断捨裏
【週刊ハンガンネット通信】《第101号》 (2014 年1月20日発行)
私の大学入試の頃
伊藤耕一
昨日、おとといは大学入試センター試験が行われました。
新聞に載っていた英語の問題は何とか解けそうな気がしますが、それ以外の科目はとても難しいような気がしました。
今から大学に入るのは私には無理そうです。
前回の通信では、幡野先生の外国語との出会いについてのお話しでした。
私の韓国語との出会いの第二歩目は、このセンター試験でした。
大学入試のことを思い出したので、今回は私の大学入試の頃のことを思い出しながら書いてみようと思います。
少し前後しますが、私の韓国語との出会いの第一歩は高校2年の時のソウルオリンピックで、オリンピックを見て「韓国語を勉強してみたい。」と思うようになりました。
当時、韓国語の専攻科のある大学は4つしかなく、経済的に国立大学しか選択肢がなかった私は、東京外大にしようか大阪外大にしようかと迷ったのですが、例年の倍率が少し低くて、試験で得意の英語の配点の高かった大阪外大を受けることにしました。
一次試験はちょうどこの時期にあったのですが、自己採点の結果で大阪外大を受けようと大手予備校の判定を受けてみたら、何と「E判定(合格は極めて困難)」が出てしまいました。
一番ショックだったのは、苦手の数学の問題が珍しくスラスラと解けて答えが出せたのに、4と6をマークしてしまったことです。
計算をしていたら結果が「4/6」になったので、そのまま4と6をマークしてしまったのです。約分を忘れて。
自己採点の結果、答えは「2/3」だったので、2と3をマークしなければならなかったんですね。ショックでした。
英語の結果だけは絶好調ではありましたが。
それでも、ほかに行きたい大学はなかったので、そのまま大阪外大の二次試験を受けることにしました。
定員は15人だったので、15番目で入れれば良いという気持ちでした。
二次試験では、前日に適当に仕込んだヤマカン(前日まで知らなかった英単語や表現などですが)が大当たりで、10個くらい覚えたヤマカンから3個くらいが英作文の問題に出てきました。
一次試験はE判定だったのに、二次試験が終わった時には「これで受かったぞ。」と思ってしまうほどの出来でした。
結果は「合格」ということで、めでたく韓国語の勉強を始めることができました。
大阪外大では専攻科を朝鮮語学科と呼ぶのですが、幡野先生と同じく「朝鮮語を勉強してどうするの?」と多くの人から聞かれました。親や親戚からさえも。
韓国語を勉強し始めて感じたのは「英語よりずっと簡単」でした。
外大にはモンゴル語学科もあるのですが、モンゴル語は韓国語よりも「もっと簡単」みたいです。
モンゴル出身の力士が流暢な日本語をしゃべるのがその証左であるようです。
余談ですが、大阪外大の大先輩の司馬遼太郎さんはモンゴル語を専攻されていました。
高校3年生の頃、私は学力のピークが10月ごろに来てしまい、この頃の模擬試験の結果はピカイチだったのですが、1月のこの頃は下り坂であるのを感じていました。
その実感は現実のものだったのですが、E判定にめげずに二次試験を受けて良かったと思っています。
韓国語を専攻したいと思っている受験生も多いことでしょう。
受験生の皆さんには、もう一息、がんばって欲しいですね。
【週刊ハ ンガンネット通信】《第100号》 (2014 年1月16日発行)
「外国 語」との出会い
アイケーブリッジ外語学院 幡野 泉
このお正月、地元で中学校の大規模な同窓会が開催されました。
初めて英語を学んだ恩師に再会し、私の外 国語との出会いについて、
思い出していました。
当時、ほとんどの子供は中学校一年生で英語に触れることなりますが、
私もそうでした。初めて触れる「外国語」。理解できるのだろうか、と
緊張していましたが、発音、文法、英語圏の外国の話題など、英語を
取り巻くその世界が大好きになりました。
高校のときは、「大学では教育学部か英文科に進み、英語の先生に
なりたいな~」と漠然と思っていましたが、ロシア文学が専攻できる
大学に進んだことで、興味のあったロシアについて勉強したくなり、
ロシア語を学び始めました。
初めて行った海外はロシアのモスクワ。1ヶ月の短期留学でした。
流暢な会話はほど遠く、もどかしい思いだけが残りました。さらには、
当時はソ連崩壊直後の混乱期。治安が悪く、ウブな私たちは格好の
カモにされ、怖い思いもたくさんし、ロシアへの想い、付き合いは
学生時代で終わってしまいました。
卒業後就職し、心にポッカリ穴が空いていた頃、一緒にロシア語を
学んでいた友人が「韓国語って面白いよ」と、ハングルのカラクリを
簡単に教えてくれました。
「へぇ~!」と思い、韓国語の民間語学講 座に通い始めました。
その講座は「朝鮮語講座」という名前で、事務局に「朝鮮語と書いて
ありますが、韓国語も勉強できるんですか?」と問い合わせましたっけ。
韓国人女性の先生。至近距離で外国の方と話し、密に付き合うのは
初めてのことだったので、何もかもが新鮮でした。
その後、韓国、韓国語にのめり込み、この通りになりました(笑)。
のめり込んだ要素はいろいろありますが、やはり、直前までロシア語
という難しい言語に接していたことによる反動が大きかったと思います。
ロシア語は女性名詞、男性名詞、中性名詞があり、動詞や形容詞の
格変化は夥(おびただ)しく、英語に比べ、はるかに難しかった。
でも、当時は韓国語を学ぶ人は少なく、「どうして韓国語?」と聞かれる
(いぶかしがられる?)ことはしょっちゅうでした。でも、「こ んなに日本語に
似た言語を勉強しないだなんてもったいない。この楽しさが分からない
なんて、逆におかしいヨ。」と本気で思っていました。
ロシア語に比べれば、韓国語は外国語と思えないほどでした。
外国語を学ぶすべての人が、それを学ぶことになったきっかけや
動機がありますよね。ハンガンネットの先生方、会員の皆さんの
韓国語、又は日本語との出会いについて、どうしてのめり込むように
なったのか、とても聞いてみたいです。
【週刊ハンガンネット通信】《第99号》 (2014年1月7日発行)
「開けまして」おめでとうございます
阪堂千津子
会員のみなさま 회원 여러분
明けましておめでとうございます。
새해 복 많이 받으십시오!
ことしは甲午。「政変」の年になるんでしょうか。ハンガンネットも「韓国語」という馬に乗って疾走していきましょう!
「なに乗るの?」 「うまでしょ!」
올해는 갑오. “정변”의 해가 될까요? 한강네트도 “한국말”이라는 말을 타고 질주합시다!
“뭘 타야 돼?” “바로 지금이란 말이야! ”
…さて今日は、この時期を利用して、新しくオープン(=明けた)ハンガンネットのFACEBOOKとウェブサイトについて、もう一度ご紹介させていただこうと思います。
오늘은 이 시기를 이용헤서 새로 오픈한 한강네트의 페이스북과 웹 사이트를 다시 소개하고자 합니다.
————————————–
◆FACEBOOK 「hangangnet.com」 OPEN
昨年9月にopenしました。全国で行われているユニークな授業やイベントなどを紹介しています。
작년 9월에 오픈 했습니다. 전국에서 열린 유니크한 수업, 이벤트 등을 소개하고 있습니다.
◆新ウェブサイトのオープン 신 웹 사이트 오픈
2009年4月にオープンしたハンガンネットのウェブサイトは、運営業者の問題により昨年閉鎖しました。新しいサイトについて長らく検討していましたが、昨年11月にようやく開設できました。デザインも見やすくなりましたので、ぜひご覧ください。
2009년 4월에 오픈한 한강네트의 웹사이트는 운영업자의 문제로 인해 작년에 폐쇄되었습니다. 새로운 사이트에 대해서는 오랫동안 검투를 거둡한 결과 작년 11월에 겨우 개설할 수 있었습니다. 디자인이 아주 보기 좋아졌습니다. 한번 보십시오.
◆全国の韓国語教室のリスト 再編集 전국 한국어 교실 리스트 재편집
日韓コミュニケーション協会(http://jkcom.org)の協力を得て更新し、新ウェブサイトに全国の韓国語教室として掲載しました。以前より各機関にアクセスしやすくしました。次のURLをご覧ください。
일한 커뮤니케이션 협회(http://jkcom.org )의 협력을 얻어 한국어 교실 리스트를 경신해서신 윕사이트에 “전국의 한국어 교실”로 실었습니다. 이전보다 각 기관에 접근하기 쉬워졌습니다. 다음 URL 를 보십시오. http://hangangnet.org/?page_id=25
◆「週刊ハンガンネット通信」掲載 “주간 한강네트 통신” 개재
「週刊ハンガンネット通信」が第90号以降、ウェブサイトにブログ形式で載っています。トップページにある「最近の投稿」欄をご参照ください。スマホからもコメントできますので、ご利用ください。
“주간 한강네트 통신”이 제90호 이후, 웹사이트에 블로그 형식으로 실려 있습니다. TOP 페이지에 있는 “최근의 투고”란을 참조해 보십시오. 스마트폰으로도 멘트가 가능하오니 많은 이용을 바랍니다.
————————————–
FACEBOOKのサイトの閲覧者は300人を超えてます。学習者の方の閲覧も多いようです。みなさんの教室で行うイベントの案内や報告、ユニークな授業や活動などがありましたら、ぜひご投稿ください。
페이스북 사이트 열람자수는 300을 넘습니다. 학습자들도 많이 보시는 것 같습니다. 여러분이 하시는 교실의 이벤트 안내나 보고, 유니크한 수업이나 활동 등이 있으면 적극 투고해주시기 바랍니다.
新しいウェブサイトの最大の特徴はスマホ対応していることです。スマホでアクセスすると、PC画面とは違ってスマホで読みやすい画面表示になります。リーダーボタンを押すと、本文がさらに読みやすくなります。
새로운 웹 사이트의 가장 큰 특징은 스마트폰 대응입니다. 스마트폰으로 이용하면 PC화면과는 다른 스마트폰 전용 화면이 표지됩니다. 리더버튼을 누루면 본문이 더욱 읽기가 편해집니다. 꼭 보세요!
————————————–
◎「ハンセミ」のお知らせ
「Praatを使った音読分析」 ミレ韓国語学院 前田真彦
日時:2014年2月22日(土) 13:00~15:00
場所:大阪駅前第4 bldg 地下1F 展示室
*2014年度(2014年4月~)のハンセミの要望を会員から募集します。 積極的にご意見ください。お待ちしています。
*2014년도(2014.4월~) 의 “한세미(한강네트 세미나)”에 관한 요망을 모집합니다. 적극적으로 의견을 주십시오. 기다리겠습니다.
————————————–
昨年は高知、愛媛、仙台、松本、箱根、大阪、彦根・・・と韓国語研修関係で、いろいろな都市を訪問しました。行く先々でさまざまな環境で、さまざまな先生方ががんばって授業をなさっている姿に出会い、勇気とやる気をいただいています。
本当は 夜を明かしながらあれこれ しょうもない話も含めて、みなさんとゆっくりとお話がしたいと思います。そんな機会が持てないかなあ、と思っております。韓国語教師温泉ツアーなんて、いかがですか? 日頃の憂さ晴らしのための。
작년에는 고치, 에히메, 센다이, 마쓰모토, 하코네, 오사카, 히코네, …. 등등 한국어 연수 관계로 많은 도시를 방문했습니다. 갈 때마마 여러 활경에서 열심히 가르치시는 선생님들을 만나서 용기와 열의를 얻습니다.
사실은 밤을 새워서 여러가지 이야기 (쓸 데 없는 “죠시카이 이야기”도 포함해서)를 나누고싶지만 연수 때문에 그렇게 할 수도 없어서… 한번 쯤은 그런 기회가 있었으면 하는데. 한국어 교사 온천 투어… 어떨까요?
일상생활의 때도 밀기 위해.
今年もどうぞよろしくお願いします。
올해도 잘 부탁드립니다.
【週刊ハンガンネット通信】《第98号》 (2013年12月23日発行)
第2期架け橋人の会
ミレ韓国語学院 前田真彦
架け橋人(かけはしじん)の会は以前にも活動していました。
前田の講座に来る6級以上の人に呼び掛けて作った
翻訳学習サークルです。
1年間の学習の成果として
対訳集『한국의 좋은 이야기 ―韓国の心温まる
韓国語現代童話集』CD付を作りました。
その小冊子の「まえがき」に「韓国語の学習を一通り
終えた人が、日本語と韓国語両方の力を生かして
これからどんな活動ができるのかという問いかけに
対する一つの回答」と書きました。
この小冊子がもとになって
『韓国現代童話集』1、2がアルクから出版され、
今年秋に1・2とも絶版になってしまいました。
これを機に第2期メンバーを募集し活動を始めました。
http://mire-k.jp/kakehasi.htm
募集時期には東京・新潟・長野その他の地域からも
問い合わせがありました。
高級以上の力を持ったまま力を生かせないまま、
生かしたいと思っている人が多いことに気付かされます。
一人ではなかなか翻訳出版まではできません。
しかしグループになるとうんとしやすくなります。
第2期架け橋人の会の活動が形になるかどうか
全くわかりませんが、何等か発信を模索しつつ
地道に活動を続けていこうと思います。
昨日は2回目の学習会がありました。
単なる和訳以上の楽しさと苦しさを味わいました。
「外国語習得の次に来る楽しさと苦しさ」についても
今後時々具体的に発信していこうと思います。
————–お知らせ—————
次回ハンセミ 「Praatを使った音読分析」
2014年2月22日(土)
大阪駅前第4ビル 地下1F展示会場
担当:前田真彦
http://hangangnet.org/
<参考動画>
https://www.youtube.com/watch?v=oc33EPkW_p0&feature=player_detailpage&list=UU-SUCPBhIZWVEy4xKRgro2g
【週刊ハンガンネット通信】《第97号》 (2013年12月16日発行)
변칙용언 수업
Hangyosil 韓教室 김영우
안녕하세요? 전에 이토 선생님의 문법에 관한 메일매거진을 읽으면서 느꼈던 몇 가지를 적어 봅니다.
한국어 문법 중에 제일 어려운게, 변칙용언이라고 보는데요. 그래서 변칙용언 수업을 할 때마다 학생들로부터 자주 받는 질문이 있어요. “왜 한국어에는 이렇게 복잡한 변칙이 많아요?”인데요, 그럴 때는 저도 이토 선생님처럼 일본어에 있는 몇 가지 변칙을예로 들면서 설명하곤 해요.
“`いらっしゃる'는 왜 `いらっしゃります'가 아니고 `いらっしゃいます'가 돼나요?”라고제가 역으로 질문하면, 학생들은 이제야 이해가 간다는듯이 ”아~.”라고 대답을 합니다.
제가 일본어 전공이 아니라서 단정을 지어 말하기는 어렵지만, 사실 한국의 변칙용언은 일본의 변칙용언보다 많고 복잡한 것 같아요.그러기 때문에 이 부분은 가르치는 선생님들에게는 진이 빠지기 쉽고, 학생들은 이해하기 힘들어서 중급에 올라가더라도 항상 자신이 없다고 생각하는 부분이지요.
그래서 어려워 하는 변칙용언을 어떻게 하면 재미있게 쉽게 기억할 수 있을까 하고 궁리를 하고 있던 차에 발견한 것이 `스토리 텔링’이에요.
한국에서 이 스토리텔링을 이용한 학교 수업이 유행한다는 기사를 본 적이 있었거든요.
‘이거 구나’하고 스토리를 만들어 변칙용언을 설명했더니, 수업이 지루하지도 않았고수업이 끝난 학생들의 표정이 이전의 학생들의 표정보다 더 밝아 보였어요.
얘기만이라도 기억하고 있으면, 다른 날 학생이 변칙을 잊어버리고 있다가도, 제가 그변칙의 스토리를 말하기 시작하면 “아, 그거~” 라고 금방 기억을 해내곤 해요. ”
‘으’변칙에 적용한 스토리텔링의 예를 들어보겠는데요,
1.먼저, 모음은 여자(女)로, 자음은 남자(男子)로 약속을 설명해줍니다.
2.‘ㅡ’탈락이 되는 것은 이혼(離婚)으로, 탈락된 모음 ‘ㅡ’의 자리에 다른 모음이붙는 것은 재혼(再婚)으로 설명하고 있어요.
어떻게 보면, 이혼, 재혼의 내용이라서, 안 좋아보이지만, 제 교실에서는 사회인들을대상으로 한 시민 강좌이기 때문에 아직까지는 별 문제가 없어요.
‘으’변칙뿐만 아니라,‘르’변칙이나 ‘ㄷ’변칙도 스토리텔링으로 설명하고 있어요. 하지만,얘기를 더 재미있게 만들기 위해서는 좀더 다듬어야 하는 부분도 있고, ‘ㅎ’변칙의 스토리 텔링은 아직 손도 못대고 있어요.
좋은 아이디어가 있으신 분 연락주세요! 그리고 다른 선생님들의 변칙용언 수업에 대해서도 들려주시면 고맙겠습니다.
【週刊ハンガンネット通信】《第96号》(2013年12月9日発行)
授業の楽しみ
林鳩順
前回、伊藤先生のメーリングにはいろんな反響がありましたね。私も読み返しながら、いろんな事を感じました。全部は述べられませんので、今日は一部のみお話ししたいと思います。
伊藤先生が最後に問いかけられた件ですが、私の場合、市民講座だからと文法をあまり扱わないようにしようとするほど、的を射た鋭い質問がでてきます。「きたきた〜」と思いながら、そんなとき妙にムキになっている自分を意識しています。
実は私は文法の説明が大好きで、こうだからこうなのよね──と言ってみたり、じゃあこれはどうなの?とか・・・問いかけながら理解させる過程が面白いと感じています。
また、京都の市民講座の特徴は(他もそうかもしれませんが)、韓国語以外の語学が堪能な方、元学校の先生だった方が案外多いですね。英語を得意とする方はわざとではなくても「예, 네」をイェス、という方が数人いらっしゃり、あまりしつこいとムッとなるのをぐっと我慢している私の代わりに、注意してくださる方もいらっしゃるので、面白いです。
せっかくなので、外来語の単語の練習は先ず英語で発音してもらったりして、出番を提供します。想定外の質問も多々ありますが、それらはすべて、それまで当たり前と思って話していたことが、説明不足だったと悟らせてくれる大切なきっかけになりますね。
授業の楽しみはこんな予想外、想定外の質問により、自分自身を更に高められることへの期待感からきているのかな──感じています。
語学に文法は付きものなのに、歳のせいで無理だという、文法が大好きで得意でも話せないとつまらない
せっかく話すんだったら通じるように話したい
そのために最小限の文法は知っておいた方が良いですよね
暗記力に自信のある方は決まり文句を丸暗記しても良いですよ
聞いているとちょっと脅しているような……笑いながらも私の口調はきっとこんな感じで、ちょっと怖いかも知れません。何でも聞いてくださいね〜と、また明日も笑顔で授業を一緒に楽しみます。以上、市民講座講師のつぶやきでした。
【週刊ハンガンネット通信】 第95号 2012年11月25日発行
文法と理屈
伊藤耕一
入門クラスを終え、初級クラスが中盤に差し掛かるとこんな質問が出ることがあります。
「どうして動詞の後ろに母音が来ると文字がなくなったり、文字が変わったりするんですか?」
変格活用を少しずつ教え始めた時に出る質問です。皆さんにもこんなご経験があるのではないでしょうか?
「どうして?」と言われても本当の理由はよく知らないので、まずは「そういうことになっているんですよね。」と言い、「日本語の活用も結構難しいんですよ。」と日本語の話題に振ってしまいます。
「次の用言を原形に戻してみましょう。」
・読んで
・噛んで
・挟んで
・死んで
日本人なら考えなくても「読む」「噛む」「挟む」「死ぬ」と戻すことができるんですが、ここで「どうして『死んで』だけは原形の語末が『ぬ』になるのか説明できますか?」と聞いてみます。これに答えることができた生徒さんはいませんが、みなさん「???」という表情になります。
「もし説明できたら、さっきの質問の答えを教えてあげます。」と言うと、だいたいの方は私の意図を理解してくださいます。「分からなくてもいいんです。使えればいいんですから。なので韓国語もあまり難しく考えずに、『そうなるものなんだ』と覚えてください。」と言って、次に進むことにしています。
ほかにも「さらさら」と「ざらざら」は何がどう違うんでしょうか?丁寧な言葉に変えるときに「お」をつけるのか、「ご」をつけるのか、使い分けの方法は分かりますか?
といった答えにくい質問を用意してあって、なるべく文法のややこしい分野に入り込まないように注意しています。
先日文化庁の「敬語の指針」というテキストを読みましたが、この中に「お」を付けるのか、「ご」をつけるのかについて分かりやすい解説があり、納得したことがありました。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
・「一般に,動詞が和語の場合は「読む→お読みになる 「出掛ける→お出掛けに」なる」のように「お……になる」となり,漢語サ変動詞の場合は「利用する→御利用になる 「出席する→御出席になる」のように「ご……になる」となる。
・慣習上 「お(ご)」と組み合わせることがなじまず 「お(ご)……になる」の形が作れない動詞もあるので,注意を要する。 例:×お死にになる(→お亡くなりになる,亡くなられる) ×御失敗になる(→失敗なさる,失敗される) ×御運転になる(→運転なさる,運転される)
・「お」あるいは「御」を付けて敬語にする場合の「お」と「御」の使い分けは「お+和語」 「御+漢語」が原則である。
・ただし,美化語の場合は 「お料理」「お化粧」など,漢語の前でも「お」が好まれる。また,美化語の場合以外にも 「お加減」 「お元気」 (いずれも尊敬語で 「お+漢語」の例)など,変則的な場合もあるので,注意を要する。
原理原則が分かると、「そいうことだったのか!」と思いますが、日本語母語話者が「感覚」で理解していることを理屈で説明するのは難しいものだなと改めて思いました。ただ、このテキストでも「一般に」「慣習上〜なじまず」「原則」「ただし~好まれる。」「注意を要する。」などとあって、原理原則だけでは説明しきれないのがよく分かりました。
言葉は理屈で正しく話すのではなくて、感覚で適切に話すのが王道かなと私は考えています。私の場合は市民講座なので、「理屈はよく分からなくても、使えればいいんです。」と、文法にはあまり踏み込まずに教えていますが、皆様はどのようになさっているでしょうか?