通信558 「スピーチ大会は総力戦」前田真彦

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【週刊ハンガンネット通信】第558号 (2025年11月17日発行)
「スピーチ大会は総力戦」 前田真彦
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12月13日(土)13時~ 毎年年末恒例のミレの第15回スピーチ大会を実施
します。
今回もイムチュヒさんを審査員としてお招きし、すべてZOOMで実施します。
ミレでは普段から発音や音読指導に力を入れています。その集大成としての位置づけで毎年年末にスピーチ大会を実施しています。今回のテーマは、「韓国の魅力~だから韓国が好き」です。15人の個性的な原稿が集まっています。

原稿作成からサポートし、何度も原稿の書き直しをしてもらいます。合同の勉強会は3~4回実施し、出演者1人に、スタッフ1人が担任としてつきます。個別レッスンは、前田、担任スタッフ、ネイティブスタッフと3回実施します。スタッフ全員で出演者をサポートします。観覧者には、「次は私も挑戦したい」と思ってもらえるように、ミレ生全員に観覧に来るように呼びかけます。スピーチ大会に向けて、出演者も、スタッフも、そして観覧者も、学院全体が一つにまとまるのです。このように、スピーチ大会はミレ学院の一大イベントです。

なぜここまでするのか? それはスピーチは、「成功体験」でなければならないと考えているからです。「挑戦してよかった」「壁を突破できた」「韓国語がますます好きになった」「韓国語で自分の気持ちを伝えることができた」と思える成功体験を保障するのが、私たちの使命だからです。

出演者一人一人の発表が終わるとイム・チュヒさん、前田、そしてスタッフからコメントがあります。このコメントは、出演者にとっても、われわれスタッフにとっても大いに学ぶところがあります。発表者の真剣さに見合うだけのしっかりしたコメントができなければ、会全体の空気が緩んでしまいます。コメントも真剣勝負なのです。

「音読」から「語る」へ、いつどのように移行できるのか、いつもドキドキします。今年は大丈夫だろうか?

12月13日(土)13時から、ぜひ観覧にいらしてください。
https://new.mire-k.jp/speech_15/

通信540「録音音声の相互批評」前田真彦

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【週刊ハンガンネット通信】第539号 (2025年7月14日発行)
「録音音声の相互批評」ミレ韓国語学院 前田真彦=================================================

オンライン時代になって、音声添削が簡便になりました。

ミレを立ち上げた当初(2010年)はカセットテープでした。カセットテープを郵送でやり取りしました。3年ぐらい続いたと思います。それがUSBになり、今ではメールでの提出が中心になりました。

音読の録音は、スマートフォンで簡単にでき、提出・共有はLINEグループや、グーグルクラスルームなどで簡単にできます。

今年度は、大学生も合わせて、1週間に100人以上の学生受講生の音読をチェックすることになります。さすがにこれはきついので、受講生同士の「相互批評」を導入しているところです。

「相互批評」のためには、聞く力・コメントする力が要求されますが、それも含めて、普段の授業での指導項目に取り入れ、受講生全員が、クラスメートの音声にコメントを付けられるだけの「聞く力」、「コメントする力」を身に付けられないか、模索しています。(楽器の演奏ができなくても、演奏を批評できるように、自分があまり上手に発音できなくても、人の発音を批評する能力はある程度誰でもあるものです。)

・激音、濃音、パッチムの発音、ピッチなど何がポイントなのか?

・どのように発音するのが、より伝わりやすいのか

・コメントの方法・型 安心してコメントできるクラスの人間関係

など、相互批評するためのトレーニングも考えていかなければなりません。

これがある程度でもできれば、自分自身の発音にも自覚的・分析的になり、発音の上達も速くなるはずだと考えています。録音音声の提出・共有が簡便になった今、新しい音読トレーニングの方法を考えています。

通信531 「教室・授業の現状・お悩み、交流しませんか」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第531号 (2025年5月12日発行)

「教室・授業の現状・お悩み、交流しませんか」ミレ韓国語学院 前田真彦
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まずはこの動画を見てください。
https://youtu.be/Jv0B1HCYR6g

5月24日(土)19時20分~20時50分
発表講師:幡野泉(アイケーブリッジ外語学院代表)
テーマ:語学学校経営の実情と今後の課題について
打ち合わせ動画です。

幡野先生には、ミレを立ち上げる時に本当にお世話になりました。虎の門の教室に伺っていろいろお話を伺って、脱サラして独立する直前の背中を押していただきました。
聞くところによると、幡野先生も、起業時にはコリ文の金順玉先生を訪ねているとのこと。

事業を立ち上げるのは大変ですので、みなさん先人の知恵をお借りして、勇気をもらって門出をしているのですね。

この動画は5分に短くカットしていますが、1時間ぐらいおしゃべりをしているうちの5分なのです。コリ文で行った僕のセミナー(2010年2月)にhimeさんが参加していて、そこからhimeさんとつながったこと。アイケーブリッジのスピーチ大会に金順玉先生、金玄謹先生と見学に行ったこと、またコロナ禍ではどのように授業をしていたのか、などなど、いろいろ盛り上がり、おしゃべりは尽きませんでした。

こうやって自分の学院・教室の実情を語り、そして、他の学院の実情や悩みを聞く。これこそハンガンネットの役割だと思いました。

学院・教室の立ち上げや運営は、一人ではできません。いろんな周辺の先輩・同僚の話を聞きながら固めていくものだと思います。学院の立ち上げという大きなことでなくても、1時間の授業の進め方でも、いろんな悩みはあるものです。そしてそれらはほとんどの場合、共通しています。

お悩みについて話すだけでも、心が晴れるものです。
ハンガンネットは、授業情報の交流・研鑽の場です。
今回の幡野先生との打ち合わせを通して、ハンガンネットの存在意義の大きさを改めて確認できた次第です。

もっと情報交流しましょう。オープンに自分の学院・教室・授業の実情を語り、おなじ悩みを持っている(あるいはすでに解決してきた先生方の)お話を聞き、お互いに伸びていく、そんな会にしていきましょう。

現役講師、講師志望者、みんな集まって、元気になりましょう。

お申込み
https://x.gd/fO0Ly

通信499 「YouTubeショートとTikTok――視聴者が違う」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第499号 (2024年8月19日発行)

「YouTubeショートとTikTok――視聴者が違う」
ミレ韓国語学院 前田真彦
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『発音変化1000本ノック』というショート動画(60秒まで)シリーズの配信をYouTubeで始めました。今朝で50回目です。

同じ動画をTikTokにも投稿しています。
両者の反応・視聴回数が全く違っていて面白いです。一番極端な差が出たものを比較してみましょう。

「32、韓国の警察の番号」
YouTubeでは4,000回(YouTubeではこのシリーズで最も多い視聴回数)
TikTokでは1,600回(少ない方)

それに対し 「、5식료품」

YouTubeでは2,200回(まあ、平均的な視聴回数)
TikTokでは94,000回(桁が違う。他にも万を超えるものもある)

視聴回数以外の顕著な違いとしては、TikTokでは、「いいね」や質問がYouTubeより多いです。質問の内容も初歩的なものが多いです。

YouTubeとTikTokでは、視聴者の年齢や学習歴がかなり違うのがよくわかります。だから双方にアプローチする必要があると思います。若い学習者に向けた発信が手薄になりがちなので気を付けたいところですね。

発音変化は、中級から上の学習者には最重要課題なので、地道に発信を続けたいと思います。発音変化には、ショート動画が向いていますね。たくさん地道に発信を続けます。

通信484 「韓国を理解するための基本知識」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第484号 (2024年4月16日発行)

「韓国を理解するための基本知識」
ミレ韓国語学院 前田真彦
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금강산도 식후경 「金剛山も食後の景色」=「花より団子」

中級で出てくることわざですが、金剛山がどこにあるのかを知らない受講生がいました。これはひとえに、このことわざを教えた時に、地図で金剛山がどこにあるのかを教えなかった講師に責任があります。実は私のことです。

以降猛省し、テキストに地名が出てきたら地図で指し示し、場所を教えることに決めました。前田の自宅とミレ教室のホワイトボードの横に、学校の教室に貼っているような大型の韓半島地図を貼っています。

韓国で一番高い山は? 漢拏山 1950メートル 한번 구경 오십시오 で覚える。

韓国で一番長い川は? 洛東江

高句麗と高麗、どちらが古い時代か区別がつかない人がいます。高句麗の末裔であることを意識して、高麗という王朝名を付けたわけですから、高句麗が古いのです。

以前は「韓国の常識」という言い方をしていましたが、私たち外国人にとっては常識ではなく、意識して覚えていくべき事柄です。「韓国を理解するために必要な基本知識」を計画的に覚えていかなければ、いつまでたっても北朝鮮と中国の国境を流れる川は「鴨緑江と豆満江」ということを知らないままになってしまいます。

専門知識が必要なのではありません。小学生が日本社会を知るために地理や歴史の勉強を小学校の先生から習うように、広く浅くても、基本知識をどんどん知っていく必要があります。英語学習がグローバルな関心を育てるとすれば、韓国語学習は、韓国文化への関心へと発展していくものですし、そういう関心が韓国語の学習を支えるものでもあります。

韓国語講師は韓国文化を理解するための基本知識も意図的に教えていかなければなりませんね。

通信474「オンライン授業技術をシェアしましょう!」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第474号 (2024年1月29日発行)

「オンライン授業技術をシェアしましょう!」
ミレ韓国語学院 前田真彦
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先生方 ミレ韓国語学院の前田です。

ハンガンネットセミナーのご案内です。

2月12日(月祝)20時~22時 参加費:1000円
<1部:オンラインライブ授業 授業担当:飯田華子さん>
「韓国語の発音講座―ピッチパターン(音の高低)を練習―」
(受講生の募集終了しました)

<2部:講師同士のざっくばらん勉強会>
・ルーム1:オンライン授業のちょっとした工夫
司会進行 とんそく子 前田
話題例)オンラインの基本操作の確認は必要だ
・ルーム2:授業に関するあれこれ
司会進行 金玄謹 金順玉 阪堂千津子 寄田晴代(敬称略)
話題例)レベルの違う受講生が混ざっている授業の進め方はどうする?

ライブ授業とは、臨時の受講生を募って、その場で、実際の授業を展開することです。
講師が生徒役をする通常の模擬授業より、スリリングで授業の実際の様子がよくわかり、大いに参考になります。
担当講師には、臨機応変に対応する授業力が要求され、
負担も多いですが、その分収穫も多い研修方法です。
ライブ授業を引き受けてくださった飯田さんに感謝いたします。

2部の<ざっくばらん勉強会>
ルーム1では、オンライン授業をする時の基本的な操作などを共有したいと思います。
私は、「ZOOM授業片々の技術20連発」と題してちょっとしたZOOM授業のアイディアを出します。
参加なさる先生方も、1つでも2つでも持ち寄って
皆さんで技術をシェアしていきましょう。

ルーム2も授業を進める上でのいろんな問題点について
具体的に話し合います。

金玄謹先生と動画を撮りました。
https://youtu.be/yLLKWLWoFpE

韓国語を教える楽しさを、皆さんで分かち合い、
より楽しく、効果的な教育実践が出来るよう
みなさん、ご参加ください。

現役講師ばかりではなく、これから教えたいと思っている講師志望者も来てくださいね。

オンラインでの授業はまだ始まったばかりです。
技術の集積はこれから、私たちがしていかなければなりません

みんさんで少しずつ積み重ねていきましょう。

お申込みはこちらから
(終了しました。ありがとうございました。)

通信455 「教え方も上達する」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第455号 (2023年9月4日発行)

「教え方も上達する」
ミレ韓国語学院 前田真彦
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当たり前のことですが、教え方も上達します。

ミレでは、「教え方の学校」金曜21時~、「韓国語教育ラボ」日曜16時~、
を毎週実施しています。

内容は大きく分けて2つ

1,韓国語の理解を深める (『韓国語概説』などを講読しています)
2,教え方の訓練 (10分間模擬授業・音声添削など)

それぞれ輪番制で私もその一人として発表しています。

受講生の教え方の成長ぶりを目の当たりにして感動しています。
ここでは10分間模擬授業について簡単に報告します。

指導案付きの10分間模擬授業を毎時間輪番制で実施しています。
受講生のみなさんは授業をした経験がありませんから、
最初は当然、みなさんお下手です。
学習指導案(教案)もまともに書けません。指導案の添削もします。
模擬授業の予行も別途することもあります。

そういう人が、毎回他の受講生の模擬授業を見、自分も数回模擬授業をやっているうちに、
次第に着実に腕を上げてくるのです。

授業の進め方、説明の仕方、指名、コメントなど、どんどんうまくなっていきます。
自信が付くと、声の張りも表情も変わってきます。

模擬授業であることを忘れ、私もその授業で一緒に学び、ポイントをメモしたり、
一受講生として質問したりするようになります。

授業のやり方は様々ですが、おさえないといけない基本のポイントはいくつかあり、その指導が必要です。
また切磋琢磨し、相互批評する仲間がいることも大切です。
そして回数をこなすことが何より必要です。

10分間模擬授業を毎週実施していると、
模擬授業にも順序があること(テーマによって難易度の違いがある)ということも分かってきました。

教え方のカリキュラムも作っていかなければなりません。

市民講座の講師養成は急務です。

通信445 第1回ミレ翻訳コンテストで考えたこと「翻訳を学ぼう」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第445号 (2023年6月26日発行)

第1回ミレ翻訳コンテストで考えたこと 「翻訳を学ぼう」
ミレ韓国語学院 前田真彦
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6月25日にミレ第1回翻訳コンテストの審査結果発表と講評会を実施しました。
「日韓部門」26人、「韓日部門」46人、計72人の応募がありました。

募集の段階から「学習翻訳」と銘打って、新機軸を打ち出しました。文芸翻訳でも、出版を目標とする翻訳でもなく、中級以上の学習者ならだれもがかかわれる翻訳のことです。原文に忠実に訳し、訳文としてぎこちない部分を整理して仕上げることを目標とします。読者を意識しすぎることなく、こなれすぎた訳語に仕上げる必要はありません。

審査にはミレスタッフ12人が関わり、スタッフにとっても翻訳について考えるよい機会にもなりました。

外国語を日本語に置き換えるという作業は中学校高校の英文和訳以来という人が大半だと思います。中高生の時は、訳文の検討ということも意識することもなく、ただ宿題として訳してきただけではないでしょうか。

韓国語学習者の大半は大人ですので、翻訳に取り組む素地を持っている人が多いと思います。翻訳ということについて学ぶ場がなかっただけで、文章を書いたり読んだりすることが好きな方が多いのではないでしょうか?

<翻訳とは「意訳だ」「再創作だ」>のような言説の影響を受けてか、自由奔放な訳文を提出する方もいました。ミレの「学習翻訳」が狙っているものは、そういうものではありません。原文を繰り返し味わい、内容を深く理解し、適切な訳語を選んでいくものです。大胆な意訳や読みやすすぎる訳文を推奨しません。

韓国に関心のある人は、誰しも翻訳のお世話になっています。翻訳(字幕翻訳含む)があるおかげで、韓国(語)の魅力に目覚め、学習を始めた人も多いのではないでしょうか?
それほど翻訳は大事なのに、翻訳を学べる場が少ないと思います。

第2回を今年年末に実施することを決めました。翻訳について学ぶ機会をこれからも作っていきたいと思います。

通信436 「指導案の書き方」前田真彦

【週刊ハンガンネット通信】第436号 (2023年4月10日発行)

指導案の書き方
ミレ韓国語学院 前田真彦
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「指導案の書き方」

「教え方の学校」では、4月14日(金)21時~80分間、指導案の書き方の説明をし、その後実習をしてもらう。

指導案とは何か?

その授業の目的と方法・手順をはっきりさせ活動内容と留意点、時間配分を書く。
そして受講生の反応を予測して対策を立てる。

板書計画も大事だ。
どのように板書するのか、色の使い分けもあらかじめ考えないと黒(白)ばかりになってポイントの分かりにくい板書になってしまう。
(オンラインで板書の仕方もずいぶん変わったが書いて説明する基本は変わっていない。)

いうなれば授業のレシピだ。

これがないと、講師の知識を適当に羅列するだけで終わってしまう。

授業の準備の中で一番大事なものだ。

「教え方の学校」では授業の作り方を基本から実習を交えながら実施している。

見学に来てほしい。