に通じなくては意味がない」 「学んだ韓国語を活用できる機会」や 「間違いを恥ずかしがって話せない学習者」についての内容がありましたので、個人的に授業をしながら感じたことを書いてみます。 私も個人で教室を10年以上やってきて、いろんな学習者さんと出会いました。 学習動機は、本当に人それぞれですし、中上級者が増えるにつれてどんどんと要求度も上がってきています。 うちの教室は大阪という土地柄か、物おじしない積極的な方が多いですが 「韓国語で話したいけど話せない」方も、もちろんいらっしゃいます。 前回の通信で宮本先生が生徒さんに、民団のお祭り等でせっかく韓国の方がいらっしゃるんだから何か話しかけてみたら、と 促してもなぜ話しかけられないのかと書かれていました。 その理由を分析すると、下記2つが大きなハードルなのだと感じます。 1.間違えることが怖い 2.何を話しかけたらいいのか、わからない 1の間違えることが怖いの正体は 通じない、笑われる、馬鹿にされる恐怖ですね。 講師は学習者のミステイクを嘲笑ってはいけないのだと肝に銘じておりますが、併せて、母国語と同じレベルで表現できるわけはないのだから、言いたい内容のハードルを下げることを提案しています。 伝えたい内容の本質を考える。つまり、何が言いたいのか、そこを踏まえたシンプルな表現からでいいと伝えること。 結論から伝えるなど、シンプルな内容でも しっかりと伝わる経験を積んでから表現を増やしていけばいいということを伝えるだけでも、ぐっと発話は増えるように思います。 言葉を学ぶ動機は、学んだ言葉が通じた時の喜びというシンプルなところから発しているケースが多いので、そのあたりを大切にしていきたいと思っています。 2の何を話題に話しかけていいかわからないについては相手の持ち物や服装から話題を探してみる、出身地を聞いてみるなど 韓国語とは関係ないですが、相手に関心を持つことから始めてみてはどうかと提案してはいかがでしょうか。 私自身も韓国へ旅行した際、日本語の書かれたものを持っていると、それを糸口に日本語を勉強している韓国の方からよく声を掛けられて親切にしてもらっていて、とてもありがたいです。 少し話は飛びますが、今までいろんな授業リクエストの中で大学のAO入試や大学生の交換留学選抜試験の面接対策をしたことがあります。 面接試験、というともちろん緊張しますが 「会話レッスン」の延長線上に捉えて、録音を交えての発音指導と答えるべき内容の準備、アイコンタクト、受け答えに必要な練習を重ねた結果、それぞれ別の生徒さんでしたが見事に合格された時は本当にうれしかったです。 高校生、大学生さんたちは必修科目等の外的動機が大きいですが、市民講座を受講される社会人学習者さんは、個々の内的動機によります。 そのリクエストにこたえているうちにレッスンメニューが増えたり使うツールが増えています。 現在は、複数の方にご依頼いただいて通訳案内士の面接対策準備をしています。私自身が合格したのはかれこれ20年前なので、当時と仕組みが大きく変わっていますが 勉強した言葉を活用、パフォーマンスしていく能力を問われる試験です。 学習者さんの実力を十分に引き出せるよう、私も一緒に楽しみながら伴走していきたいです。 教室の生徒さんが最高のスパルタ教師である、と感じながら講師業を続けています。

通信245 私の韓国語講師奮闘記15: 学んだ韓国語を活用できている? 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第245号 (2017年9月18日発行) 私の韓国語講師奮闘記15: 学んだ韓国語を活用できている? 宮本千恵美 ======= 最近知り合いから韓国語を習っていると言う1人の生徒さんと知り合いました。 その生徒さんは60歳以上のお年でありながら、この年でこんなに語学にはまったとは自分でびっくりするくらいだと話しながら、自分がどれほどはまっているのかを私に話してくれました。 以前自分の生徒の中でも御歳70歳オーバーの方がいたぐらいなので、学習者の年齢の幅も広いと感じます。 その出会った生徒さんは、私と出会えたことを非常に喜んでいました。 何故かと言うと、それは韓国語を話せる相手ができたからだと言うのです。 教室の先生は韓国人講師らしいので正直申しますと、私よりはネイティブと話すチャンスがあるとは思うのですが、どうも授業の内容的なものが合っていないのか、何か未消化的な感覚がある様子。 何よりも話さないと上達しないと思っているらしく、使うことにとても渇望していました。 確かに教室だと他の生徒さんもいるので、自分だけが話し続けるのは難しいとも思います。 私自身も教えながらではありますが、ふと感じることがありました。 殆どの教室は週に1度通う程度で、日本で韓国語を使う頻度は皆無に等しい。 ドラマをたくさん観ているとしても、言葉のキャッチボールはできない。 言葉を使う環境とは程遠いのが今の日本の語学の現状ではないかと思うのです。 そして私自身も生徒達の学習意欲の向上の一環として、またレベルチェックとしてテストを進めてはいました。 しかし試験を重視しすぎて、本来語学を何のために学ぶのだろうかと思ってしまいます。 何のために語学を学ぶのかということに対しての答えは、人それぞれ思いや考えがあったとしても目的は1つなのではないかと思うのです。 「海外ドラマDVD英語学習法: 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」(著者: 南谷三世) この書籍の中に語学を学ぶ目的を明確に記してありました。 ―何より大事なのは、相手に通じる英語を使うことです。英語は日本語を理解しない人と意思の疎通を図るための道具なのですから、相手に通じなければ意味がないのです。― せっかく学んでいる語学を使うことができない・・・この生徒達の悩みに私も答えたいのですが、これは本当に難しい問題だと思います。 先日民団のお祭りに参加させていただいた際にも、生徒達に目の前に居る韓国の人たちに話しかけてみてはどうかと促しました。 しかし日本人特有の間違えたらどうしよう意識が働き、全く話せない・・・授業を活かす場があっても活かしきれていません。 生徒側の意識も変わらないと、学んだことを活かすことは難しいと感じました。 私は今は講師をお休みしておりますが、たまに学習者から悩みを聞くことがあります。 話したくても話せない、話すことが恥ずかしいなど、お悩みに対して先生方はどのように解答されているのかお聞きしてみたいです。

通信237 私の韓国語講師奮闘記14:講師のあり方(2) 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第237号 (2017年7月17日発行) 私の韓国語講師・奮闘記14:講師のあり方(2) 宮本千恵美 ———- 毎日茹だる様な暑さの中、皆様どうお過ごしでしょうか? 九州地方は壊滅的な被害を受けています・・・胸が痛くなる映像になんとも言えない気持ちになります。 この時期になると、台風やそれに伴う災害の恐れや、熱中症など体調不良などもありますので、皆様ご自愛下さい。 講師を離れてからも、私自身が韓国人ではない=韓国語が母国語ではないので、維持のために映画やドラマを鑑賞したり、SNSの日韓のコミュニティールームで交流したりしています。 最近、その中でも韓国語講師をしてます!と書かれている記事を目にします。 日本の方で韓国で活動されているとか、メディアにも取り上げられている、とにかくいろいろな活動をしていると。 同じ講師として興味があり、たまに流れてくる記事を読んでおりました。 私的に講師として大切なのは、真摯たる態度だと思っています。 派手に飾り立てることや過大に宣伝するよりも、教える内容のほうがもっと大切なのではと思うのです。 勿論、その講師の方も一生懸命なのかもしれませんが、私でも分かる位の文法の間違いや、その記事を見る韓国の人たちにさえ、 文法のミスや何を言いたいのか分からないと指摘されているなどを見ると、正直韓国語をもっときちんと学ぶべきなのでは?と思ってしまいます。 それは私がまだ講師を始めたときと同じで、自分も学習者だったから教えられるだろうと思ったのかもしれません。 また間違った韓国語を話していても、韓国でそれを指摘されてなかったら、それで大丈夫と思ってしまうのかもしれません。 私たちが外国の人たちが話す日本語が多少おかしいと思っても指摘しないように、これくらいのミスはあって当然と思ったり、相手に頼まれない限りいちいち直してあげようとは思わないはずです。 でもそれが仕事となればそう思っては駄目なはずで、韓国語をもっと多くの人に教えてあげたいと思うならば、真摯たる態度で自身がその言葉をもっと勉強すべきだと思うのです。 以前に発音のことで意義を呈したことがありますが、こればかりはやはり個人差がとも思ってしまいます。 また慶熙大学では上級まで学んだときに先生に、上級の文法になると教師の主観が入ってくるので、教え方も変わってくると言われたことがあります。 そのような意見の相違に関しては私自身の考え方や教え方と違ったとしても、1つの意見として受け止めたり飲み込めたりできるのですが、初歩的なミスは講師としてはどうなのか・・・?と・・・ またこれはよくお目にかかったことなのですが、スペルを間違って書く韓国人講師もたくさんいました。 日本人の生徒さんたちは優しいのか言えないのか、スペルミスを見つけても言わないし、言わないから相手の講師も分からない。 先生を傷つけるからと言いますが、それは違うと思います・・・でも日本人・・・間違っているとわかっていても言えないですよね。 私は自分の先生から、英語の単語をハングル表記するときは自分の思ったままに書いては駄目だと指摘され、注意をされる前からそれは実践していました。それが講師としての責任だと思っていたからです。 生徒からしてみればそれは当たり前のことだと思いますし、もし間違ったりしてもきちんと間違いを改める姿勢も必要だと思います。 また私のように日本人でありながら外国語講師をしていると、生徒の疑問すべてに対応できないときがあります(特に文化に対する質問など)。 「語学を学ぶということは、その国の文化を教えることだ」 この言葉を聴いたときにまさにそのとおりだと思いました。 なのでどうしても答えられないときは適当には答えず、生徒たちには必ず次回までに調べてきます!と返答します。 それがその言語に対する責任だと思っています。 以前に通訳案内士法の改正の記事を見たときも今回と似たような感情になりました。 画気的だと感じましたし、多くの人が挑戦しやすくなるとは思いましたが、あまりにも何でもかんでも承認してしまうことに懸念を感じてしまいます。 ただ規制をかけることなどが難しい問題だとも思っています。 簡単に自分の納得する答えが見つかる訳ではないのですが、何か改善できる方法とかないかと常に頭を回転させている毎日です。  

通信229 私の韓国語講師奮闘記13: 日本で韓国語(外国語)を学ぶ

【週刊ハンガンネット通信】第229号 (2017年5月1日発行) 私の韓国語講師奮闘記13: 日本で韓国語(外国語)を学ぶ 宮本千恵美 私が韓国語講師になり、生徒によく聞かれることは、どうしてそんなに韓国語ができるようになったかと言うことです。 生徒の前では早々に言えませんが、正直に話すと……やはり留学できたことが大きかったと思うのです。留学していれば、知らない間にその表現を使った会話をしたり、分からなくても自然と身に付いていく特長があります。 生活するうえで必要不可欠なので、無理にでも覚えていかなければいけない、学ぶより慣れると言った方が合っているかもしれません。しかし、自国で外国語を学ぶと言うことは制限もありますし、留学ほどの早急な上達は難しいです。 また私が思うに日本で教える場合、何よりも日本人の特色を知ることが大切だと思います。日本人は私も含めて完璧さを求めてしまう民族です。間違いを言うのことを嫌い、常に正解を求めています。 以前の記事でも書きましたが、発音1つにしても間違っていたらどうしようか、通じなかったらどうしようかと言う思いが先に来てしまうばかりに、会話をすることに躊躇し、聞き取り・読解・作文・語彙などよりも会話面が劣ってしまいます。 なので、留学中も一番話さないのが日本人だけど、テストの点が良いのも日本人と言うはっきりとした特色を示していました。 私は昨年漢陽大学の研修に参加し、そこで韓国語で教える授業というものに取り組みましたが、それでもここ日本では日本語の補足が必要と思うのです。 勿論、韓国語ですべてを教え、その授業にすべての生徒が賛同してくれるのは理想ではありますが、先ほども書いたように完璧を求める日本人は、日本語の説明を求めがちだと思うのです。 どうしてそうなるのか、どうして同じような表現なのに使い分けをしなければいけないのか、それを知りたがる生徒がとても多いです。そしてそれをしっかり説明することが習得に際しては早い効果をもたらすと思います。 曖昧な説明や言い方では頭に残らず、逆にずっとその表現なり文法なりが使えずに残っていくと思います。 また韓国語と日本語が語学の中でも一番似ている言語ということもあり、学習者を勘違いさせる要因の1つでもあると思います。最近ではメディアや書籍などで日本語表現的な韓国語という見出しをよく見かけます。 私自身SNSなどで日韓の交流ページに参加していますが、確かに文法的には間違ってはいないし通じる文章ではあっても、韓国では使わない表現をよく見かけます。 김현근先生の製作された動画で、その違いを韓国語側と日本語側で説明してもらえると分かりやすいと思いましたし、日本人が疑問に思う違いを学べると感じました。 これは私の韓国語学習経験からですが…… 韓国で友人と会った際に友人に言われた言葉です。 「언니는 항상 “하지만”을 많이 쓰잖아요. 근데 한국사람들은 “하지만”보다 “근데”를 많이 써요.」 それを日本にいた韓国人留学生にも言われたのですが、 「じゃあ、日本人は会話のときに“しかし”と言いますか? “하지만”は“しかし”と言うニュアンスがあります。“근데”は“でも”と言う感じなので、会話ではよく使いますよ」 なるほど!……それから“근데”を使うようになったのは言うまでもありません…… ———- 以前の発音の記事でたくさんの先生方から意見をいただき、びっくりしながらもすべてありがたく読ませていただきました。 これは私の見解なのですが、どの先生のご意見もすべて正しいと思います。なぜなら10人講師が居れば、教え方も10通りあると思います。 逆もしかりで10人生徒が居れば、10通りの思いがあると思います。ドラマを聞き取りたい、韓国の人と話してみたい、テストを受けたい、韓国語を理解したい、等々。 また語学の向き不向き、得意不得意分野も人それぞれで、その生徒すべてに合った学習法と言うのはたぶん1つでは足りないと思います。 そのご意見の中でも一番印象的だったのが、高麗先生のご意見でした。在日同胞の若い世代にしっかりとしたウリマルを教えたいと言う熱意と、ウリマルに対する尊厳……ため息です ……私自身日本語話者で、興ざめする最近の日本人の日本語に文句を言いたくなるので、日本人は外国語の勉強の前に日本語をしっかりしないとと思います…… 「disる」とか、今だに意味が分からず、テレビなどでも芸能人が平気で使っているので、同じ日本語でも字幕が必要だと思ってしまいます。 最近では日本の番組を韓国でどんな訳で字幕を作っているのか気になってチェックしているくらいです。

通信201-250 [16年9月-17年11月]

201  東京ハンセミの報告 伊藤耕一  2016.9.12 202  합창으로 단체 교류는 어떠세요? 金順玉  2016.9.19 203  名古屋ハンセミ「会話レッスン」について考えよう 吉川寿子  2016.9.26 204  韓国留学ショウケースに行ってきました 阪堂千津子  2016.10.10 205  タングニの韓国人生劇場 金玄謹  2016.10.17 206  スペインから”¡Hola!(やぁ!)” 宮本千恵美  2016.10.24 207  広島に勝って欲しい! 伊藤耕一  2016.10.31 208  聞き取りは受講生の状態が把握しにくい 前田真彦  2016.11.8 209  はっきり伝える 幡野泉  2016.11.14 210  想像の翼 김영우  2016.11.21 211  名古屋ハンセミ: 会話レッスンについて考えよう 吉川寿子  2016.12.2 212  スペインから・講師のあり方 宮本千恵美  2016.12.19 213  確定申告の準備を始めましょう 伊藤耕一  2016.12.26 214  근하신년 – 세미나에 참석해서 리프레시를 阪堂千津子  2017.1.9 215  新しい学習のスタイル 前田真彦  2017.1.16 216  お次はインスタグラム 幡野泉  […]

通信221 発音について考えてみた(2)

【週刊ハンガンネット通信】第221号  2017年2月27日発行 発音について考えてみた その2 伊藤耕一 (個人指導) ———- 先週の宮本先生の通信を読み、改めて発音について考えさせられました。 以前にもこの通信で発音について書いたことがありますが、これまでに私は入門講座を担当することが多く、発音は甘めに教えることが多かったです。 宮本先生の通信に対し、高麗さんの投稿がありましたが、「日本語を母語とする発声器官の人が朝鮮語発音に対応するにはやはりある程度意識的な訓練練習が必要です。」には、そのとおりだと思いました。 お2人の通信と投稿を拝見し、感じたことを書いてみます。 「日本語には5つの母音しかない」ことになっています。 が、実際の日常生活では相当数の母音(音声学的に見てですが)を発音しているのではないかと思います。 ただ、それを細かく区別しないがために5つだと思い込んでいるのではないかと思います。 日本人に韓国語の発音を教える時、困難を引き起こす原因のひとつは、この日本語で普段発音している母音であるような気がします。 また、「ひらがな」「カタカナ」が日本人の発音に大きな影響を及ぼし続けてきたのでは、とも感じます。 「ひらがな」「カタカナ」は「一つの文字に原則としてひとつの発音しか当てはめない」かつ「当てはめられた発音は『ん』を除いて子音と母音がセットになった文字」という、世界中の言語でも特異な表音文字だと思います。 その一方で、視覚的に音を認識できる利点と、複数の音を一つの音に押し込んでしまう欠点の両方をはらんでいるとも言えます。 日本語の母音とカナが日本人の韓国語発音に悪影響をもたらす原因ではないかと考えたのは、NHKのある番組を見てからです。 日本語の教育の歴史でもこの発音の問題は明治時代から意識されていたそうで、初等学校で最初に習うかなは「い」「え」「す」「し」であったとのことです。 発音記号で書くと/i/と/u/と/e/の発音が昔の日本では地方によって相当に異なっていたようで、この音の違いを最初に教えていたようです。 現在でも東北弁にその名残があるのですが、「し」と「す」はかなり近い音として私には聞こえます。 その番組では、明治時代の初等学校の授業風景を再現したドラマを流していました。 場面は1年生の教室で、先生が発音して、生徒がそれに続いて発音練習するというものでした。 そこでは、「いす」の「い」と「えだ」の「え」はほとんど同じ音で発音されていました。 読む方(先生と生徒)は違う音として認識しつつ発音しているものの、聞く方(私)にはほとんど同じ音で聞こえるという不思議な光景でした。 生徒が「い」と「え」をほとんど同じ音で発した言葉に対して先生が「うまく発音できた」と褒めているというドラマの場面でした。 これを見て私は「日本人は異なる形の文字を見て発音すると、発音された音にほとんど違いはないのに、当の本人は明らかに異なる発音をしたと認識するのではないか。」という仮説を考えました。 視覚的に明らかに異なる文字(例えば「い」と「え」)を発音したのだから、発した言葉は当然ながら明らかに異なっていると思い込んでいるのでは? もうひとつ、発音指導を通じて発見したのは音が似ているあいまいな音(例えば、”의” “이” “위” )を「音を区別してそれぞれを安定的に発音できる(”의” は “의”、”이” は “이”)」生徒と「同じ文字なのにその都度異なる音で発音してしまったり(”의” を “이” など) 、異なる文字なのに同じ音で発音してしまったりする(”의” も “이” も “이” など)」生徒がいることです。 英語で比較すると分かりやすいかと思いますが、アメリカ英語とイギリス英語では同じスペルの単語が異なって発音されます。 単語と発音記号で書いてみます。Aはアメリカ英語、Bはイギリス英語です。 cop A /kɑp/ B /kɒp/ (参考)http://lingorado.com/ipa/ja/この場合、子音と子音に挟まれた”o”の音を安定的に/ɑ/と発音する限り、聞き取る方はその音を頼りに単語を類推できますが、これが/ɑ/となったり/ɒ/となったりして不安定になると、音を頼りにした単語の類推ができず、通じないという現象につながります。余談ですが、日本人の英語が通じにくい原因のひとつがこれで、日本語的にはイギリス英語で発音した方が発音しやすい(例えば “cop” は「コップ」)のに、英会話レッスンなどを受けてアメリカ英語で “cop” を「カップ」と発音することを覚えてしまうと、”cup” と […]

通信220 私の韓国語講師奮闘記12: 発音について考えてみた

【週刊ハンガンネット通信】第220号  2017年2月20日発行 私の韓国語講師奮闘記12: 発音について考えてみた 宮本千恵美 ———- ¡Hola(オラ)! ¿Cómo estás(コモ エスタス)?(こんにちは!お元気ですか?) スペイン語は殆どローマ字読み、「H」は発音しない、「J」の子音のときはハ行で読む・・・ など若干の決まりを覚えれば、日本人には発音しやすい言語です。 私的に英語より単語がすらすら読めます。 先生によっては「L」と「R」の発音の違いを聞き取れるようにと言われますが、気にしないで大丈夫と言う先生が多い気がします。 またスペイン語の特徴である「RR」は巻き舌、これは本国スペインでもできない人もいるとか。 母国語であっても誰もが完璧に発音できないのです。 発音に対してあれこれ考え出したのは、ある先生との会話からでした。 1年前にその先生とお会いし、女子トークをしたり、韓国語教育に対する考えを交わしたりしました。 私には憧れの先生で、2人きりでお話できるなんて夢のようでした。 その先生の韓国語の発音に対する考え方に、私ははっとさせられたことを今でも思い出します。 私の中で今まで韓国語の発音と言うのは重要な位置を示し、今でもそうは思っていますが、 たまにその考え方が必ずしもすべての学習者に当てはまらないと思うときがあります。 先ほど述べたスペイン語でも、巻き舌ができないことで学習者を悩ませます。 私は小さい頃から巻き舌で音を出して遊んでいたせいでしょうか、簡単に出来てしまいますが、できないことに悩む学習者もいました。 またこんな話を聞いたことがあります。 私は元祖歌姫である美空ひばりが大好きで、カラオケでもよく歌わせて貰っています。 彼女の伝説で、楽譜が全く読めない代わりに一度聞くだけで歌を覚えてしまうとか、英語の歌も覚えてしまって、発音もかなり良かったらしいです。 多分英語が話せるわけじゃなく、ずば抜けて耳が良かったのです。 私の教えた生徒の中でも、多分ハングルは読めないけれど、一度聞くと発音を真似できるのか、とても綺麗に発音している高校生もいましたし、 また年配の生徒さんの中でも発音が素晴らしい生徒がいましたから、年齢と言うよりは持ってうまれた素質なのだと思います。 でも悲しいかな、すべての生徒が耳が良いわけでもないですし、若いから耳が良いとも限りません。 しかしそうならば、なぜここまで韓国語が発音を重視するのかと言う疑問が私の中で生まれます。 昨年、韓国・ソウルの漢陽大学の研修で、ある先生が話した内容が思い出されます。 「言語研究の文献で、世界の言語の中で韓国語は発音をとても重視していると記述があるくらい、発音にうるさい言語の1つです。」 聞いていて「やはり!」と思う反面、どうしてそこまでと感じてしまいます。 それはやはり憧れの先生との会話の中で、 「英語はいろいろな国で話され、国によっては教える教師の民族もさまざま。 英語の発音がきれいでなくても言語教師をしている人もたくさんいる。 韓国語だってそうあるべきではないのか? 発音にこだわらず、まず会話することじゃないのか? 発音ができないことで、諦めてしまう学習者がいることも確かだ。」 と言う意見を聞き、確かに・・・私も自分の生徒の中で発音が出来ないことで自信を失い、話そうとしない生徒をたくさん見てきました。 そう思うと、発音がそこまで重要かと思うのです。 しかし私も学習者の1人だった昔を思い出すと、発音にこだわってしまうには理由があるのです。 韓国留学中に出入国管理事務所で職員から 「何で韓国に留学しているのか?」と聞かれ 「K-POPが好きだからです。」と答えたのです。 するとその職員は 「개 밥이라고 들렸어요.」 そのときは恥ずかしさのあまり顔が熱くなり、また腹が立ちました。 同じように発音で嫌な思いをした経験をたくさん聞いているので、どうしても発音を重視してしまうのです。 これは悲しい現実ですが、多分どこの国でも同じようなことがあるし、同じ国でも地域によって発音やイントネーションを馬鹿にすることはよくあります。 「韓国語をいかに学ぶか」(野間秀樹・平凡社)と言う著書の中にはこのような一説がありました。 […]