通信302 読解力 寄田晴代

【週刊ハンガンネット通信】第302号(2019年6月17日発行)

読解力

寄田晴代

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長文読解の授業で時々ぶつかる困難に「日本語に直してみたものの、その文章の意味がわからない」というものがあります。

論説文に出て来る漢字語に馴染みがなくて意味がわからない、という人もいます。TOPIKの読解問題に出る論説文はそんなに長くありませんが、自分の馴染みのない分野だと、読む前から拒絶反応を起こす人もいます。

予備知識が全くない分野について読むことを負担に思うのでしょう。そもそも、集中してまとまった文章を読むのが苦手な人もいます。そうなるともはや、韓国語の問題ではありません。

語彙数は人生経験や読書量に比例するのでしょうか。若い人ほど、日本語の単語の意味がわからなくて苦労する人が多い印象があります。

よく使うことばだから知っておいた方がいいよ、というと「それ、方言じゃないんですか」と関西標準語母語話者の私に確認する人もいます。

ところで、
最近、年齢に関わらず大人でも、書いてあるものをちゃんと読んで理解していないことがあるのではないか、と思うようになりました。

私は時々スポーツジムに行くのですが、そこで「あれ?」と思うことがあったからです。

運動するマシンにはそれぞれ、鍛える筋肉、注意事項、使用方法などが、図解と簡潔な文章で示されています。

それなのに、そんな風に使っては体痛めますよ、と声をかけたくなるような人が少なからずいるのです。

どうして?これ読んでないの?読んだけれど自分流に解釈してるの?

質問してみたくてたまりませんでした。(説明文が難解だとは思えないので、「勝手に解釈派」が主流ではないかと推測しています。)

日本語でも(こんなに短い説明文でも)、読んでみて正確に把握できないことは珍しくないのかもしれない、と思うようになったわけです。

今年5月、新聞で「AIに勝る読解力を養おう」という記事を読みました。筆者は国立情報学研究所教授の新井紀子さんです。

「これまでの研究でAIの限界がハッキリした一方で、多くの中高生がAIと同じように読解力が不足していることもわかった。」という文にうなずきました。

ここでいう読解力とは、言うまでもなく、教科書や新聞など事実について書かれた文書を正確に把握する力です。

そして、読解力不足を放置するとAIに仕事を奪われる層が増え、格差が広がる危険性があるという怖い話が続き、まず母語である日本語やAIの基礎となる数学を身につけてほしい、と述べられています。

韓国語学習の初級の段階では「読解」と言っても、韓国語と日本語を置き換える作業が中心になるでしょう。

しかし、韓国語を使って何かしたい、と思っている学習者には、先を見据えた、母語の読解力の大切さを伝えたいと思いました。

母語以上に語彙や表現が広がることはありえないので、自分もしっかり日本語の向上に励みたいです。

まずは、なんでも「ほらほら、あれ、あれ」で済まそうとする傾向を改善しようと思っています。

通信301 きっかけ 伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第301号 (2019年6月10日発行)

きっかけ

伊藤 耕一

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先日、私の大学2年生になる息子がスウェーデンに旅立ちました。大学のカリキュラムの一環としての短期留学です。

行先は、英国、米国、ニュージーランド、フィリピン、フィンランド、スウェーデンの中から選ぶのですが、「どうして、スウェーデンを選んだの?」と、気になったので聞いてみました。

「この国々の中で将来一番行かなさそうな国だし、18歳でお酒が飲めるし、行ってみたいと思った。」とのこと。私は「スウェーデン語を少し覚えてきて、教えてね。」と言って送り出しました。

無事に到着の連絡はありましたが、その後の連絡はなし。私が26年前に初めて渡航した時もたいして連絡しなかったので、元気にしているのだろうと思っています。

私が韓国語を勉強しようと思ったきっかけは、高校2年の時にテレビで見たソウルオリンピックでした。純粋に「あの文字が読めるようになりたい。」という気持ちだけでした。

あれから30年の時が過ぎてこのような通信を書く立場になるとは、当時は思いもよらないことだったのですが、きっかけは大切だなと、いつも考えています。

韓国語を勉強してみたいと思う学習者にも、何らかのきっかけがあるはずですが、その小さなきっかけをつぶさないように忘れないようにしてあげることが大切だろうと思って教えてきました。

息子にとってのスウェーデンというきっかけは、彼の今後の人生にどんな影響を与えるのか、楽しみにしてみたいと思います。
「あの文字が読めるようになりたい。」と「この国の中で将来一番行かなさそうな国だし、18歳でお酒が飲めるし、行ってみたいと思った。」は、動機としては同じレベルですね。

通信300 私の韓国語講師奮闘記23:  早く会話したい! 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第300号 (2019年6月3日発行)

私の韓国語講師・奮闘記23 「早く会話したい!」

宮本千恵美

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最近感じること・・・春や秋がないような、直ぐに夏になったようなそんな毎日、皆様、元気でお過ごしでしょうか?
300号を書かせていただきとても光栄に思っております!
この記事を書いている前日、春季ハングル検定を私の生徒達も何名か受けに行きました。

私も10年くらい前ですか?
初めてハングル検定を受けに富山まで行った事を思い出します。
昨年から改定された試験とは違い、当時は前半の60分が筆記、休憩30分を挟んで後半30分の聞き取り、この休憩時間がとても長く感じたことを覚えています。

その休憩時間のこと、制服を着た高校生らしき2人組がこう話しているのです。
「5級なんて落ちる人いる?」
「普通落ちないよね!」

ほうほう・・・私は当時4級を受けていましたから、5級ってそんなに落ちたら恥ずかしいレベルなのかと思いながら聞き耳を立てていました。
試験会場だった富山県立伏木高校は、門に日本語の高校名と共にロシア語や韓国語が書かれており国際交流や研修などを盛んに行っているせいか、どうもその高校の生徒達が受けている模様。

そんな当時のことを思い出しながら、今回私の生徒達は5級を受けているわけで・・・。
私自身も5級の過去問や対策本を買い生徒にテスト対策をしたのですが、5級は決して簡単ではないことを教えながら改めて感じました。

5級のレベルと言えば1時間の授業を40回=40時間受けている(月4回の授業で10ヶ月程度)、単語数が約480個、基本的な表現や挨拶、相槌などが分かる、など大体の目安を見ると、決して簡単とは言い切れません。
今まで韓国語に接したことのなかった生徒達が、韓国語を1から勉強し受けるわけですから、まず緊張します。
また聞き取りなどは教科書とは全く違いランダムに出題されるわけなので、今までの聞き取り練習が生かされるかどうかなのです。

さて結果はどうなったのか、今からドキドキしながらでも楽しみでもあります。
やはり受かったときはどんなに嬉しいか分かりません。

今回試験を受けた生徒達のクラスはスムーズに授業進行でき、上達の早いクラスです。
平均年齢が20~30歳なので、とても若いのも勉強する上では勿論プラス面ではありますし、生徒達の仲もとても良いです。

しかしながらそのようなクラスだけではないのは、他の講師の先生方も経験済みと思います。
あるクラスは年齢差があるクラスで、若年層は20代なのですが、60~70代の生徒と一緒に学習しています。

若年層はどちらかと言えば、教えられたことをそのままこなす・・・と言うよりも、教えられたことがスーッと頭に入っていく感じですが、やはり高齢になると覚えることに対してもとても時間がかかります。
それは仕方ないと講師側も生徒側も暗黙の了解で進行していました。

ある日、音の変化の勉強中のことです。
その年配の生徒が小さな声でポツリと、
「何でこんなことしなくちゃいけないの?」
と言った言葉が耳に入ってきてしまいました。
その生徒は会話がしたいとの目標があるので、そう思う気持ちは重々理解できます。

私の教室は初級でするべき音の変化や不規則動詞を早めに教え、どんな文章も自分で読めるようにをモットーに教えています。
文章ごとに音の変化を教えていては時間も余計にかかってしまいますし、自分で考え身に付けることができなくなってしまうと思うからです。
最近の独学者の悩みが、この音の変化と不規則動詞を個人学習では理解できないとの意見が多いので、やはりそこはしっかり教えるべきだと思います。

だからでしょうか、早く会話したい生徒にとってはその授業が面白くないのでしょう。
早く会話したいのに、そんなことばかりしていては・・・と思うのも当然なのですが、決して会話をしないわけではありません。
挨拶から基本的な会話を毎回行っていますし、その課題ごとに習う例文なり宿題なりを発する授業を行ってはいますが、会話をしたいと希望する生徒の多数は、勉強すればすぐにでも話せるようになると誤解することがよくあり、授業で話す会話を会話と感じていないのでしょう。

昔お恥ずかしながらイーオンに通い英語を勉強した経験があり、そこで日本人スタッフが話した台詞がまさに私が思ったことと同じでした。
「語学の学校に来れば直ぐに話せると思われがちだけど、言語学習は積み重ねるしか上達する術がありません。」
つまり階段の段を飛ばして上るようなそんな近道がない、それが外国語を学ぶことーなのです。
まずはその勘違いを正すことからしていかないと、生徒達は勘違いしながら、近道があると思いながら身の入らない勉強を続けてしまうのです。

と言っても年配の方はそれを何度説明しても、気持ちが焦るのでしょう、授業に集中していない感が否めません。
しかし近道のない語学の道、私は粘り強く各々の項目の重要性を説き続けています。
私の教室に熱心に通っている姿を見ると、何とか上達させてあげたいと日々奮闘しております!

通信299 教室のイベント 金英う

【週刊ハンガンネット通信】第299号 (2019年5月13日発行)

教室のイベント

韓教室 金英う

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안녕하세요?

10일간의 황금 연휴는 어떠셨나요?

저는 深大寺 근처 프리마켓에서 900엔 주고 죽순을 샀는데요, 집에 와서 무게를 달아보니 자그마치 4,2kg에 길이는 79cm! 그날은 밥상이 죽순으로 만든 음식으로 가득찼습니다.

오늘의 통신은 한교실에서 3월에 제주도에 갔던 얘기를 해 볼까합니다.

교실의 Facebook페이지에서 이미 보신 분들도 계시리라고 봅니다만.

여행지로 제주도를 택한 이유는 우선 서울처럼 혼자서 자주 가볍게 갈 수 있는 곳이 아니기 때문이에요.

전철이 없어 이동수단이 불편하기 때문에 혼자서 갈 엄두가 안 난다고 하는 말을 들은 적이 있었거든요.

또한 다른 여행에서는 경험할 수 없는 특이한 이벤트가 있기 때문이에요.

바로 ‘칠머리당 영등굿’인데요, 굿은 음력 2월 1일과 14일, 1년에 두 번만 열리는 굿이에요.

일본에서는 ‘굿’을 볼 기회가 전혀 없기 때문에 관심을 끌 수 있겠다고 생각했어요.

칠머리당 영등굿의 Facebook페이지 https://www.facebook.com/jejuchilmeoridang

여행 기간은 2박 3일로 굿이 열리기 전날에 제주에 도착, 재래시장을 둘러보고 제주 향토 음식 전문점에서 한정식을, 제주의 전통 음식을 먹어 볼 수 있었고, 차분하고 고급스러운 분위기의 음식점이었어요 제주 향토 음식 전문점 낭푼밥상 HP  https://www.nangpoon.com

이틀째는 이번 여행의 목적인‘영등굿’을 보러 아침부터 준비하고 나갔어요.

아침 9시경부터 시작한 굿은 오후 6시경까지 계속되는데 저희 일행은 도중에 행사장을 나와서 제주도 구경에 나섰어요.

그러다가 볼 만한 프로그램이 있다고 해서 굿이 끝날 무렵에 다시 행사장으로 돌아왔어요.

같이 갔던 일행 중 한 사람이 굿의 내용에 자세하게 쓴 게 있어서 Facebook에 올려 놓았습니다(3/23자). 참고로 하세요. https://www.facebook.com/hangyosil

마지막 날은 제주도의 세계자연유산을 관광하고 공항에.

하룻밤 더 묵었으면 하고 아쉬워하는 사람도 있었지만 그런 아쉬움을 뒤로 한채 나리타행 비행기를 탔어요.

2박 3일의 짧은 일정이었지만 몰랐던 제주의 문화, 음식을 접할 수 있는 좋은 기회였다고들 했어요.

교실의 여행을 기획하고 싶지만 어디가 좋을까 고민하고 계시는 분이 계시다면 제주는 어떠세요?
특히‘영등굿’을‘메인 이벤트’로 해서 교실에서 제주 여행을 기획하면 관심도를 높일 수 있다고 보는데요.

제주도 여행을 기획하는데 있어서 도움이 필요하신 분이 계시다면 연락주세요.

제가 힘이 닿는 대로 도와 드리겠습니다.

通信298 TOPIK作文は可能性大 前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第298号 (2019年4月22日発行)

TOPIK作文は可能性大 

ミレ韓国語学院 前田真彦

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昨日、TOPIK試験会場(神戸)でチラシ配りをしました。今まで東京・横浜・大阪、などで配っています。試験当日の受験生の緊張感が伝わってきます。普段の自分の授業は十分だっただろうかと振り返るよい時間になります。

神戸会場は教室棟入り口にちょっとした休憩スペースがあって、ベンチに座って勉強しながら待機できるのがいいと思いました。

目についたのが、私の『TOPIKⅡ作文完全対策』(HANA)を広げて勉強している人が多いことです。そのうちの3人の方には、思い切ってこちらから「この本を書いた人間ですが・・・サインさせていただいてよろしいでしょうか?」と、おずおずと声をかけ、3人の方にサインをさせていただきました。驚いておられました。試験直前の緊張がちょっとほぐれる楽しい時間になりました、(と勝手に思っています)。

TOPIK対策の中では作文が一番大変です。単語や文法を学ぶのとは違う学力が要求されているからです。韓国で出版されているTOPIK쓰기の本にはよい本もたくさんあります。韓国人には意見が言える人が多いです。主婦の方でも、いざという時は、自分の意見を言える、そんな国民性、またはそういう教育を受けてきているのでしょう。

それに対し日本人は、意見が言えない人が多いのです。TOPIK作文指導で一番苦労するのは実はそこなのです。「自分なりの意見をまずとにかく言ってみる」これがなかなかうまくいかないのです。

韓国で出版されているTOPIK作文の書籍は、その辺の日本人学習者の「かなり根深い傾向」をわかっていないのです。「意見を持つ訓練から」という視点が欠けているように思います。

私は、中学校の国語教師をしていましたので、中学生の書けない実態と、どのようにすれば書けるようになるのかという指導の蓄積がありますから、「意見を持たせる」ところから指導するという観点がはっきりあります。

TOPIKの作文はこれからも、ずっと韓国語学習者を悩ませ続けると思います。そしてその対策を通して、自分なりの意見が言えるようになった時、単なる外国語学習ではなく、異文化を見つめる目を持った人として、より深い隣国理解の領域に入っていけるのだと思います。

つい先日もJBJ95の高田健太(KENTA)さんが韓国のTVで、自分が勉強している本として『TOPIK作文完全対策』取り上げてくれていました。(Twitterの動画へ飛びますhttp://ur0.link/XK6D)彼のファンの中にこの書籍の愛読者がいて、KENTAにプレゼントしたものだということです。

700字作文に真剣に取り組むようになって、韓国語学習も熟成してくるのだと思います。片言の韓国語、会話の韓国語から一歩も二歩も進めて、「意見を言うために韓国語を駆使できる人」が少しずつ多くなってくるのだろうという明るい展望を抱きました。

通信297 「実践通訳講座オンライン」開始にあたり 幡野泉

【週刊ハンガンネット通信】第297号 (2019年3月28日発行)

「実践通訳講座・オンライン」開始にあたり       

アイケーブリッジ外語学院 幡野 泉
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なんだか肌寒く感じる日々ですが、東京は桜が咲き始めました。と思えば、そろそろ満開になるのだとか。あれよあれよという間に、本格的な春の到来ですね。花粉症の方々は本当にお辛そうですが……。

小栗さんがリニューアルしてくださったハンガンネットのページは春真っ盛りのデザインです。 https://hangangnett.com/

さて、この春、当校では満を持して……!オンラインの通訳講座をスタートさせることになりました。

以前からお問合せやご要望を頂戴していたのですが、システムなど技術的なところでなかなか自信を持ってサービスをスタートさせることができずにいました。

学習塾などは先生の講義を流すだけでオンライン講座が成り立ちますが、語学学校は双方向、そして意思疎通が難しい外国語を用いるところからしてハンディがあります。

これまでSkypeを通じ、通常のプライベートレッスンは行っていたのですが、通訳訓練という、音声が命というような授業でSkypeその他のツールを使いこなす自信がなく、それぞれが異なるネット環境、機械環境の中、一定の質を保ちつつ授業をしなければならない…と考えれば考えるほど、実施が遠くなっていました。

踏ん切りがついたのは、良いシステムに巡り合い、これならいけそうだ思えたためです。利用にはコストがかかりますが、技術者一人採用したと思ったら、できないことではありません。

今後、うまくシステムと付き合い、良い講座を提供していきたいと思っています。状況は、またご報告いたします!

通信296 第3回韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会 阪堂千津子

【週刊ハンガンネット通信】第296号 (2019年3月4日発行)

「第3回韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会」無事終了!

ハンガンネット世話人 阪堂千津子

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アンニョンハセヨ! 

いよいよ花粉症のシーズンが始まったのか、私は「コンムル」(カタカナにすると花水のように見えるかな?)との戦いが始まりました。

みなさんはいかがですか

さて、少し前になりますが、2月21日に横浜で、ハンガンネットと日韓文化交流基金による「第3回 韓国青年訪日団と韓国語学習者の交流会」(参加者120名)が開催されました。

これは「JENESYS2018」 というプログラムの一環で、韓国全土から集まった大学生を日本のいろいろな場所に招待し、ホームステイや観光・人的交流を通して日韓相互理解相互を促進する事業の1つです。ハンガンネットでは、3年前からこの交流会を企画・協力しています。

今年は昨年のアンケート結果から前2回のプログラムを見直し変更、事前に計6回の打ち合わせを重ね、準備を整えました。当日は日本側のメンバーが韓国の大学生が宿泊している横浜のホテルに集合し、韓国の学生たちを宴会場で待ち受けました。

まずは日韓メンバーの対面式が行われグループに分かれたあと、横浜散策として各班が準備したコースに出かけました。

ゴールは横浜駅近くにある展望レストラン「クルーズ・クルーズYOKOHAMA」。当日は幸い2月にしては比較的暖かく、みんなで横浜のインスタ映えするステキな景色を楽しんだようです。ほとんどの班が予定時間になっても到着しないので、「料理が待ってますよ~」と何度も交流会LINEに写真を投稿して帰りを促しました。

2~3時間の散策のあとは、ゴールのレストランに到着したグループから和洋中の豪華ビュッフェと、特別にしつらえた山形・横浜合同の裏千家師範の先生方によるお茶席を堪能しました。私も1服いただきましたが、嘘ではなく今まで飲んだどの御抹茶よりも美味しかったです!

食事の後は、各グループの「散策報告会」で盛り上がりました。今回は、「今日最高の1枚の写真」と、「今日習った日本語・韓国語」をレストラン到着までにSNSで送っておくというのがミッションでした。「最高の一枚」は、今朝初めて会ったメンバーとは思えないような和気あいあいとしたショットばかり。参加者が日韓両語をまじえながら交流を満喫した様子がありありと分かりました。

そして笑えたのが「今日習った日本語・韓国語」。両国語の新語・造語・珍語がたくさん紹介されました。一例をあげると、韓国語は「소확행」「일빠」「갑분싸」など、日本語は「ガチかわいい」「手に職をつける」「それな!」などがあがっていました。皆さんはわかりますか? 私にはほとんど初耳のものばかりで、とても勉強になりました。 

でも、いつか使えるようになるのでしょうか~???

そしてあっという間に閉会の時間となり、日本恒例の「三本締め」で、めでたく交流会はお開きとなりました。(公式日程の後も、ボランティアで韓国人学生をご案内くださった先生方もいらっしゃいました。お疲れ様でした。)

今回の交流会には、ハンガンネットに参加している学校・教室から、60名を超える方たちが参加しました。昨年同様、茨城、三島、山形、仙台などからも参加申し込みがあり、遠方組は前日から近隣のホテルに宿泊するほどの熱心さでした。参加者からは「リピーターの方が多かった(遠方の方もです!)ので、また会えて嬉しい」、「先生も一緒に参加してくれて心強かった」、という声が多く聞かれました。本当にお疲れ様でした!

ハンガンネットからは韓国語講師の先生が8名もご協力くださって、フィールドワークで教室の生徒さんと韓国人大学生との橋渡し役に貢献してくださいました。この場を借りてあらためて御礼もうしあげます。

また、このメールをご覧になっていらっしゃる参加者を送り出して下さった学校・教室の先生方も、きっと舞台裏でいろいろとご心配やご協力頂いたことと思います。本当にありがとうございました。

そして何と言っても交流会の真の立役者は、受付やSNSの投稿集約、司会進行、お茶席の準備など、交流会の裏方事務を担っている学習者の方々です。彼らの韓国の大学生たちを「おもてなし」しようという暖かい情熱には、毎回、本当に頭が下がります。

このような素晴らしい学習者を生徒さんとして教えられるなんて、私たち韓国語講師はなんと幸せ者なのだ、と心から思いますよね!!

今のところ、来年度の交流会については未定ですが、もしも来年度も実施が決定しましたら、今年度に引き続き、ハンガンネット会員からのたくさんのご参加・ご協力をお待ちしております。よろしくお願いします。

以下、今回参加した学校・教室と先生方のお名前です。

参加学校・教室(あいうえお順)

  • アイケーブリッジ外語学院
  • アオナビ韓国語教室 
  • アンニョンハセヨ(市民サークル)
  • 韓国語教室 
  • ケナリ
  • コリブン語学堂
  • 楽しい韓国語教室
  • 趙永鳳先生の教室
  • 東京外国語大学オープンアカデミー
  • ひろば語学院
  • ミリネ韓国語教室
  • ミレ韓国語学院

参加された先生方(あいうえお順)

  • 大和田友美先生(楽しい韓国語教室)
  • 小田みすず先生(アンニョンハセヨ)
  • 成智姫先生(アオナビ)
  • 趙永鳳先生(趙永鳳先生の教室)
  • 丹羽光(ひろば語学院)
  • 丹羽裕美先生(ひろば語学院・ハンガンネット世話人)
  • 朴智貞先生(ミリネ韓国語教室)
  • 阪堂千津子(コリブン語学堂・ハンガンネット世話人)
  • 寄田晴代(ハンガンネット世話人)

参加者のアンケートの一部(抜粋)

韓国代表の方の言葉で、お互いの言葉が分かれば、より親しみを感じて距離感が近くなれると仰っていたのが印象的で、心に響きました。草の根活動ですが、未来を担っていく優秀な韓国の若者と交流できたことは今後の日韓関係の良化に繋がっていくのではないかと思います。年齢も国籍も違う人々が100人近く集まった会場を見渡した時、ここにはお互いの国への愛があると感じて感動しました。(30代、会社員)

3度目の参加ですが、今まで当日のみ参加していて、今回が初めて準備から当日の役割まで参加という形になりました。韓国人大学生との交流という体験ももちろんですが、準備などを通じてほかの韓国語学習者とも知り合うことが出来ました。ただ勉強しているだけでは経験出来ない貴重な経験になり、モチベーションもあがりました。(40代、主婦)

たくさんの交流会を経験してきましたが今回は、現在の日韓関係のなか 親御さんや親戚に日本交流を止められた学生も少なくなかったと思います。(中略) 今回、参加した学生から「初めて日本にきて本当にまた来たい国になりました」とメッセージを頂き本当に嬉しかったです。(40代、主婦)

所属が無い私を暖かく迎えてくださり、何かと声をかけてくださったミレ班の皆さん、そして人がやりたがらない重責の司会に手を挙げて頂いたお二人にこの場を借りて感謝申し上げます。そして、そういう横の繋がりが出来るのも、このハンガンネットならでは、なのだと思います。(50代、主婦)

韓国語の勉強を始めてからかなりたちますが、先生以外の韓国の方と話をするのはほとんど経験がなく、最初はとても不安でした。でも学生さんたちがとても可愛くフレンドリーで最初の心配も吹き飛び、楽しい時間を過ごさせていただきました。ただ自分の拙さも痛感し、もっと話して交流できるようになりたいという気持ちもでき、近頃下がっていた韓国語のコンブへのモチベーションが上がったように思います。韓国語だけでなく、韓国の若い方と触れ合えたことは60代のハルモニにとっても大変思い出深い貴重な経験となりました。このような機会を作っていただき本当にありがとうございました。(60代、主婦)

韓国人学生と直接話したり、案内する機会を作って戴き感謝しています。交流会行事の話を先生から伺った時、教室の他の生徒達の殆どが参加を希望し、初めて参加させて頂くことになりました。私自身も韓国学生と接する折角の機会なので、最近の流行語や それが生まれた背景を調べたり、韓国で現在放送中の人気ドラマをネットで見たりしましたが、少なからず韓国語のスキルとモチベーションアップに役立ったと思います。交流した学生達の日本語学習に取り組む姿勢、熱心さにも 感銘を受けました。(70代、会社員)

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このほか、改善点や反省点を書いて下さったアンケートも多々あります。今後も参加者のみなさんの貴重な意見を参考にしていきたいと思います。ありがとうございました。                 

ハンガンネット・横浜交流会事務局 阪堂千津子

通信295 お湯を沸かす 伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第295号 (2019年2月25日発行)

お湯を沸かす

伊藤耕一

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先日、高校生の子供の英語の宿題を見ていたら、こんな文章を英語に訳す課題がありました。
「私が、毎日お風呂のお湯を沸かして入ります。」

「お風呂」という日本の文化をどうやって訳すのだろう?
「毎日沸かす」という習慣的な行動を、ちゃんと現在形で表現できるだろうか?

などと思いながら、子供が鉛筆を走らせるのを見ていました。
すると、boil という単語と hot water という単語が紙の上に現れました。

その時は「お湯を沸かす」だから「boil some hot water」で良さそうな気がしましたが、後になってよく考えると「水を沸かすとお湯になるのだから、お湯を沸かすと英語で書くと、変な感じになるな。」ということに気付きました。

「韓国語も 물을 끓이다 だから、英語も boil some water が正しいな。」と思い「日本語はこういう表現をする言語だったんだ。」などと思っていました。

その後、調べてみるとこのような用法は「結果目的語」という用法とのことでした。
https://www.alc.co.jp/jpn/article/faq/03/205.html
穴を掘る、糸を紡ぐ、ご飯を炊く、家を建てる、幸運を祈る、風呂を沸かす、などなど数多くあるようです。

このいくつかの例文を見て「あれ!」とあることに気付きました。

韓国語では「家を建てる」は「집을 짓다」、「風呂を沸かす」は「목욕을 끓이다」で良いし、英語でも「穴を掘る」は「dig a hole」、糸を紡ぐは「spin yarn」で行けるじゃないか!

でも、どうして「お湯を沸かす」は韓国語と英語では不自然なんだろう? などと考えていたら、その夜は遅くまで眠れなくなってしまいました。

「お湯を沸かす」はNGだけど「家を建てる」はOK、使いこなすには経験とセンスが必要だなというのが結論で、その日は寝ました。

このような表現をうまく教える方法などあったら、知りたいものだと思いました。

通信294 私の韓国語講師奮闘記22: ハンガンネットセミナーに参加してみた 宮本千恵美

【週刊ハンガンネット通信】第294号 (2019年2月13日発行)

私の韓国語講師・奮闘記22「ハンガンネットセミナー&懇談会 in大阪」に参加してみた

宮本千恵美
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今年の冬ははっきりしない天候、そんな感じを受けます。
北陸にもようやく雪が降りましたが、前年のように積もることも殆どなく春を迎えるようです。

雪が少しちらつく2月11日(月)の祝日、大阪で「ハンガンネットセミナー&懇談会」が開催されました。
今回も昨年9月、長野でのセミナーのように「ライブ授業」を見学することもできました。
普段、他の先生方の授業を見学する機会はさほど多くないのではないでしょうか?

特に今回の目玉である前田先生の「友達の話を聞いて内容を理解する」と言うライブ授業を見学したいと思い、参加を決意しました。
まず前田先生の考案された「4色ボールペン」で聞き取りをします。
そして後半で「ニュース原稿を動画で発表する」と言う授業に切り替わり、その聞き取った内容を自分の言葉でまとめ、2人ペアで原稿をニュース形式で読み、録画・放送すると言う、なんともスペクタクルな内容でした。
後半の授業はミレの講師・飯田華子先生が担当し、先生が交代することで少し学校のような気分にもなりました。

まずは前半の「4色ボールペン」を使い聞き取る・インプットの質を高める授業は、ミレの受講生の方々だからでしょうか?
その集中力に驚きました。
よくあることですが、聞き取っているような思い込みで意外としっかり聞き取っていない単語や言い回しがたくさんあります。
うんうんと頷く生徒達に、
「本当に分かってますか?」
と聞くと、殆どの生徒は
「いいえ、よく分かりませんでした・・・。」
と答えることもよくあります。
日本人ならではと言いましょうか、分かったふりをする人が意外に多いのです。

しかしこの「4色ボールペン」の聞き取りは、まず誤魔化せません!
そして何よりも実力が良く分かると思います。
最初は聞き取れることが少なく、ショックを受ける受講生もいるかもしれませんが、しっかり聞き取ると言うことは会話する上でとても重要なことです。
そして上達していく過程がペンの色で確認できるのは、とても分かりやすいと思います。

そして後半に繋がる授業では、聞き取った内容を発表する・アウトプットに移ります。
録画された自分の放送を観賞しながら、感心したり笑いが起きたりとても楽しい印象を受けました。
終わった後にペアーごとに対して感想を講師が話す際に、「上手にできたところ」をしっかり伝えているところは、自分の生徒に対する接し方を改めて考えさせられました。

・・・私、ちゃんと生徒を評価しているかしら・・・?
自分に問いかけてみました。
勿論、直すべきところは注意しながらも、やはり良い点を見つけそこを伸ばすこと。
受講生の意欲向上には褒めることが最大の糧なのではないでしょうか?

その後、授業に関しての意見交換の時間に移行し、講師陣だけでなく実際に参加した受講生役の方々も参加されたことで、講師側と受講生側の意見を聞くこともでき、とても有意義な時間だったと思います。

話し合いの中で講師陣は授業構成からの矛盾点や修正点、今後この授業を改善しどう活かしていくかなどの意見が飛び交う中、受講生からの意見は全く違っていて、「楽しかった」などの肯定的な意見が良く聞かれました。
受講生から聞く意見はとても重要な意見だと思います。
どんなに良い教授法でも、それが受講生側に伝わらなければ意味がありません。
しかしながら、一生懸命討論し、授業を作る講師陣に感心している受講生もいました。

最後に懇談会では、各教室の現状の報告、そして今後の展望に話し合いが飛躍していきます。
私自身も感じる受講生の変化とそれに合わせた今後の教室運営―今何が必要か考えざるえを得ません。

私は他の先生方と同じ意見で、学習する生徒数自体は減っていないと思うのです。
2017年から第3期韓流ブームが到来し、若い世代がそのブームに乗っています。
プリクラに今までは英語で名前やメッセージを、それが名前くらいはハングルで書くのがブームになっている、その若い世代も教室に通ってもらうにはどうしたらよいか?
高校でも大学でも韓国語の授業を受ける生徒が増えています。
私自身も韓国語の本を持っていたり、携帯電話をハングル表記にしているだけで若い人たちから声をかけられ、学びたいと話してきます。
ブームはまだまだ終わっていません!

いろいろな先生方や各教室の意見や悩みや取り組みなども聞くことができ、また共有し協力し合えるセミナーの重要性を改めて感じた1日でした。