通信337 「オンライン授業だからこそ必要な片々の技術」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第337号 (2020年11月9日発行)

オンライン授業だからこそ必要な片々の技術
ミレ韓国語学院 前田 真彦
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ちょっとした工夫によって授業の進行や活動の引き締まり具合が変わってきます。教室の対面授業でも基本的には同じですが、オンラインならではの工夫など、思いつくままに書いてみます。

対面授業でも同じですが、「指示の明快さ」が何より大事です。対面授業の場合は、多少分からなくても、周りの受講生の様子を見ると活動内容がわかるということがありますが、オンラインの場合はそういうわけにはいきませんので、「指示の明快さ」がより必要です。

4色ボールペンディクテーションはやり方が明快で、定番の活動として、いろんなレベルのクラスで活動させています。4色ボールペンディクテーション(以下4BD)とは、同じ音声を聞いて、聞くたびに書き加えて4回で完成させる方法です。(+音読シャドーイングで聞き取り力を飛躍的にアップさせる。詳しくは前田の書籍を参照してください。)

活動内容が分かりやすく、効果も体感しやすいので、オンラインの活動には大変有効です。
以下、4BDの授業の時の、授業の片々の工夫について少しだけ紹介します。

4回ディクテーションするうちの、3回目が終わったら「次は○○さん」と指名して、4回目を聞いた後に答えを言ってもらいます。3回目で指名された受講生は、ミュートを解除して、発言する準備をしておきます。これによって、指名されてからミュート解除する「間延び」が解消できます。指名する順番は、一定ではなく、ランダムにしますが、指名表を作って偏らないようします。

また、ディクテーションの時に、間違いやすいと予測される個所は、「今書いたところを見せてください」といって、ノートのその部分を指さしてカメラの前にかざしてもらいます。
綴りをチェックするためです。聞いて書くだけだと、どのくらい書けているのか、講師が把握できません。こうやって時に見せてもらうと、授業にも変化があっていいものです。定番の活動にしておくと、受講生のとまどいも少ないです。

また、時に、「顔を上げてください」といって、板書(私の場合は、背面にホワイトボードを設置して、ホワイトボードにマジックで書きます)を見てもらいます。最近は1時間に1回はわざとでも立って板書します。それによって受講生の顔が正面を向きます。うつむきがちな受講生に顔を上げてもらう機会になります。女子学生はうつむきがちです。社会人学生との大きな違いです。

オンライン授業は教室での対面授業のように、受講生の活動がつぶさに観察できるわけではありませんが、ちょっとした工夫で、指示が分かりやすく、授業に変化が生まれ、テンポよく活動が流れます。

ハイブリッド(オンラインと教室の融合授業)は、授業の質が高まります。講師に動きが出るからです。オンラインだけだと講師が座って立たないケースが多くなりますが、ハイブリッドだと動きのある授業が可能です。講師の動きが大きい分、受講生もうつむき加減ではなく、顔を上げて講師を見るようになります。

また教室にいる受講生に聞こえるように、声もしっかり出すようになります。教室生も同じことです。相乗効果でより明るく活発な活動になります。しっかり声を出す、伝わるように話す。リアクションをはっきりする、など、ハイブリッド授業ならではの、エチケットが自然に身に付きます。

動きがあり、声が届くスペースが広くなると、マイクやカメラの設置にも工夫が必要です。これについてはまた次に書きます。

11月15日(土)17時30分~ 「メアリの会」では、ハイブリッドでライブ授業を実施します。
竹多講師:間接話法基礎
前田:ハイブリッド授業での片々の技術

韓国語講師のための学習会メアリの会

通信331 「もっとフレキシブルにワクにとらわれず」 前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第331号 (2020年8月31日発行)

もっとフレキシブルにワクにとらわれず
ミレ韓国語学院 前田真彦
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オンラインで授業を実施するようになって、リアルの教室対面授業ではできなかった、フレキシブルな単発講座が可能になりました。

授業では十分に時間が取れない音読の練習など、「音読ジム」と称して実施しています。その他、発音クリニック、変則活用、発音変化、漢字語、ことわざ、四字熟語、短作文など、1回限りの単発講座をたくさん実施しています。
イベント的に特別講座としてすることもありますが、そうではなく、日常的に、授業の隙間時間に実施しています。

早朝も日中も夜遅めも、平日も週末も、フレキシブルにやっています。1回限りですので、何の縛りもありません。

内容、レベル、人数なども恣意的に決めています。受講生が集まる時もあれば、そうでもない時もあります。それでいいのだと思います。

ある受講生が、「曜日・時間が合う講座がなくて、入れる講座が少ないです」と言っていました。最近は、仕事のシフトが以前のような曜日で固定されているのではなく、フレキシブルに組まれることが多いようです。
また、家庭の事情からも、平日の日中がいい人と、夜がいい人、また週末でないと時間が取れない人など、さまざまです。早朝に設定すると、受講生が集まったりします。

受講生が集まりにくいと予想していた四字熟語はすぐに満席になったりして、驚いたこともあります。受講生のレベルや関心も多様です。

学びたい人は大勢います。オンラインで繋げることのできる人もいっぱいいます。ただ、時間やレベルが合う講座が少ないだけ。
ならばこちらも、フレキシブルにたくさん立ち上げて、時間・レベル・内容が合うものを、自由に選んでもらうプログラムをたくさん準備するのがいいではないか。

受講生は、「〇〇学院」という学院の看板にとらわれることなく、あちこち、自分の関心とレベル・時間に合うものを選んで、自由に学び始めています。

「学びの場」を提供する側として、もっとフレキシブルになって、学びの可能性を広げていこうと思います。

通信324 「ウイズコロナ時代の韓国語教育」 前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第324号 (2020年6月22日発行)

ウイズコロナ時代の韓国語教育
ミレ韓国語学院 前田真彦
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この2か月で韓国語学習を取り巻く環境がすっかり変わってしまいました。オンラインの便利さを体験した講師と受講生はもう後戻りはできません。
全国(正確には世界中)の学習者を対象にできるため、韓国語教育・学習の可能性が一気に広がりました。今後の韓国語市民講座の在り方を考えたいと思います。

1、オンラインの敷居をもっと下げる取り組み
2、ハイブリッドに対応できる機器と技術
3、教材授受のシステム化

1、オンラインで参加しやすい単発の講座、無料体験レッスン、イベントなど、オンラインの敷居を下げる工夫が必要です。単発イベントも、単発ではあるもののできるだけシリーズ化したものが次への受講につながるように思います。ミレの場合、定期的に単発の「音読ジム」(無料・有料もあります)や「ウェビナー対談」などを実施して、オンラインの敷居を下げる試みをしています。

2、教室と同時進行
ミレでは「ハイブリッド」と名付けていますが、「教室オンライン融合型」、「教室オンライン同時進行型」など命名はいろいろありえると思います。教室に3人、モニターの中にオンラインで受講する人が1人というイメージ(人数の比率は逆もあり得ます)。指名や発言、発音の批正、ペア学習など、教室に参加しているのと何ら違和感なく進行できるよう、モニター・スピーカー・マイク・プロジェクターなどの機器が必要になります。できればカメラも講師と教室全体が見える2台で、2アングルの設定が好ましいと思います。凝りすぎる必要はありませんが、ちょっとした工夫で、教室とオンラインが融合できます。教室参加者とオンライン参加者のどちらかにより多くのストレスがかかることのないよう配慮と技術が必要です。
これには研修が必要です。ミレでは「メアリの会」でオンライン授業の技術を研鑽しています。教室授業とは違った、ちょっとした技術の研鑽と交流です。次回は7月12日17時30分から実施します。

3、教材授受のシステム整備
教室受講生とオンライン受講生の教材の配布・回収・添削なども、平等に実施できる工夫が必要です。講師個人の力量に任せるのでははく、学院全体のシステムとして確立していく必要があります。教育技術・工夫に関する話し合いと交流が今ほど必要な時はありません。

オンラインの導入によって、早朝や夜の授業も可能になり学院の授業が活性化しました。講師もリモート(自宅)授業の実施が可能になり、ミレに勤務できる講師ではないリモート講師も可能になりました。

今後は、他学院(講師)とのコラボ授業、交流授業、交換授業、ゲスト授業など様々な在り方も考えられます。

韓国語教育・学習の可能性が広がり、受講生同士のつながりも広がり、今後のますます学習・教育活動が活発になっていくと予測できます。

教える側が、このような流れに遅れることなく、日々、新しい技術を身に付け、交流し合い、高め合っていきましょう。