通信257 スピーチ大会の評価ポイントや講評

【週刊ハンガンネット通信】第257号 (2018年1月8日発行) スピーチ大会の評価ポイントや講評より アイケーブリッジ外語学院代表 幡野泉 ———- ハンガンネットの先生方、새해 복 많이 받으세요! お正月はどのように過ごされましたか? 早速ですが、前号の前田先生の「次のスピーチコンテストのヒントをいただきました」に続き、同じテーマで書きたいと思います。 当校も毎年、年末の時期にスピーチ大会と忘年会を兼ねた盛大なイベントを実施しています。昨年末で11回、11年目になりました。 感じたことは前田先生ととても似ていて、それは当校のメールマガジンに書きましたので、是非バックナンバーをお読みいただけたら幸いです。 http://archives.mag2.com/0000126294/20171214193325000.html また、つい数日前、第35回全日本中国語スピーチコンテストに足を運んで参りました。この大会は、わたくし幡野が中国語力アップのため、第30回と32回に出場した大会です。 最初に審査基準が発表されます。 発音 表現力 内容 質疑応答 追加事項として、 時間制限 が審査基準です。原稿を覚えている覚えていない、忘れる、つっかえる……なども残念ながら評価に入ります。 表現力に影響してくるわけですね。 当校のスピーチ大会でもまさにこのような評価軸で審査をしています。 もしこれから大会を実施される先生方がいらっしゃいましたら、是非参考になさってください。 また、自身が出場した時の審査員講評に学ぶところが大変多く、 当時のブログにまとめました。「声の質も重要なポイント」 「(発表は完璧なのに)質疑応答で普段の発音の癖が出る」などなど、含蓄に富んだお話が多かったので、 是非ご覧いただければと思います。 https://ameblo.jp/ikbridge-h/entry-11978813342.html 前田先生もおっしゃっていましたが、スピーチ大会を実施すると、運営側、指導側も大変学ぶことが多いですね。 「スピーチ大会」というと身構えてしまうので、「プチ発表会」など 何でも構わないと思います。学校の規模に関わらず、先生方もそのような場を設けられたらいかがでしょうか。

通信256 次のスピーチコンテストのヒント

【週刊ハンガンネット通信】第256号 (2017年12月25日発行) 次のスピーチコンテストのヒントをいただきました ミレ韓国語学院前田真彦 ———- 12月23日(大阪)24日(東京)で、第7回スピーチコンテスト(公開発音クリニック)を実施しました。 ミレでは発表ごとに発音指導をし、会場全員で練習する形式で実施しています。 公開発音クリニックとサブタイトルをつけているゆえんです。 4回目以降はイム・チュヒさんに審査委員長をお願いしています。 スピーチコンテストを通して感じたことをいくつか 1「伝える」指導を 一つ一つの発音の正確性にこだわるあまり、「伝える」という観点での指導が不十分だった。 もっと、「何を伝えたいのか」「どう伝えたいのか」など、個々の発音とは違う観点での指導が必要。 指導する側に、「伝え方」「表現」などの準備が必要。 2 全体での練習を計画的に 後半は、観覧者も含めて、個別の発音クリニックを実施した。 個別の発音クリニックも必要だが、全体での指導も必要。 全体指導と個人指導をもっと有機的に関連付けることが肝要。 私は、中学高校の吹奏楽の指導をしてきましたが、それと同じだと感じました。 個人練習が基礎にあります。一つ一つの音を正確に出すことがまず前提ですが、 ある程度それができるようになると、曲全体の流れを理解し、 どう表現するかにも、力を割かなければなりません。別個のものではなく、並行して行うものです。 そして複数の人との練習によって、声の響きを確かめることができます。 人の発音を聞くことは、自分の発音を反省的にとらえるきっかけになります。 せっかく、大人数が集まっているのだから、相互の影響力を生かす方向で考えたいと思います。 以前、スピーチコンテストで「群読」をやっていた時期もあるのですが、 目標と指導の手順をより明確にして、「群読」に再挑戦したいです。 個人で練習し、それを指導し、数人のグループで練習し、数十人で仕上げる、そんな「群読」に挑戦したいです。 2日間のスピーチコンテストから、発音指導についての反省点とヒントをたくさんいただきました。 それにしても出場者の皆さんの伸びには目を見張るものがあります。感動的です。 そして参加者の皆さんの「発音が上手くなりたい」という思いに触れて、ますます身の引き締まる思いをしております。

通信255 韓国訪日学生団と市民の交流会

【週刊ハンガンネット通信】第255号 (2017年12月20日発行) 韓国訪日学生団と市民の交流会 参加者募集 阪堂千津子 ———- 昨年に引き続き、外務省の推進する「JENESYS2017 (対日理解促進交流プログラム)」の一環として、韓国青年訪日団(大学生)68人が日本にやってきます。そのイベントの1つとして、横浜では韓国からの大学生68人と韓国語を学ぶ市民との交流会が開催されます。今年はハンガンネットが委託事業としてこの交流会の募集・運営を引き受けました。 横浜駅東口に直結したスカイビル27階にある会場では、横浜港、富士山などすばらしい眺望が楽しめるだけでなく、プレミアムランチバイキングが無料で提供されます。また、来日する大学生は、日本に興味のある学生ばかりで、中には日本語が堪能だったり、日本マニアの学生もいるかもしれません。 そのような大学生をホストとして迎え、日本の文化や魅了を伝えながら、半日、交流してくださる学習者を募集しています。年齢や性別は不問です。韓国人の友人を作る絶好の機会です。これまで学習を重ねてきた韓国語を使って、本場からきた若い人たちと自由にお話を楽しむ機会を、先生方の教え子のみなさんにおすすめいただけますでしょうか。 すでにいくつかの教室には声掛けをお願いし、現在50人ほどの参加者を集めることができましたが、まだあと20人ほどの余裕があります。先生方の受講生の中で、このような交流に関心のある方にお声をかけていただければと存じます。 すでに楽しいアトラクションを考えて、チャクチャクと準備を進めております。年内いっぱいはお申込みをお待ちしております。先生方の積極的なご協力をお願い申し上げます。 (1)参加条件は以下のとおりです。 ① 講師がハンガンネットの会員であり、その受講生であること ② 交流会当日と事前打ち合わせに参加できること (1月6,14,21日のうち、少なくとも1回以上) (2)当日の日程 1月25日(木曜日) ①トークセッションと食事会 10時から15時まで 「クルーズクルーズ横浜」(横浜スカイビル27階) ( 交通費は支給されませんが、ビュッフェ料金は主催者が負担) ②フィールドワーク 15時から 参加は任意ですが、どうかご協力をおねがいします。 (3)打ち合わせについて ①1月6日 10時半から12時半 横浜駅西口 徒歩3分 県民サポートセンター会議室 ②1月14日 場所未定 ③1月21日 外大サテライト(予定) 11時から13時まで (4)お申込み方法 ① 電話とメールアドレスを明記のうえ、下記までお申しこみください hando.chizuko@gmai.com   はんどうちづこ 以上です。 積極的な参加をお待ちしています 不明な点はお問い合わせください ハンガンネット1/25日韓交流会事務局 阪堂 千津子

通信254 言語干渉

【週刊ハンガンネット通信】第254号 (2017年12月11日発行) 言語干渉 伊藤耕一 ———- 言語干渉のこと、私も書いてみたいと思います。 私が言語の発音について体系的に認識できるようになったのは、大学3年の頃だったと思います。 それまでは、日本語の音韻体系に英語や韓国語の音韻を当てはめて発音していたように思います。 どのようにそれを認識したかというと、ニュージーランド渡航に備えてNHKラジオの英語講座を聞いていた時、「phonetic corner」という発音に着目した数分の時間があり、これを聞いた時でした。 どんな内容だったか、思い出せる範囲でいくつか書いてみます。 ①摩擦音と破擦音の違い pleasure の “su” と joke の “jo” の発音は異なり、前者は摩擦音、後者は破擦音である。 ②”L” の音は側音と呼び半母音に近い “L” の音は、舌を上あごにつけてその側面から空気が出てくる音で、子音というよりも半母音に近い。 ③単語の最後にくる”L”はほとんど発音されない “beautiful” “fall” など、単語の最後にくる ”L” の音は “dark L” と呼ばれ、ほとんど発音されない。だから “unbelievable” を「アンビリーバボー」と表記するのは合理的である。 ④”T”と”D”、”T”と”T”、”K”と”G”、”K”と”K”、”P”と”B”、”P”と”P”、の音が続く時、前の音は後の音に飲み込まれてほぼ一緒に発音される “It depends.” は「イッディペンズ」、”Hepburn” は「ヘボン」のような音になる。 ⑤単語と単語のつなぎ目が子音と母音の並びになっているとき、その子音と母音は同じ音節で発音される。 “half an hour” は「ハフェンナウア」のような音になる。 これは英語の発音のコツなのですが、このような内容を聞くたびに目から鱗が落ちる思いを何度もして、日本語訛りがかなり改善した実感があります。 摩擦音と破擦音の違いが分かるようになって、ようやく濃音の発音ができるようになりましたし、韓国語の”ㄹ”の発音は②と③の知識を得てから、飛躍的にうまくなった自覚があります。 ④と⑤の前の音が後の音に飲み込まれたり一緒に発音されたりする現象はパッチムの発音に応用できるようになり、聞き取り能力が驚異的に高まりました。 私の場合、このラジオ講座のおかげで、日本語の音韻体系から脱出でき、私自身の言語干渉のかなりの部分を払拭してくれたと思っています。 このような細かな技能を身に付けて、自分の中で積み重ねると、言語干渉の一定の対策になるのではないかというのが私の経験に基づく仮説です。 そして異なる言語にも相互に良い影響をもたらすものと信じています。 話は変わって、私の趣味のひとつは将棋なのですが、将棋もこれに似た細かな技能(手筋)がたくさんあります。 「垂れ歩」「継ぎ歩」「底歩」「ダンスの歩」「頭金」「腹銀」「桂馬のふんどし」「田楽刺し」「十字飛車」「遠見の角」「玉の早逃げ」などなどたくさんあるのですが、発音や文法と同じで手筋を覚えれば覚えるほど、複数の手筋の組み合わせを考え付けば考え付くほど将棋に強くなれます。 藤井4段や羽生永世七冠はおそらく全ての手筋を身に付けているはずです。 発音に限らず文法も単語もこのようなコツや技をパーツとして教え、例文に混ぜて身に付けさせる、そんな方法もあるのではないかと思います。

通信253 日本語訛りの韓国語

【週刊ハンガンネット通信】第253号 (2017年12月4日発行) 日本語訛りの韓国語 吉川寿子 アンニョハセヨ? 師走に突入しましたね!昨日大掃除をスタートして 窓ガラスをキレイにしたら、さっそく雨の大阪よりお届けいたします。 先々週から、ネイティブスピーカーには伝わらないけど 外国人同士では通じ合う言葉について、盛り上がっていますね。 話者の母語が第二言語に干渉するのは、逃れられない事実ですが そこを意識して克服しようという意識を持つかどうかが分かれ目かと思われます。 かくいう私も、子供の頃に民族学校を中退してから 10年近くたってから韓国からの留学生にお願いして身につけた 日本訛りの韓国語で、日韓通訳学校で音読したところ ネイティブスピーカーの講師に 「その変なイントネーションで読むの、やめてください」と お腹を抱えて爆笑されてから、もともと口数少ないのに 更に寡黙になっていった経験があります。 ちなみに、どう矯正すればいいかのアドバイスはありませんでした。 かれこれ20年近く前の話ですけど、無駄に記憶力がいいので 今も根にもっています(笑) いろんな事情で、韓国に長期で留学したこともなく 周囲にネイティブスピーカーの方がいなかったので、日本訛りになるしかない 状況でしたが、当時はまだ、外国語としての韓国語教育が 今ほど普及していなかったことを思うと、いたしかたなかったのかもしれません。 当時は自分が韓国語講師になるとは、まったく想像もしていませんでしたけど 教え始めてからも、しばらく「変なイントネーション」コンプレックスに 苦しみました。とはいえ、発音指導のためにお気に入りの朗読CDを 暗唱するほど聴き込んだり、イントネーション指導の教本で練習を重ねるうちに 徐々に韓国語っぽくなりました。 この話を、今も個人指導をお願いしているキムテウン先生に相談したところ それはインド訛りの英語と一緒だ、韓国語の方言の一種だと考えればいい、と 言われて目からウロコでした。 ちなみにキムテウン先生はアメリカで英語と韓国語を教えながら 第二言語教育を研究されています。韓国語だって、地方によって色々ある。 ソウル言葉以外は韓国語ではない、というのもおかしな話だ、との指摘でした。 たしかに、関西弁は日本語ではない、と言われたら暴動が起きそうです。 少し脱線してしまいましたが、先週宮本先生が書かれていた 完全に金沢イントネーションの韓国語も、問題は韓国で通じるかどうかだと思います。 会話は前後があるので、よほどややこしい話でなければ通じるとは思いますが 聞き手が外国人の話す韓国語を聞き慣れた方でなければ、昔の私のような 体験をされないか心配になります。 でも、それもご本人が必要を感じてからでもいいのかもしれませんね。  余談ですが、あれからいろんな経験を積んで、イントネーションコンプレックスは 解消されましたので、最近会話レッスンを始めました。 普段韓国語で話し慣れていない方を対象にしていますが、ドラマをよくご覧のせいか 皆さん、自然なイントネーションでお話しされることにちょっとビックリです。 しつこく根にもってましたが、あの通訳学校での経験が、後に 必死で発音やイントネーション練習するきっかけになったことを思うと 今となっては当時の講師の方に感謝しております。 楽しい授業を目指しますが、優しいだけの講師にはならないように 気をつけたいと思います。

通信252 私の韓国語講師・奮闘記16「先週の通信を読んで思わず笑ってしまった^^」

【週刊ハンガンネット通信】第252号 (2017年11月27日発行) 私の韓国語講師・奮闘記16「先週の通信を読んで思わず笑ってしまった^^」 宮本千恵美 ———- 先週の寄田先生の通信を読みながら、自分自身も似たような経験があり、思わず笑ってしまった話をしたいと思います。 私は2010年の1月まで韓国・慶熙大学の語学堂に通い、帰国して約3ヵ月後に韓国語講師として働き始めました。 それから年に1,2度は訪韓し、語学堂で知り合った友人に逢いに行っていました。 日本以外の留学生の殆どは正規留学として改めて大学に入学する生徒も多く、韓国人の友人よりは他の国の友人と一緒に観光したりしていました。 今でも交流がある中国人の女友達は、世宗大学の大学院に進学し、彼女には韓国人の彼氏ができました。 2010年の秋、その女友達とその彼氏、そして私の韓国人の友人4人でカフェにいたときのことです。 私と中国人の女友達とは韓国語で話し、お互い女子なので会話も弾んでいました。 しかし彼女の彼氏、私の韓国人の友人がキョトンとしているのです。 そして、韓国人の友人がボソッと、 「2人で何を話しているのか(韓国語のはずなのに)全く分からない!」 ・・・なぜかこんな言葉はストレートの耳に届きます・・・ その後、彼氏が続けて、 「2人だけで通じる言葉なんじゃない?」 おぉ・・・それもよく聞こえてますよ・・・ 私達は韓国人には通じない韓国語で会話していました・・・。 寄田先生が書かれていた3つの推測、 1.実は互いに聞き取れない部分も多いが、適当に合わせて会話自体を楽しもうとしている。 2.付き合いが長いので、相手の言葉に慣れているから聞き取れる。 3.互いに親しみを感じているため、相手の言葉を理解したい気持ちがなせるワザ。 私たちの会話にはこの要素がすべて含まれていると思うのです。 韓国人が複数いる状況下の中で、私達は韓国語を普通に話していると思い込み、盛り上がっているのですから・・・なんとも不思議な絵図らだったでしょう・・・ 韓国に留学してそのレベル・・・顔から火が出るくらい恥ずかしかったです。 その1年後くらいでしょうか? 私は再び韓国を訪れ、その友人カップルに久しぶりに逢いました。 私達がいつもの通り、何気ない会話をしていたときのことです。 友人の彼氏がこう言いました。 「千恵美!韓国語がすごく上手になったね! 実は前に会ったときは、(自分の彼女と)2人で何を話しているのか全く分からなかったんだ(笑)」 ・・・友人は大笑いだし、私はまた顔から火が出るくらい恥ずかしくなって、穴があったら入りたいくらいでした・・・ その1年間、私は韓国語を教えるために、自然と発音や文法の矯正をしていたのだと思います。 今では笑い話ですが、当時は笑えなかったです。 本当に恥ずかしかったのを覚えています。 私が思うに、日本人だけだと日本語だけになり、語学留学を全うできないこともありますが、外国人の中に入ったとしても現地の言葉が上達しているかということは断言できません。 やはり現地の人と話すということが、言葉を学ぶ上で重要だと思うのです。 地元に帰ってきてからも、全く一緒というわけではありませんが、似たような事がありました。 上級者が集り、韓国語維持のために1週間に1度集まる会にも参加した経験があるのですが・・・ 不思議なほど韓国語に聞こえなかったのです。 単語は韓国語、でもイントネーションが金沢弁・・・あれ?何語を話しているの?一瞬分からなくなったことがありますし、正直聞き取れないことも多かったのです。 日本人だけで集まって会話するときに、イントネーションやアクセントは意識しないと、どうも方言の影響を受けてしまいがちな感じもします。 韓国語はこうだと思うばかりに、そう聞こえないとどうも耳が拒否反応を起こすこともあるようです。 また最近、若者世代から韓流ブームの波が押し寄せてきている兆しが見え、韓国語を勉強したい、韓国人の友人が欲しいとインターネットの募集を目にします。 文法は間違っていなくとも違和感のある言葉が多いので、韓国人なら普通はこう話すという言葉ももっとフランクに伝わったらと思います。 と言う自分も冒頭で書いたように、韓国人に通じない韓国語を話した人間の1人なので、失敗談も踏まえながら生徒に楽しく通じる韓国語を教えたいなと思う今日この頃であります。

通信251「聞き取る」ということ   

【週刊ハンガンネット通信】第251号 (2017年11月20日発行)    「聞き取る」ということ          寄田晴代   ———- 先日、娘から面白い話を聞きました。 娘のアルバイト先に、鹿児島出身の年配のパートのおばさん(Aさん)がいるのですが、一緒に会話をするものの、実は何をおっしゃっているのか、よく聞き取れないというのです。そして、中国人のパート従業員さん(Bさん)の日本語も聞き取れないことが多い。 ところが、Aさんと Bさん二人が会話しているのを見ていると、いつもとても話が弾んでいるようなので、とても不思議だと言うのです。 一体、なぜ二人は言葉が通じるのか? 推測してみるに、思いついたことは次の3点。 1.実は互いに聞き取れない部分も多いが、適当に合わせて会話自体を楽しもうとしている。 2.付き合いが長いので、相手の言葉に慣れているから聞き取れる。 3.互いに親しみを感じているため、相手の言葉を理解したい気持ちがなせるワザ。 (他にも理由を思いついた方、お知らせください!) 外国語を聞き取れるようになるには、たくさん聞いて耳を慣れさせることは必須でしょう。 しかし、いくらたくさん聞いても、語彙力や文法の知識が乏しければ、聴解力を伸ばすには限界があることは言うまでもありません。 ただ、たくさん聞くことによって、外国語を聞くことに慣れ、外国語を聞く負担感が減り、学習が進むという効果もあるでしょう。 冒頭のAさんBさんの話をきっかけに、自分の韓国語リスニング力獲得過程を思い出し、「聞き取る」ことについて考えました。 私は大学院生の時に韓国に留学したのですが、留学する時、リスニングにはたいして不安がありませんでした。 大学の4年間、毎年2か月ほど韓国に滞在しながら、あまり不便なく過ごし、韓国人の友達ともコミュニケーションが取れ、大学院の授業が韓国語だけで行われるときも困ったことがなかったからです。 ところが、留学して授業にでてみると、先生の講義はわかる。でも、話の合間に出て来るジョークが聞き取れない。みんななんで笑ってるの?と、悔しい思いをしました。 また、私は楽器や舞踊など、韓国伝統芸能の勉強もしていたのですが、地方から出て来た弟子仲間の言葉が聞き取れない。多少方言があるせいもあったのですが、原因はどうもそれだけではないようなのです。 結局、そのとき私が悟ったのは、今まで自分が韓国語を聞き取れたのは、外国人の私が聞き取りやすいように、みんなが配慮してくれていただけなのだ、ということでした。弟子仲間の大半は、ひたすら伝統芸能の修行に励み、高校卒業と共にソウルにやって来た人たちで、たぶん外国語の学習に没頭した経験もなく、外国人と接する機会もなかったでしょう。ゆえに、わかりやすく話す発想がなかったと思われます。 十分韓国語が聞き取れると思っていた頃の私は、聞き取れる言葉だけをキャッチして、聞き取れない言葉はみんな取りこぼしていたのでしょう。そして、取りこぼしていることにさえ気づいていなかったのだと思います。 知っている語彙が増え、耳が開いてくる(?)につれ、意味はわからないけれど、単語単位で音を捕まえられるようになってきました。捕まえた音を辞書で調べることができるようになりました。捕まえた音を文字化して辞書で調べるには、音変化の知識が欠かせません。 このように、学生たちにも将来的には一人で学習を進められることを願って、自分の経験を語ったりするのですが、聞き取ってくれているのかはわかりません。 余談ですが、金髪で青い目の西洋人のママ友に「初めましてナカムラです」と流暢な日本語で挨拶されたとき、聞き取れませんでした。 予想もしていないことを言われると、上手な日本語でも聞き取れないものなのだなあ、と思いました。

通信250 頑張ってください

【週刊ハンガンネット通信】第250号 (2017年11月13日発行) 頑張ってください 韓教室 金英う ———- 안녕하세요. 한국어 작문을 첨삭하다 보면 학습자가 틀리기 쉬운 표현에는 공통점이 있는데요, 상황에 맞게 여러가지 표현으로 바꾸는 게 어렵다는 점입니다. ‘頑張ってください‘가 그 하나의 예라고 봅니다. 일본어에서는 이 표현 하나만으로도 여러가지 의미를 나타낼 수 있지만 한국어에서는 서로 다른 표현이 되기 때문이지요. 예로, 아는 분이 미국 출장을 갔을 때 있었던 얘기를해볼까합니다. 거기에 모인 사람들 중에 한국에서 온 사람이 있었대요. 출장이 끝나고 다들 본국으로 돌아갈 때, 그 한국인은 새벽 4시에 비행기를 타고, 그것도 직행편이 아니라 LA에서 환승을 해야 했대요. 그래서 그 한국인에게 한국말로 ‘수고하세요‘라고 말했나봐요. 그랬더니, 그 사람이 폭소를 터뜨렸다고, 왜 폭소를터뜨렸는지 알 수 없다고 저한테 물어 왔어요. …

通信249 頭音法則

【週刊ハンガンネット通信】第249号 (2017年11月11日発行) 頭音法則 アイケーブリッジ外語学院 幡野 泉  ———- 当校で韓国語の入門者から初級者、約10名の団体研修を実施しているのですが、レベルチェックテストの際、「おや?」と思うことがありました。 「旅行が好きですか?」これを韓国語にしてください。  という問題なのですが、2名の方が「려행」と書かれたのです。 「頭音法則」の善し悪し?のようなものはここで論じるつもりはありませんが、私が気になったのは、どこで 「旅行-려행」と習った、もしくは見たのだろう?と。 半数程度の方が「今回の研修に当たり、独学で少し勉強した」という面々で、皆さんとてもお若い。 民族学校などのご出身の方が語頭を「ㄹ」等にするのは存じ上げていますが、独学レベルの方がそうされる、というのは、どのような経緯なのでしょう。 最近の韓国の教材は100%「여행」と書かれているはずなので、例えば、たまたま民族学校ご出身の先生が選んでくれた教材で少し教わった、とかなのかしら?と想像しています。 先生方も似たようなご経験はありますか?単純に気になるので、折を見てご本人に聞いてみようと思っています。 ちなみに、個人的には、「려행」という見た目も響きも嫌いではありません(^-^)

通信248 上達論のある反復を

【週刊ハンガンネット通信】第248号 (2017年10月30日発行) 上達論のある反復を ミレ韓国語学院 前田真彦 ———- 福岡のセミナーで少し話題になりましたが、「50回音読は有効か」という質問に、ここでもさらに補足してお答えします。 僕は、子どもの頃よりバイオリンを習っていましたし、中学校では吹奏楽部に所属し、教師になってからも吹奏楽部の顧問をしてきました。 大人になってから書道も習いにいきました。すべて技術の習得は、反復練習です。書道では、書いた紙を重ねて背丈を超えるほどになれば、一人前と言われました。 吹奏楽の顧問としては、朝連を含め、毎日の練習に加えて、夏休みなどの休暇期間中は、合宿を複数回します。全ては量をこなすためです。 質を伴わせるためにも、まずは量が必要です。スパルタなどというつもりはありません。反復が大事なのです。 反復をどのように、マンネリに陥らせないか、 「変化のある反復」 「やりがいのある反復」 「上達が実感できる反復」 「成果が目に見える反復」 「自己評価しやすい反復」 「途中で自己反省できる反復」 「取り組みやすい課題」 「到達度が可視化できるチェックシート」 など、反復のさせ方にも工夫を凝らしています。単に「50回読みなさい」と言うだけではありません。 小学生のピアノの練習を考えてください。 毎日少しずつ、反復練習して数年、途中で発表会などを挟みながら、中学生になるころには少し曲らしいものが弾けるようなってくるのです。 50回と言うのはあくまで一つの指標です。 4色ボールペンディクテーションの「4」もあくまで、指標です。反復練習しやすい一つの指標です。 「4」とか「50」とか、反復を促す一つの工夫です。漠然と、「練習をしなさい」というより頑張りやすい、そして一定の成果が出やすい、一つの指標です。 語学の学習に、反復練習は必須です。留学せずに、外国にいたまま外国語を習得していくためには、意識的な反復練習が欠かせません。 (留学は、「その外国語に接する頻度」という点で、本人が意識しなくてもいやおうなしに圧倒的に多いから、上達しやすいだけで、反復や量をこなすという点では同じです。) 反復練習なしに、語学の上達はありません。「4」「50」も反復練習を促す、僕なりの提案です。 ダンベル運動・腹筋運動でも回数、ウォーキングでも歩数や時間。活動目標は、数値化すると目安になり、励みになります。 目標がないまま、マラソンをするより、目標の数値を明確にした方が頑張りやすくなります。 音読の上達のために、「繰り返し読むこと」を奨励する、その一つのわかりやすい目標の数値です。10回では少なすぎるし、100回では多すぎるし、達成感が得られ、成果が体感できる回数として、50を目安として設定しました。 「変化のある反復」、「上達論のある反復」、今後も工夫していきます。

通信247 パンダの名前は香香

【週刊ハンガンネット通信】第247号 (2017年10月2日発行) パンダの名前は香香 伊藤耕一 ———- 上野動物園生まれのパンダの赤ちゃんは、香香(シャンシャン)と名付けられました。 愛らしい名前を聞いて、その音に興味を引かれたのは私だけでしょうか? 香の字を見て、まず私の頭に浮かんだのは、香港でした。 香港は、日本では普通「ホンコン」と読みますが、香の字は「ホン」と広東語で発音します。 ならば香港では、上野動物園生まれのパンダの赤ちゃんの名前は「ホンホン」と名付けられたと報道されたはずですが、「ホンホン」ではあまり愛らしく聞こえないと感じてしまいました。 皆さんは、いかがでしょうか? 香の字は韓国語では「향」と発音しますが、韓国の報道ではどのようにパンダの赤ちゃんが呼ばれたのか? こちらも興味深いところです。 漢字は文字通り、中国から韓国と日本に伝わってきたものですが、大きく分けて3種類の音(3つの地域の音)が伝えられたと私は大学で教えてもらいました。 ひとつは「漢音」で主に大陸の北の地方の音が遣隋使や遣唐使の時代に伝えられ、ひとつは「呉音」で主に大陸の南の地方の音がそれよりも以前に伝えられ、もうひとつは「唐音」で主に鎌倉時代に禅宗の僧侶によって伝えられたと聞きました。 香の字では、シャンは漢音、ホンは呉音となります。 韓国語の「향」はシャンとホンが混じったみたいで、さらに興味深いとも思いました。 韓国語の漢字語由来の単語を覚えるとき、漢音、呉音、唐音をバックグラウンドにして日本語音と比較するととても覚えやすく、また、知らない単語を聞いた時にも漢音、呉音、唐音のバックグラウンドから類推すると、その正体が分かったりと、私は随分とこれに助けられた覚えがあります。 私の場合は、経験によって身に付けたこの音の関連をベースに新出単語を教えることが多いのですが、もしこれが体系的に整理されたテキストなどがあればいいなと思ったりするのですが、そのようなテキストをご存知の方はいらっしゃるでしょうか? あと、シャンシャンの「ン」の発音を、多くの日本人は「ㄴ」と発音しそうですが、教室でそんな音を耳にしたら、「ㅇ」であることを指摘してあげなければならないとも思いました。 ピンインでは「xiāng xiāng」で、「シィァンシィァン」に近い音だそうですね。 パンダの赤ちゃんの名前から、そんなことを考えた今週でした。  

通信246 学んだ言葉を活用すること

【週刊ハンガンネット通信】第246号 (2017年9月25日発行) 学んだ言葉を活用すること 吉川寿子 —– アンニョハセヨ? 早いもので、今年も残すところ100日を切りましたね。 前回のの宮本先生の書かれた通信の中で 「言葉は相手に通じなくては意味がない」 「学んだ韓国語を活用できる機会」や 「間違いを恥ずかしがって話せない学習者」についての内容がありましたので、個人的に授業をしながら感じたことを書いてみます。 私も個人で教室を10年以上やってきて、いろんな学習者さんと出会いました。 学習動機は、本当に人それぞれですし、中上級者が増えるにつれてどんどんと要求度も上がってきています。 うちの教室は大阪という土地柄か、物おじしない積極的な方が多いですが 「韓国語で話したいけど話せない」方も、もちろんいらっしゃいます。 前回の通信で宮本先生が生徒さんに、民団のお祭り等でせっかく韓国の方がいらっしゃるんだから何か話しかけてみたら、と 促してもなぜ話しかけられないのかと書かれていました。 その理由を分析すると、下記2つが大きなハードルなのだと感じます。 1.間違えることが怖い 2.何を話しかけたらいいのか、わからない 1の間違えることが怖いの正体は 通じない、笑われる、馬鹿にされる恐怖ですね。 講師は学習者のミステイクを嘲笑ってはいけないのだと肝に銘じておりますが、併せて、母国語と同じレベルで表現できるわけはないのだから、言いたい内容のハードルを下げることを提案しています。 伝えたい内容の本質を考える。つまり、何が言いたいのか、そこを踏まえたシンプルな表現からでいいと伝えること。 結論から伝えるなど、シンプルな内容でも しっかりと伝わる経験を積んでから表現を増やしていけばいいということを伝えるだけでも、ぐっと発話は増えるように思います。 言葉を学ぶ動機は、学んだ言葉が通じた時の喜びというシンプルなところから発しているケースが多いので、そのあたりを大切にしていきたいと思っています。 2の何を話題に話しかけていいかわからないについては相手の持ち物や服装から話題を探してみる、出身地を聞いてみるなど 韓国語とは関係ないですが、相手に関心を持つことから始めてみてはどうかと提案してはいかがでしょうか。 私自身も韓国へ旅行した際、日本語の書かれたものを持っていると、それを糸口に日本語を勉強している韓国の方からよく声を掛けられて親切にしてもらっていて、とてもありがたいです。 少し話は飛びますが、今までいろんな授業リクエストの中で大学のAO入試や大学生の交換留学選抜試験の面接対策をしたことがあります。 面接試験、というともちろん緊張しますが 「会話レッスン」の延長線上に捉えて、録音を交えての発音指導と答えるべき内容の準備、アイコンタクト、受け答えに必要な練習を重ねた結果、それぞれ別の生徒さんでしたが見事に合格された時は本当にうれしかったです。 高校生、大学生さんたちは必修科目等の外的動機が大きいですが、市民講座を受講される社会人学習者さんは、個々の内的動機によります。 そのリクエストにこたえているうちにレッスンメニューが増えたり使うツールが増えています。 現在は、複数の方にご依頼いただいて通訳案内士の面接対策準備をしています。私自身が合格したのはかれこれ20年前なので、当時と仕組みが大きく変わっていますが 勉強した言葉を活用、パフォーマンスしていく能力を問われる試験です。 学習者さんの実力を十分に引き出せるよう、私も一緒に楽しみながら伴走していきたいです。 教室の生徒さんが最高のスパルタ教師である、と感じながら講師業を続けています。